日産は先日、同社の人気ミニバン「セレナ」に、XVグレードをベースとした新しい特別仕様車「XVエアロ」を設定しました。専用デザインのフロントバンパーを備えたいわゆるエアロ仕様で、セレナの人気エアロ仕様モデルである、ハイウェイスターとは一味違った、スポーティで個性的なエクステリアが魅力の一台です。

また、同じタイミングで特別仕様車のみオプションではありませんが、セレナ専用のディーラーオプションとして「電子シェード」というユニークアイテムが設定されています。そんな日産セレナの最新トピックについて詳しくご紹介します。

ハイウェイスターとは一味違った
セレナの新しいエアロ仕様が登場


(引用:日産公式HP)

ファミリーカーとして定番のハイト系ミニバンの中でも、代表といえば日産のセレナです。セレナは、現行車は3ナンバーですが基本は5ナンバークラスと手ごろなサイズを持ったいわゆるMクラスミニバン。

多人数でも快適に乗ることができ、見た目も高級感があって、なおかつ燃費性能に優れるということから常に販売台数ランキングの上位をキープしています。

こういったMクラスのミニバンには、ほかにもトヨタのノア/ヴォクシー、ホンダのステップワゴンなどがあり、これらのクルマが、長らく販売台数ランキングを競い合ってきました。ちょっと前までは、ショッピングモールの駐車場に行けば、セレナをはじめとしたハイト系ミニバンだらけ、という光景も珍しくありませんでした。

しかし、さすがに最近はSUVの人気にちょっとおされ気味ではあります。クロスオーバーSUVはミニバンほどではないですが家族みんなが快適に過ごせるスペースを持ち、なおかつ重心が低い分走りはミニバンよりもスポーティ。

いかにもファミリーカー然としたイメージも薄いですし、なによりスタイリッシュで確かに魅力的です。格好良さという意味ではクロスオーバーSUVの方が上かもしれません。

しかし、セレナはハイト系ミニバンながら、ハイウェイスターなど個性的なグレードを設定し、そのクールなスタイリングの魅力から多くのセレナファンを獲得しています。中には歴代セレナのハイウェイスターを乗り継いでいるという筋金入りのセレナファンという方もいるといいます。

「ハイウェイスターならクロスオーバーSUVよりも格好いい!」 そのように評価する方もいるのです。だからこそロングセラーなのであり、常に販売台数ランキングの上位に食い込んでいるのですね。

そんな多くのファンに愛されているセレナに、2021年11月24日、新たな特別仕様車が加わりました。それが「XVエアロ」です。ハイウェイスターとは違う新たなエアロモデルです。セレナファンならきっと気になっているはず。

画像を見る限りハイウェイスターとは違ったそのエアロスタイルは、とてもクールで、これはかなり注目を集めそうです。では、気になるエアロパーツをはじめどんな特徴を持った特別仕様車なのか、次のパートから詳しく紹介していきましょう。

ベーシックなXVグレードをベースに
専用デザインのエアロバンパーでドレスアップ


(引用:日産公式HP)

セレナ「XVエアロ」のベースとなったのはセレナの「XV」グレードです。XVはベーシックな位置づけの中間グレード。特に目立った特徴はないけれど、装備の内容に比べてお買い得度が高い、ということからコスパを重視する方には人気のグレードです。ただ、見た目に関してはシンプルでいわば素のセレナ。ハイウェイスターと比べるとやはり地味です。

そんなXVをベースにバンパーなど大物の外装を変更することで、格段にスタイリッシュな一台へと仕立て直したのが新しい特別仕様は「XVエアロ」なのです。

専用の装備として装着されたエアロパーツは、専用フロントバンパー(ハロゲンフォグランプ付き)と、サイドシルプロテクター、そしてリアエアロバンパーです。

いわゆるフルエアロでフロントとリアのバンパーはリリースでは“専用バンパー”となっていますが見た目はいわゆるバンパースポイラーです。ノーマルバンパーに装着するハーフスポイラーではないXVエアロ専用バンパースポイラー。

画像をみればわかると思いますが、ハイウェイスターと違ってすっきりとしたフォルムが特徴でデザインのバランスには素晴らしいものがあります。

フロントグリルはベースのXVそのままなのでハイウェイスターのような派手さはありませんが、専用バンパーによってワイド感や低重心感が強調されたことで非常にスポーティな印象になっています。

ミニバンにスポーティという形容詞はちょっと違和感があるかもしれませんがこれが想像以上にセレナに実に似合っていて本当にスポーティなのです。

セレナと言えばハイウェイスターばかりが目立っていますが、これは非常に格好いいのではないでしょうか。筆者個人の意見ですが、派手でとにかく目立つハイウェイスターよりも、XVエアロのシンプルでクールなイメージのエクステリアの方が正直好みです。

アルミホイールも標準装備となって
価格は15万円プラスとコスパも高し!


