新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、一時期は販売台数が低迷した自動車販売。しかし、徐々に回復の兆しが見えてきました。むしろ密を避けることのできる移動手段として見直され始めたこともあり、もともとクルマを所有していなかったご家庭でも、クルマの購入を検討し始めるなど、むしろ以前よりもクルマが売れ始めているという話もあります。
その影響もあってか、新しいクルマの利用手段であるカーリースが、ここにきてさらに注目を集めています。月々お手軽な料金で、新車が利用できる購入するよりも便利な仕組みでマイカーを所有するという方が増えてきているようです。
しかし、便利でお手軽なことばかりが注目されがちなカーリースですが、安易に契約してしまうことのリスクも考えておかなくてはいけません。例えばカーリース契約中、月々の使用料を滞納してしまったら、いったいどうなるのでしょうか。
目次
新型コロナ禍で密を避けられる
マイカーが見直されている
国内でもようやく本格的な新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種が始まり、さあこれで一息つけるかなと誰もが考えていたと思いますが、ここにきて感染者数は徐々に増加(2021年7月現在)しはじめており、なかなか思い通りにはいきません。
そして、4度目の緊急事態宣言が発令され、今後もステイホームで密を避ける生活は続けなくてはなりません。とはいえ夏休みシーズンです。家族でどこかに出かけたいという気持ちはあるはずです。
しかし、公共交通機関を利用するのはさすがに避けたい。であれば、やはり便利なのはマイカーです。クルマがあれば家族以外との接触を避けることができ、好きな場所に好きな時に出かけることができる。キャンプや家族だけのBBQ。釣りやシュノーケリング、ハイキングなど人込みを避けることのできるレジャーはいろいろあります。この夏そんなレジャーを計画している方もきっといるのではないでしょうか。
今年の夏だけでなく、これからもしばらくはこのような生活は続くでしょう。なのであれば、やはりマイカーは手に入れておきたいところ。実際コロナ以後マイカーが見直されクルマの販売台数も伸びてきています。
「クルマはランニングコストがばかにならないから入手は厳しいな」という方だって、コロナ後の新しい生活を考えれば、マイカーがあればどれだけ便利なものかは想像がつくはずです。確かに費用は掛かりますが、今は無理に購入しなくてもよい、賢いクルマの利用方法があります。それが“カーリース”です。
カーリースなら月々定額の支払いだけで自分と家族だけのクルマを持つことができます。買うのではなく借りるのです。
カーリースはリース会社が契約者の選んだ新車を代行して購入し、契約者は月々のリース料金を支払って使用するという仕組みです。借りるといってもカーシェアリングやレンタカーとは違って自分だけのマイカーとして使用できます。あくまで5年や7年など一定期間借りているという形ですが、その期間中は自分のクルマです。所有にこだわらないという方にはとてもお得で便利な仕組みなのです。
リース料金以外に保険や税金
車検などの費用負担はなし
月々のリース料金の中には車検や自賠責保険、さらに自動車税の支払いに定期的なメンテナンスなどの費用もすべて含まれており、契約期間中はガソリンなどの実費は別としてそれ以外の費用の負担はありません。カーリースの場合クルマの所有者はあくまでカーリース会社ですので、リース契約者が別途負担する必要がないのです。
それで自分専用のクルマを持つことができるのですから非常に魅力的でしょう。それにカーシェアやレンタカーのように使用するために予約などをする必要はありませんし自分で用意した駐車場(月極駐車場の賃料などは契約者側で負担が必要です)でクルマを管理するのですから、使い勝手に関してはマイカーと一緒。いつでも好きな時にクルマを利用することができます。
そして何より月々の支払いの負担が軽いというのがうれしいですね。多くのカーリース会社では頭金なしでカーリースが利用できるようになっていますのでまとまった初期費用を用意する必要もありません。
リースの契約期間中、毎月決まられたリース金額を支払うだけでいい。契約期間が5年なら5年間、7年なら7年間滞納することなく払い続ければいいのです。
