衝突被害軽減ブレーキに誤発進抑制制御、そして車線逸脱警報装置にACCなどの先進安全装備。今では軽自動車でもこういった装備が搭載されるのが当たり前です。
特に競争の激しいスーパーハイトワゴンのジャンルでは、いち早く先進装備を導入しあい、普通車以上に豪華装備というクルマも珍しくありません。例えば日産のROOXは、そんな先進安全装備が充実した軽自動車の代表です。
ROOXはデザインも上質で室内も広く快適なのですがやはり一番の注目点は先進安全装備でしょう。中でも特に凄いのがプロパイロットです。CMでもおなじみの日産自慢の安全装備。でもそのプロパイロットはいったい何が凄いのか、また、どんな機能でどのように安全運転を支援してくれるのか、詳しく解説します。
目次
軽自動車販売台数ランキング
第3位と大健闘の日産ROOX
(引用:日産公式HP)
最近は軽自動車でもSUVタイプの人気が高まっていますが、それで相変わらずN-BOXにスペーシア、タントにROOXなどといったスーパーハイトワゴンが他を圧倒しています。軽自動車販売台数ランキングを見ても、N-BOX、スペーシア、タントの3強が相変わらずトップ3に君臨していて、なかなかその牙城はくずれません。ここ数年N-BOXはずっと1位のまま。
でも、ここにきて販売台数を伸ばしてきているのが日産のROOX(ルークス)です。2021年8月の軽自動車販売台数ランキングは8位。まだまだトップ3は遠いですが、それでも8月の販売台数は前月比で122%アップです。
先代に当たるデイズルークスが、走りのパフォーマンス面で物足りないこともあってか、ライバルに対して苦戦していたことを考えるとこれは十分立派な順位。
先代は、他が強すぎたのもありますがスーパーハイトワゴンのジャンルで存在感がイマイチ希薄でした。しかし、現行のROOXとなってその完成度が格段に上がり、魅力的な装備なども満載となったことでその人気が高まってきているのです。確かにデザインも広さも装備も相当に頑張っています。ROOXは具体的にどんな点が魅力なのでしょう。
先代デイズルークスから
すべての面で大きくバージョンアップ!
(引用:日産公式HP)
ROOXがどんなクルマなのかをあらためて整理してみましょう。まずROOXは、日産自動車と三菱自動車の合弁会社NMKVが開発した軽のスーパーハイトワゴンです。主に日産が企画、開発を行っており、先代にあたる「デイズ ルークス」をすべての面で大きくバージョンアップしたモデルとなっています。
先に発売となった新型デイズと同じく、新開発プラットフォームを採用することで大人4人がゆったりと過ごせるクラストップレベルの広い室内を実現。グレード構成はシンプルで、スマートシンプルハイブリッドを搭載する標準ボディのSとX、そしてカスタムグレードであるハイウェイスターはNAのXとターボエンジンのGターボがあり、さらにイウェイスターのXとGにはプロパイロットディションを用意。そして、全グレード4WDも選べます。
軽自動車なので全長と全幅はライバルと差はありませんがROOXは室内スペースを目いっぱい確保することで室内長2,200mm×室内幅1,335mm×室内高1,390mmを確保しています。特に高さ方向の余裕があって、小さなお子さんなら立ったまま着替えなどもできるでしょう。
ちなみに兄弟車であるデイズは室内長2,065mm×室内幅1,340mm×室内高1,270mmなので、特に室内高に関してかなりの違いがあります。
先代のROOXを知っている方には気になるパワーユニットはスマートシンプルハイブリッドのBR06-SM21型とインタークーラー付きターボのBR06-SM21の2タイプを設定。デイズには設定されている純粋なNAエンジンは用意されていません。車重が1tあるので余裕たっぷりとはいえませんが、それでも以前のデイズルークスに比べるとNAハイブリッドでもストレスなく走ることができます。
またターボモデルならさらに動力性能は十分で、高速道路でも余裕のある(軽スーパーハイトワゴンとしては)走りを味わうことが可能です。
また、燃費もNAが20.8㎞/L、ターボが18.8㎞/Lと軽スーパーハイトワゴンとしては高燃費。ただターボが20㎞/L切っていてライバルよりちょっと燃費が悪いのが気になりますが、それでもNAハイブリッドはライバルを超えています。燃費性能は非常に優秀と言っていいでしょう。さらに、ほかにも優れた機能が満載となっています。