(引用:日産公式HP)

専用デザインのバンパーの装着に合わせて、LEDリアコンビランプも標準装備となっています。ただし、その他に関しては基本ベースモデルのXVと同じです。とはいえ大物の前後バンパーとサイドシルプロテクターが変わっているので見た目の印象は全く別物になっています。

このXVエアロですが、スマートシンプルハイブリッド車のFFと4WD車、さらにe-POWERが用意されていますが、スマートシンプルハイブリッド車のFFモデルには16インチのアルミホイールを装着。そしてスマートシンプルハイブリッド車の4WD車には15インチのアルミホイールが装着されます。

そしてe-POWER車にもe-POWER専用(e-POWER XV専用ではありません)15インチのアルミホイールが装備されています。ちなみにベースとなっているXVは15インチタイヤ+ホイールカバーとなっています。この差も大きいですね。

ただ、インテリアに関してはXVエアロ専用の特別装備というのは特にありません。ただし抗菌加工を施した専用シートを採用しているのと、内装色をブラックで統一しているのがベースモデルよりもグレードアップされている部分でしょうか。

それで気になる価格はいくらなのか、前述したとおりXVエアロは、スマートシンプルハイブリッド車の2WDと4WD、そしてe-POWER車の3タイプが設定されていて価格は以下の通り。

XVエアロ(FF車):289万3000円
XVエアロ(4WD車):314万1600円
e-POWER XVエアロ(FF車):340万3400円

そして、ベースとなっているセレナXVの価格は以下です。

XV(FF車):273万6,800円
XV(4WD車):298万5,400円
e-POWER XV(FF車):322万6,300円

比べてみるとプラス15万6,200円で専用デザインのエアロバンパーとアルミホイールが手に入るというわけですね。

通常アルミホイール&タイヤだけでもオプション価格は、10万円はオーバーしますから、専用エアロとアルミホイール&タイヤが装着されてプラス15万円なら相当にお買い得と言えるのではないでしょうか。

また、このXVエアロをベースとした車中泊仕様の「マルチベッド」も同時に発売となっています。こちらはオーテックジャパンが手掛けたもので三列目シートを取り除き、簡単に設置できるベッドシステムを組み込んだうえ、フロアにロンリューム(ビニールタイプの床材)を貼ったというもの。本格的なキャンピングカーではないので価格もさほど高くなってはいません。

XVエアロマルチベッド(FF車):323万1,800円
XVエアロマルチベッド(4WD車):363万6,600円
e-POWER XVエアロマルチベッド(FF車):389万8,400円

セレナで車中泊をしてみたいという方はこちらのXVエアロのマルチベッド仕様を狙ってみるのもいいかもしれませんね。

スイッチ一つでリアウインドウがくもりガラスに
セレナの新オプション「電子シェード」とは


(引用:日産公式HP)

また、セレナXVエアロの発表と同時に、セレナ専用のユニークなディーラーオプションも新たに設定されました。そのオプションというのが「電子シェード」です。これは、スイッチ一つで後席のウインドウガラスを透過モードと遮蔽(くもりガラス状にする)モードに切り替えることができるという後付けフィルムです。

スモークフィルムのように一度貼ったら車内は暗いまま、とはならず、駐車中は外からの視線をくもりガラスで遮ることができ、運転中はスイッチを入れて、ドライバーの視界を確保できるというわけです。

透過モード時でも、電子シェード自体にグレーの色がついているためスモークフィルムのようにある程度のプライバシー性も保つことが可能です。

用途としては、オートキャンプや車中泊などのシーンで、外からの視界をしっかり遮って車内を簡単にプライベート空間にできる、というもの。カーテンなどをとりつけるよりもスマートですし、ボタン一つで遮蔽モード、透過モードに切り替えられるというのは単純に格好いいですよね。

こちらはセレナ専用設計なのでスライドドアに取り付けても問題なく、またウインドウガラスの上げ下ろしを繰り返してもその耐久性には十分(2年6万キロ保証付き)とのこと。

この電子シェードは、ディーラーオプションでXVエアロを含むすべての現行型セレナ(C27型)に取り付けが可能です。新車時ではなくても後から取り付けができるので、すでにセレナオーナーとなっている方でも日産ディーラーに行けば装着することは問題ありません。

気になるオプション価格はバックドアガラスと両サイドのクォーターガラスの3枚セットで17万2,700円。そして、これに後席の両のスライドドアガラスを加えた5枚セットになると23万8,700円となっています。結構いい値段しますね。

でも、非常に魅力的なオプションですし、もし予算に余裕があるのなら装着してみたいな、そう思わせるアイテムではないでしょうか。

ハイウェイスターと双璧をなす
人気グレードとなるのは間違いなし


(引用:日産公式HP)

セレナと言えばどうしても人気のエアロモデルであるハイウェイスターばかりが目立っていますが、このXVエアロは、「セレナは好きだけどハイウェイスターは街中に溢れすぎているからちょっと避けたい。でもノーマルのセレナはちょっと地味で嫌だ」という方にとっては非常にいいチョイスとなってくれるはずです。

そろそろフルモデルチェンジをするのではないかと言われながらも、いまだに人気が衰えることのない現行のC27型セレナ。このXVエアロのようなお買い得で魅力的な特別仕様車電子シェードのような新たなオプションアイテムが追加されたことで、2022年もまだまだ注目されていくのではないでしょうか。

セレナの新車購入や、カーリースでの利用を検討中の方は、XVエアロに関して抜かりなくチェックしておきましょう。それでもし「手に入れたい!」となったら、なるべく早くにディーラー、もしくはリースナブルなどカーリース会社に赴き、見積もりなどの相談をしてみてください。まだまだ半導体不足で、新車の納期は遅れがちなので動くのであればくれぐれもお早めに。