例えばカーリースの人気サービスであるリースナブルの場合、最も安い車種なら6,600円(税込)/月×60回(5年)~です。これはダイハツのミライースLの場合ですが、普通にローンで購入するよりもかなりお得感があります。
たった月々6,600円です。これなら、月一回レンタカーを借りるよりも安く済む。そして、もちろんこの中には車両代金の他に新車購入時の登録にかかる各種費用から、自賠責保険料や自動車重量税、リース手数料なども含まれています。
さらに車検にかかる費用も含まれているので登録から3年後に必要な車検費用もすべて無料(契約者側の負担はゼロ)となっています。
リースの場合人気車種ほど
お得にリースできる可能性大
月々のリース料金がお得な理由は、残価が設定されているからです。カーリースはリース契約期間を終えればクルマは返却するわけですから、あらかじめ返却時のクルマの査定額分を引いてその金額を月々のリース料金で負担するという形になります。
ということは、残存価格が高いと予想されるクルマほど、元の新車価格から引かれる金額が大きくなるということで、より割安にリースが利用できるということになるわけです。
先ほど例とした上げたミライースですが、こちらは新車でも非常に低価格なクルマです。得にLグレードは本当にベーシックな軽自動車のセダンで、正直社用車のような地味なクルマ。安いのは確かですがマイカーとして使うのはちょっと寂しいといえるでしょう。
でも、実はリースナブルの場合、同じ6,600円/月×60回(2021年7月現在の設定プラン)のリースで、軽自動車の大ヒット車、ホンダのN-BOX(それも一番人気のカスタムのL・ターボグレード!)を選ぶこともできるのです。
ミライースのLの新車価格は89万3,200円。N-BOXカスタムのLターボは196万9,000円です。車両価格で倍以上違うのに月々の支払いが同じ! どちらも軽自動車なのでランニングコストにも大差ないのにちょっと驚きませんか。
ようするに大人気のN-BOXなら5年後でも中古車市場では引く手あまた。十分価値が見込まれるから下取り価格が高く設定されているということ。
対してミライースの廉価グレードのLとなればおそらく5年後の価値はほんとにわずかしかない。結果、新車価格からそれぞれ予想される下取り価格(残価)を引くとほぼ変わらない月々のリース料金になってしまうというということなのですね。
月々の支払をなるべく抑えたいからと言って、はじめからミライースのLのような廉価なクルマを選んでしまうと、長い目で見るとかえって損をしてしまうという可能性があるというわけです。カーリースを検討するなら、人気車種ほどむしろお得度が高いということは是非覚えておいておくべきでしょう。
無理なリース設定で滞納すると
大切な信用情報に傷がつく!
このようにカーリースはクルマ選びが非常に重要なのですが、一方、いくらコスパ的に魅力的だからといって、月々の支払いに無理のあるリース契約を結ぶのは絶対に避けるべきです。リース契約期間中は、その設定金額を支払い続ける義務があるので、家計に無理なく払い続ける金額がいくらなのかはキチンと検討してください。
特に今はコロナ禍で先々の収入が不安定という方も少なくないでしょう。カーリースの契約は5年や7年など長期に及ぶ場合が多いので、先を見越してカーリース料金を設定することが必要です。
いいクルマに乗りたい、広いクルマが良いからからと言って無理をして、予算ギリギリでリース契約を結んでしまうと、もしかしたら支払いが破綻してしまうかもしれません。
例えば病気やケガ、家庭の事情や働き方が変わるなどあって、リース料を払えなくなってしまうこともあるかもしれません。その結果リースの支払いを滞納してしまうこともないとは言えないのです。
もし、カーリースの料金を滞納してしまうと、どうなるのか。基本的にはローンの支払いなどと同じなのでまずは期日までの支払い請求の通知が来ます。多少遅れても、この段階でちゃんと支払えばペナルティなどはないはずです。
もしその期日を守ることができなかったら、今度は電話で督促があるでしょう。その督促受けて、再度期日を指定した上で支払いを行えば、まだ大丈夫です。そのようなことを繰り返していなければ問題はありません。
