新しいクルマとの付き合い方として、注目されているのがカーリースカーシェアリングです。今、音楽や動画、ファッションや家電など月々一定の支払いで使いたい放題となるサブスクリプションサービスが若い世代に浸透しています。同様にクルマとの付き合い方でも、所有するのではなく会費を払って使用するというスタイルが普通に受け入れられるようになっているのでしょう。

またクルマを借りるといえば昔からおなじみのレンタカーもあります。カーリースとカーシェアリングそしてレンタカー、これら3つはすべて買うのではなく、借りて利用するというもの。ただ、似てはいますが利用方法やそもそも目的には違いあります。では何が違って、どのような特徴があるでしょうか。カーリースとカーシェアリング、そしてレンタカーついて、その違いや特徴、メリット、デメリットについてあらためて考えてみました。

同じ借りるでも
借りる目的が違う

昔は、クルマは一つの財産であり、社会的なステータスの象徴でもあったので多少無理してでも良いものを購入するべきだ、という風潮がありました。しかし、今では逆に、無理をしてローンを組み、高級車を買うという行為そのものが格好悪いことというイメージが強くなっています。高価な高級セダンやクーペの人気が低下し、コンパクトカーや軽自動車など経済性の高いクルマが支持されるようになってきたのはそのような理由もあるのではないでしょうか。

そして、さらに無理することのない賢いクルマとの付き合い方として注目を浴びているのがカーリースやカーシェアリングです。買うのではなく借りる。自分のものではなくても、好きな時に便利にクルマを使用することができるのであれば合理的ですし非常に経済的です。

クルマを借りることのできるサービスといえば、レンタカーとカーシェアリングそしてカーリースです。これら、すべてクルマを借りて一定期間自由に使用するという点が同じに見えますが、実際には全く別のサービスです。では、一体どういった点が違うのでしょうか。

その違いはまずクルマを借りる目的です。レンタカーとカーシェアリングはクルマを持っていない方が一時的にクルマを利用するために使用するサービスです。

そのため、借りる期間も短く、カーシェアリングなら15分~2、3日程度、レンタカーの場合は、6時間程度から長くでも一週間程度の短い期間借りることが可能です。

どちらも買い物の時の荷物の運搬やドライブといったクルマが必要な明確な目的があり、そのために短期間借りるというものになっています。カーシェアリングはクルマの選択肢はさほど多くありません。身近にある貸し出しステーションにあるクルマが主な選択肢になります。

レンタカーなら車種の選択肢もある程度ありますが、好きなクルマを選ぶというよりも、荷物運びやドライブ、引っ越し作業など目的に適したクルマを借りるというパターンがほとんどでしょう。マイカーの代わりというよりも、公共交通機関に+する別の交通手段という意味合いが強いかもしれません。

借りていてもマイカーとして
身近に置いておけるカーリース

それに対してカーリースは、3年や5年、さらに7年など複数年にわたる長期の契約を結んでその期間そのクルマを利用者が所有する形になります。借りる目的も単なる交通手段の選択肢の一つというよりも、マイカーの代わりとして身近に置いておくためのクルマというイメージです。

そのため、多くの場合は、そのクルマをリースする方個人の好みのクルマを選びます。ミニバンでもSUVでも高級セダンでも自由に選択することが可能です。ただし途中で別の車種に乗り換えるのは基本的にはできません。

そして、借りてはいますが、リース期間はまさにマイカーとしてそのクルマと付き合うことができます。具体的なクルマの使用目的も、特に決まっていないというのがほとんど(社用車など業務用に借りるカーリースは別です。)なのではないでしょうか。

何か目的のためにクルマを一時的に借りるのではなくマイカーと同様に使えるクルマが身近に置いておきたい。それが目的だといえるかもしれません。

例えば雨の日の子供の迎えにクルマを使うとか、天気が良いからドライブに出かけようなど、より自由なクルマとの付き合い方ができるのがカーリースです。

必要な時にだけクルマを使いたい。普段はクルマの管理などしたくないという方は、レンタカーやカーシェアリングを。一定期間クルマを身近に置いておき、いつでも好きな時に使用出来る状態にしておきたい、という人はカーリースを利用するのが適しているといえるでしょう。

複数人が使用するシェアとレンタル
カーリースは契約者だけ

また所有者名義と使用者名義、さらに利用者について違いがあります。まずレンタカーの場合は、所有者名義も使用者名義もレンタカー会社で、利用者はレンタカーのサービスを利用する不特定多数の人になります。そして、レンタカーは貸し出す拠点なども移動することがあるので、ありとあらゆる年齢層、運転経験のドライバーが使用します。筆者の個人的な感覚ですが、カーシェアリングなどよりも荒く扱われたクルマが少なくなく、同じ走行距離でもくたびれたクルマが多いように思われます。

ただし、クルマの管理はしっかりとしており、一人の方が利用された後には洗車や給油が行われ、不具合などもチェックされます。そのため、汚れているとか、コンディションに不具合があるなどという心配はいりません。ナンバーはいわゆる“わ”や“れ”ナンバーで、一目でレンタカーということがわかります。周りから自動車を借りているということがばれたくないという方は気になるかもしれません。

