ヴェルファイアの魅力といえばそのミニバン随一のクールなスタイリングとボリューム感満点のボディ、さらにその余裕あるボディサイズを生かした豪華で広々とした室内空間です。その魅力に惹かれてオーナーになった、もしくはオーナーになりたい、と思っている方もおそらく少なくないはずです。
実際に乗ってみると分かりますが確かにヴェルファイアの堂々としたボディサイズからくる、ゆったりとした室内空間の広さには圧倒されます。まさにLクラスミニバンならではのもの。できれば運転するよりも、後席でリラックスしながらくつろぐことができれば最高です。
ただ、ヴェルファイアのその大きなボディは、必ずしもすべてのシーンでポジティブに働くわけではありません。時にはそれが足かせになってしまうこともあるのです…。
目次
サイズの大きなミニバンならではの
悩みを解決してくれる装備とは
例えばギリギリの幅しかない狭い路地を走行しなくてはいけないシーンや、狭い駐車場のわずかに空いたスペースに停めなくてはならないといった場合。そんな時には、その魅力であるはずの大きなボディを持て余してしまうこともあるでしょう。
中でも特に困るのが慣れていない狭いスペースへの駐車です。大きなボディは、四隅の車両感覚をつかむのも大変ですし視界が高い分クルマの周囲にはどうしても死角もできてしまいます。バッグガイドカメラのサポートがあっても、まわりのクルマやタイヤ止めなどに接触せず、白線内に正確に駐車をするのは思いのほか大変。
それが前後のクルマが白線ギリギリまで迫った路上パーキングへの縦列駐車となればさらに困難です。これは大きな車ならではの悩みですね。
しかし、そのような大型ボディを持つLサイズミニバンオーナーの悩みを解決してくれる装備が、実はヴェルファイアに設定されているのです。その装備とはオプションとして設定された「インテリジェントパーキングアシスト2(IPA2)」です。
スイッチを押すだけ。自動で
駐車位置へと誘導してくれる
(引用:トヨタ公式HP)
インテリジェントパーキングアシスト2とは、簡単にいえばセンサーやカメラを使用した高度な駐車支援システムです。2とあるのは従来のインテリジェントパーキングアシストがさらに進化したものだからです。
こういった駐車支援システムには、トヨタ以外にも各社が競って提供していますが、特にトヨタのインテリジェントパーキングアシスト2は機能的にかなり先をいっています。例えばクルマの各所に搭載された超音波センサーとカメラによって駐車スペースの自動検知が可能。また適切な駐車開始位置にまで自動で誘導してくれるというのもインテリジェントパーキングアシスト2ならでは。
ステアリング操作はクルマに任せてドライバーは基本シフトレバーとブレーキの操作に加え周囲の安全確認に集中すればいいのですからまさにインテリジェントな駐車支援機能です。
さらに、駐車の操作をしている際にも車体に装備されたサイドセンサーが車体側面をスキャニングして、障害物なども検知してくれます。もし隣のクルマへ接近しすぎていれば警告音で知らせてくれますし、後退している時に障害物を検知すれば、自動的にブレーキが作動するので安心というわけです。
ポイントは空いている駐車スペースに接近するだけでカメラと超音波式センサーが駐車可能なスペースを自動認識してくれるということ。従来のもののように駐車したい場所をドライバーが手動で入力する必要がありません。
さらに狭い駐車スペースにクルマを停める際には、通常一旦ステアリングを切りながらクルマを前方に移動して丁度いいアプローチアングルの駐車しやすいポジションにもっていかなくてはなりませんが、なんとそれまでも自動誘導で行ってくれるのですから凄い。
これがあれば、クルマの操作自体に慣れていないという初心者でも、ベテラン並みにスマートな駐車が行えるというわけです。
でも自分は駐車に自信があるからそんな機能はいらないかも…。という方もいるかもしれません。しかし、愛車を自分以外の奥さんやお子さんが運転する機会はありませんか?そんな時にもこの機能があれば、大切な愛車のボディに傷をつけられるリスクも回避できるのです。そういう意味でもメリットはとても大きいでしょう。
切り返しの必要な
ステアリング操作も支援
インテリジェントパーキングアシスト2が支援してくれる駐車のパターンはこの4つです。
①後退車庫入れ駐車(区画線有り時のみ)
②前進誘導機能
③縦列駐車機能