では、その支払ができなかった場合はどうなるか。おそらくカーリース会社の担当者があなたの自宅まで訪ねてくることになるでしょう。そこで滞納してしまった理由を告げ、さらに以後の支払い計画などをキチンと伝えることで支払い期日を猶予してもらえる可能性があります。でも、この時点で損害遅延金を請求されることもあるでしょう。
それに猶予と言ってもここまでくると待ってもらえる期間もわずかでしょう。そして、約束した期日までに支払えないようであれば、次は連帯保証人に請求がゆくことになります。連帯保証人となってくれた親などの迷惑をかけることになるわけです。そんなこと絶対に避けたいですよね。
リース料金滞納の結果クルマが
引き上げられることも
連帯保証人への請求を行っても問題が解決しない、または連帯保証人がいないという場合には、最悪のケースです。法的措置が取られてしまうことになるでしょう。ようするに
リースで購入したクルマが回収されることになります。さらに、裁判所の差し押さえ命令によって、給与や不動産などの財産が差し押さえられる可能性もあります。会社勤めなら大問題になる可能性があります。
そして、あなたの信用にも大きなキズが付きます。カーリース料金の滞納によって信用情報機関の持つあなたの信用情報が傷つくことになるのです。そして以後はクレジットカートの申し込みができなくなり、ローンやリースなども組めなくなります。
また、今や生活必需品ともいえるスマートフォンの分割購入などもできなくなることにもなるでしょう。そうなれば日々の暮らしにも大きな影響が出てくるはずです。
このようにリース料金を滞納してしまうと社会生活にまで影響を受けるようなかなりの損害となるわけです。加えて、信用情報が一度傷ついてしまうと、完済後5年間立たないとその情報は消えません。
それまでの期間はクレジットカードを作ることも、ローンを組むことはできない。そんなことにならないようにカーリース料金の滞納は絶対にしないようにしましょう。無理のあるリース契約を絶対に結ばないでください。自分が払える範囲で、ベストなリース車を選ぶべきなのです。
カーリースは途中解約が基本的にNG
ただし、リースナブルならいつでも解約OK
だったらリースの支払いがきつくなってきた次点で、リースを解約すればいいのでは、と考える方も中にはいるかもしれませんが、カーリースは、どのリース会社でも基本的に途中解約ができないと考えていいでしょう。契約した年数のリース料金を払い続けなくてはいけません。
支払いがきついなどの事情があっても簡単には解約できないのです。それでも解約したいという場合は、期間中のリース料金に加え、多額の違約金が必要になる場合がほとんどです。安易に解約ということもできないのです。
ただし、リースナブルの場合はちょっと違います。利用者のタイミングで解約することも可能となっています。さらに途中で解約しても違約金も発生しません。
ただ、即日の解約はできないので、解約する場合は事前の連絡が必要です。そして、途中解約したあとは、車を乗り換えるか買取してもらうかを選ぶことになります。
解約してクルマを買い取りしてもらうとなった場合、下取り価格がそのクルマの残価を下回ってしまう場合は、その差額分は支払わなければなりません。当然ですね。でないとリース会社が大損してしまうことになりますから。
ただ、万が一の場合、途中で解約できるというのはかなり安心ですね。
家族や周囲に迷惑をかけないように
無理のない範囲でカーリースを利用しよう
ただ、リースナブルのようにリースの途中解約で違約金なしというケースはまれです。基本的にはカーリースの途中解約は難しいと考えていいでしょう。カーリースを利用する場合は、支払いに無理のない計画を立ててから契約を結ぶようにして下さい。
このクルマが欲しいから、という単純な選択ではなく、人気車種ほどむしろ月々の負担が軽くなるケースもあるのでそういったことも見極める必要があります。しっかりとした計画を立てて賢く利用すればカーリースは非常に便利でお得なサービスであることは間違いありません。
いずれにせよまずは情報収集をキチンと行うのが大切です。安易にカーリースを利用して料金滞納で信用情報に傷をつけるような事態だけは絶対に避けましょう。自分だけでなく家族や保証人となってくれた人にまで迷惑をかけることになるのでくれぐれも気を付けてください。