次にカーシェアリングの場合ですが、カーシェアリング会社がクルマを用意している場合は、所有者名義と使用者名義はカーシェリングサービス会社です。個人のクルマをシェアする場合は所有者名義、使用者名義ともそのクルマのオーナーとなります。利用者は、どちらもカーシェアリングサービスの会員で、レンタカーとは違って特定の会員どうしでクルマを共有することになります。

筆者も利用しているのですがカーシェアリング会社のクルマをシェアしているものは、その扱いもあまり丁寧ではないようです。過去には室内にゴミが残っていたり、ガソリンが1/4ほどしか残っていないという経験もしています。走行距離のわりに全体的にヤレが進んでいるクルマも少なくありませんでした。ただし、個人のクルマを貸し出しているカーシェアリングの場合は別です。借りるほうも誰かのクルマを借りている、という心理が働くからか比較的丁寧に扱われることが多いように感じます。

そして、レンタカーと違って洗車や室内清掃などクルマの管理は頻繁には行われません。レンタカーはクルマが返却されるたびに洗車や給油のチェックが行われますが、カーシェアリングの場合洗車はその都度行われるわけではなく、給油に関しても利用者が行わなければなりません。

自分の前にそのクルマを利用した方がルーズであれば、室内が汚れていたり、ガソリンが中途半端にしか入っていないということもあります。ナンバーはカーシェアリング会社が管理するクルマであればレンタカーと同じ“わ”や“れ”ナンバーナンバーとなり、個人が所有するクルマをシェアしている場合は通常の自家用車と同じです。

そして、最後にカーリースの場合です。カーリースの場合はクルマの所有者名義はリース会社ですが、使用者名義はリース契約者となります。そしてもちろん利用者はそのクルマをリース契約するしたユーザー、およびその家族などだけです。レンタカーやカーシェアのように一台のクルマを複数のドライバーが使用するということはありません。

そのため契約者がしっかりと管理を行えばコンディションを良い状態に保つことが可能です。まとめると以下になります。

ガソリンや保険などの
料金体系の違いは

レンタカー、カーシェアリング、カーリース、どれもクルマを借りるという点では同じですが、その料金体系や保険に関しても違いがあります。まず、一番シンプルなのがレンタカーです。予約を入れ時間単位で借り料金は前払いが基本です。超過時間料金や満タンで返却されなかった場合の燃料代は返却時に支払います。税金や自動車保険、任意保険などはレンタル料金に含まれますが利用者が給油した際のガソリンなど燃料費は実費負担となります。

 カーシェアリングの場合は、まず借りるために会員にならなくてはいけません。そのうえで予約をして15分~数日という幅広い単位でクルマを借りることになります。かかる費用はクルマの利用時間に加え走行距離分で、これらは後払いとなります。なおかつ別途月々の会費も必要です。税金や自動車保険、任意保険に加えガソリンなど燃料代も全てカーシェアリングの利用料金に含まれます。

 カーリースは短期的に借りるものではなく、月々一定のリース料金を支払い何年間の契約にするかというようなシステムになっています。そのためトータルではレンタカーやカーシェアリングに比べると負担は多めです。そして税金や自動車保険などはリース料金に含まれますが、任意保険は別途契約者が入る必要があります。またガソリンなども当然実費です。まとめると以下のようになります。

比較すると、心理的に気楽に利用でき、なおかつ経済的なのはレンタカーですが、借りるための手続きが面倒なので頻繁に利用するのにはあまり向いていません。また繁忙期などは、必ずしもクルマが借りられわけではありません。しかし、費用的にお得なのは間違いなく “わ”ナンバーであっても気にならないというなら便利な借り方といえるのではないでしょうか。

カーシェアリングは、会員になってしまえば面倒な手続きもいらず15分単位の短時間利用が可能というのがメリットです。しかしクルマを複数の会員で共有しているため、予約が集中する週末などは、クルマが借りられないというリスクがあります。また、長時間や長距離の利用では、レンタカーよりも高額になってしまうケースもあります。クルマを利用する機会がそれほど多くなく、利用時間もお買い物やお迎えなど短時間のことが多いという方には向いているのではないでしょうか。

より自由に、好きな時にクルマを利用したいというならやはりカーリースでしょう。月々のリース料金は必要ですが、そこには車検費用や自動車税、自賠責保険料等も含まれているため購入するよりも毎月の家計の負担が軽く、管理も簡単です。なによりもマイカーのように使用する事ができるので、クルマが空いているかどうかなどの心配もいりません。

さらに、使用者名義も契約者なので、ナンバーも“わ”や“れ “にはならず一般に購入するクルマと見た目には変わりません。普段自動車を停める駐車場などを確保する必要がありますが、クルマを利用する機会が多いのであれば、カーリースが最も適しているといえるのではないでしょうか。

このように、同じようでいて、意外に違いのあるレンタカーとカーシェアリングそしてカーリース。比べてみると、それぞれのサービスには、メリットとデメリットがあります。それらの違いをよく理解したうえで、自分のクルマの使い方にマッチしたサービスを選択して、是非賢く利用してみてください。