多彩なシートアレンジ
インテリアなどの仕立ても豪華
(引用:日産公式HP)
基本装備としてはアイドリングストップ、バッテリーアシスト、エマージェンシーストップシグナル、ヒルスタートアシストなどがあり、プロパイロット、インテリジェント アラウンドビューモニター、SOSコール、インテリジェントFCWなどの安全装備が上級グレードに設定されています。
他には、例えばファミリードライバーにうれしいのが、両手が塞がっていても助手席側スライドドアの下に片足をかざすだけで開閉可能なハンズフリースライドドア。これは、プロパイロットエディションに標準設定され、他のグレードにも(最廉価グレードのSは除く)オプションで装着ができます。Lクラスミニバン並みの便利な装備で、後席の利用頻度が高い方にはとてもありがたいでしょう。
また、余裕のある室内高を生かして、前席と後席の間の天井にメーカーオプションですが、シャープのプラズマクラスター搭載リヤサーキュレーターを設置することが可能。新型コロナやインフルエンザなど車内の空気はとても気になりますが、これがあれば空気をある程度クリーンにすることが可能です。
さらに左右独立して前後スライド可能なシートは320mmものスライド量が確保されています。小さなお子さんを乗せる時にはシートを少し前気味にすると、運転中でも前後で会話がしやすくなりとてもお子さんも安心でしょう。
また、長さのある荷室を積む際にもシートを片側だけ前進させてスペース広く使うことも可能です。かさばるベビーカーや、組み立て家具などを積み込む際にも重宝するはずです。
さらに、ROOXハイウェイスターなら軽自動車とは思えないほど高級感も満点なのも素晴らしいポイント。メーカーオプションとして設定されているプレミアムグラデーションインテリア&快適パックAを装着すると、インテリアは人工皮革になるのです。これがまるで本革のような質感で、とても軽自動車とは思えないほどゴージャスなインテリア。
さらにこのオプションを装着すると後席用にはテーブルが付き、カップホルダーも増設。また、今どきは必須といってもいいUSBポートが助手席背面に用意されます。これがあればロングドライブでもスマホやゲーム機を存分に充電できる。子供は間違いなく喜ぶはず。
これだけ広くてこんなにも豪華で充実した装備があれば、軽自動車であっても、ファミリーカーとしては不足ないはずです。お子さんが小さなうちはボディサイズの大きな上級ミニバンは必要ないかもしれません。
プロパイロットでストレスなく
安全なロングドライブを実現
(引用:日産公式HP)
そして、ROOXの装備で最も注目すべきなのが、先進安全装備でしょう。最上級グレードであるROOXハイウェイスタープロパイロットエディションには、軽自動車ながら日産自慢のプロパイロットが装備されているのです。
CMなどではおなじみのプロパイロットですが、どんなものなのか把握されていない方も少なくないでしょう。
簡単に説明してしまうと、アクセル、ブレーキ(電動パーキングブレーキで完全停止にまで対応)、ハンドル操作をクルマがアシストしてくれるACC(アダプティブクルーズコントロール/全車速追従型クルーズコントロール)にレーンキープアシストシステム(車線中央維持機能)を組み合わせた先進安全装備です。
特にこのACCが凄い。ROOXのベースであるデイズにも搭載されていますが、ROOXではさらにその機能が進化しているのです。といってもまずACCが何なのか、何が凄いのか。
まず、ACCとはアダプティブクルーズコントロールの略で、クルマに搭載された専用のセンサー(ROOXの場合は単眼カメラとミリ波レーダー。デイズにはミリ波レーダー未搭載)とコンピューターを用いたシステムが、アクセル操作とブレーキ操作の両方を自動的に行なってくれ、ドライバーの運転を支援してくれるというもの。
通常のCC(クルーズコントロール)との違いは、目の前に前走車がいる場合、センサーがそれを検知して車間距離を一定に保ちながら走る「追従走行」が可能だということ。さらに前走車がいなくなれれば、ドライバーが任意に設定した速度を維持して走り続けることができます。