④縦列出庫機能
(引用:トヨタ公式HP)
いわゆる車庫入れ駐車と、縦列駐車に対応しているのでほとんどのシチュエーションで役立つでしょう。
基本となる後退車庫入れの操作方法ですかこれもとても簡単です。まず駐車ができそうなスペースの前にクルマを持っていきIPAボタンを押します。すると、カメラとセンサーによって自動で駐車可能なスペースを認識してくれます。どのスペースを認識したのかはナビの画面で確認可能です。
もし、複数のスペースが空いておりそれらをセンサーが検知している場合はドライバーがカーナビの画面を見ながらステアリングを切って駐車したい方のスペースを選択します。
そしてOKスイッチをタッチすればあとはステアリング操作をクルマが行ってくれる(安全のため手はステアリングをすぐに握れるようにしておきます。)ので、表示される案内に従ってシフトとブレーキ操作を行えば適切な駐車が行えるというわけです。
道幅に余裕のないギリギリのスペースであっても切り返しを含めて最小限のステアリング操作でスマートに駐車できるようにサポートしてくれるので安心です。もし隣に停まっているクルマが斜めに駐車されていてもそれをよけまっすぐに駐車してくれるので問題ありません。
誘導機能の切り替えは画面を見ながらステアリングのスイッチを操作して「前進誘導機能」か「縦列駐車機能」、「バック駐車機能」を選択します。PやRなどシフトレバーの位置によって選択できる機能が変わりますが、それはマルチインフォメーションディスプレイで確認できるので操作も難しくありません。
センサーによる自動認識に多少コツが必要であったり、駐車場の環境(白線などが消えかけている、他の駐車車両の列がバラバラなど)によってはこの機能がしっかりと働かないこともあるかもしれませんが、ほとんどのシーンで役立ってくれることは間違いないはずです。駐車が苦手だ、という人にとってはこれ以上心強い機能はありませんね。
下記にインテリジェントパーキングアシスト2に関するトヨタの公式動画がアップされているので興味があるかたはこちらも確認にしてみてください。
IPA2のオプション装着には注意点あり
(引用:トヨタ公式HP)
このようにとても役立つインテリジェントパーキングアシスト2ですが、装着はSDナビゲーションシステム+JBLプレミアムサウンドシステムとのセットオプションとなります。残念ながら単体では装着できません。
ナビやオーディに加え、ETC2.0やバッグガイドモニターなどがセットとなりそのオプション金額は59万円~65万8800円(グレードによる)。結構な金額です。IPA2はセンサーやカメラ、ナビとも協調したシステムですからこれはしかたありませんが、迷うところです。もちろんもともとメーカーオプションのナビを装着する予定があるのであればむしろそのような便利な機能が一緒に付いてくる(選択できる)のですからありがたい限りでしょう。
ただ残念なことにインテリジェントパーキングアシスト2はヴェルファイアの全てのグレードに装着できるわけではありません。最上級グレードであるExecutive Lounge、Executive Lounge Z(ハイブリッド車、ガソリン車の双方)にはなんと装着することができないのです。
さらにパノラミックビューモニターとインテリジェントパーキングアシスト2は、それぞれナビとのセットオプションなのですが装着時にはどちらかしか選択できません。つまり同時の装着はできないのです。
実はExecutive Lounge、Executive Lounge Zはこのパノラミックビューモニターが標準装備となっているためインテリジェントパーキングアシスト2が装着できないのですね。
もしIPA2を使いたいなら残念ながらExecutive Lounge、Executive Lounge Zは選択肢からはずれます。また、その他のグレードであってもパノラミックビューモニター欲しいというのであればインテリジェントパーキングアシスト2はあきらめなくてはいけません。実に悩ましいところですね。
これからヴェルファイアのオーナーになるという人は、自分の使用環境、例えば運転するのは自分だけなのか?家族も運転するのか?また普段使用している駐車場や商業施設の駐車場は広いのか狭いのかなどしっかり見極めたうえで、インテリジェントパーキングアシスト2をオプション装着するかどうか慎重に検討しましょう。