さらにプロパイロットはこのACCにレーンキープアシストシステムを組み合わせています。レーンキープアシストシステムは車線中央維持機能のことでこれは文字通り車線中央付近を走行するようにセンサーやカメラなどの情報をもとにしてクルマがステアリングを制御してドライバーのハンドル操作を支援してくれるというものです。
プロパイロットは上級グレードの
ハイウェイスターに設定
(引用:日産公式HP)
プロパイロットがあれば、運転中もステアリングに手を添えているだけで、クルマが状況を判断して、設定した速度(設定上限は115km/h)の中で車線の中央をキープしながら前車をトレースしてくれるわけです。
簡単に説明と言いながらちょっと長くなってしまいましたが、ようするに自動運転にもつながる技術で、プロパイロットがあれば、長距離ドライブでドライバーの疲労を大幅に軽減してくれるのです。
さすがにスカイラインなど高級車に搭載されている「プロパイロット2.0」のようなハンズフリー機能は備わっていませんが、軽自動車としてはかなりハイレベルな機能といえるでしょう。車速が約30~100km/h間で設定ができ、先行車の速度が0km/hになるまで追従走行。さらに、停止時間が3秒以内であれば再発進も自動で行ってくれる。これが軽自動車なのか? と思わせるほどのスペックです。
ただし、このプロパイロットはROOXでも上級グレードであるハイウェイスターのXとGターボのプロパイロットエディションにのみの搭載。ベースグレードでは選べませんので注意が必要です。
ちなみにROOXの価格は最もベーシックなSの2WDの141万5,700円~最も高価なハイウェイスターGターボ アーバンクロム プロパイロットエディションの4WDの213万2,900円となっています。
そして、プロパイロットエディションが利用できる最もリーズナブルなグレードはハイウェイスターX プロパイロットエディションでこちらは197万7,800円となっています。軽自動車ですがほぼ200万円。さすがに安くはありませんね。
とはいえ、ここまでの先進安全装備はROOXならではのもので、ライバルであるN-BOXやタント、スペーシアを超えています。選ぶ価値は大いにあるといっていいでしょう。
カーリースなら月々6,000円で
ROOXハイウェイスターに乗れる
(引用:日産公式HP)
そんなROOXハイウェイスター。軽自動車としてはちょっと高額ですが、だったら購入するのではなくリースするという選択肢があります。例えばリースナブルでもROOXハイウェイスターGターボプロパイロットエディションが用意されています。
リースナブルのカーリースを利用すると、上級グレードであるROOXハイウェイスターGターボプロパイロットエディションが月々6,000円/月(ボーナス月+158,400円)のリース料で乗ることができます。これなら負担はさほど大きくはないでしょう。
さらに、定額払いでも3万円/月(ボーナス加算なし)です。これで日産オリジナルナビや、紹介したハンズフリー両側オートスライドドア、そしてプロパイロットが装備されているのでまさに至れり尽くせりの内容。不満はまずないでしょう。
でもROOXハイウェイスターならその他の先進安全装備は満載なので、プロパイロットエディションでなくでも良い、というなら、NAのハイウェイスターXもリース車として選べます。こちらなら月々6,000円/月(ボーナス月+ 12万5,400円)もしくは定額払いで2万5,000円/月(ボーナス加算なし)となります。NAでもスマートシンプルハイブリッドなので動力性能的にはさほどストレスはないかもしれません。それに燃費はNAのほうが2km/Lほど良い。少しでも毎月の負担を減らしたいならこちらも悪くない選択かもしれません。
実力は十分。ナンバーワンの
N-BOXにどこまで迫れるか
(引用:日産公式HP)
軽のスーパーハイトワゴンの中でも抜群の先進安全機能を搭載したことで、注目度が急上昇中のROOX。ライバルは強力ですが今後さらに販売台数を伸ばす可能性は高いでしょう。
まだまだ遠いですが、いずれ販売台数ランキングでN-BOX、スペーシア、タントの3強の一角に名を連ねるようなことがあるかもしれません。
今までスーパーハイトワゴンならナンバーワンのN-BOXだ! と考えていた人も、先進安全装備はクラストップといえるROOXにも注目してみてはいかがでしょう。