トヨタのヤリスが、2021年の年間車名別新車販売台数で見事トップを獲得しました。ヤリスはコンパクトカーヴィッツの後継車として2020年投入された新型車です。2021年には兄弟車であるヤリスクロスが加わったこともあって、人気が爆発! 今や国内ナンバーワンの人気車種となったのです。

そんなヤリスはお買い得な価格が特徴のコンパクトカーですが、調べてみると最上級グレードと、エントリーグレードの価格差はなんと100万円以上もあります。

さすがにそこまで差があると、いざ選ぶとなったらどのグレードを選ぶのが正解なのか、答えを出すのも簡単ではありません。

そこで、今回はヤリスの新車を選ぶ上で、「コスパ重視」をテーマとした場合、どのグレードがベストなのか様々な角度から検証してみました。

5年続いたN-BOXの牙城を崩し
ヤリスが2021年一番売れたクルマに!

ヤリスが2021年一番売れたクルマに
(引用:トヨタ公式HP)

2022年1月11日。日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会は2021年(1~12月)の年間の車名別新車販売台数を発表しました。そして、見事1位に輝いたのがトヨタコンパクトカー「ヤリス」です。発売は2020年でしたが、2021年は前年比40.3%増となる21万2927台を売り上げてのトップ獲得です。

国内における販売台数ランキング1位といえば、5年連続で軽自動車のホンダ「N-BOX」が維持してきましたが、ようやく軽自動車ではない登録車が1位を獲得したのです、これは結構すごいこと。

新型コロナ禍で景気の後退もあり、軽自動車しか売れないなんて言われている中での一位なのですから。

ただ、このヤリスの1位は、コンパクトハッチバックのヤリスだけでなく、クロスオーバーSUVの「ヤリスクロス」や、ホットハッチの「GRヤリス」を含めての1位です。

なので、純粋にヤリスが一番売れたクルマ! とするのはちょっと疑問がありますが、それでも1位は1位です。間違いありません。

ヤリスは、多くの方はご存じだと思いますが、トヨタのコンパクトハッチバックとして定番だったヴィッツの後継車に当たるモデルです。

というか、そもそもヴィッツは国内だけの専用の名前で同じクルマが海外では長年ヤリスの車名で売られていたので、新型ヤリスの導入と共に、国内向けヴィッツとグローバルモデルのヤリスの名前を共通化したということですね。

そんな、名前を新たにしたヤリスですが、従来モデルであるヴィッツに比べると何が違うのか。それは全てです。デザインもパッケージングもパワートレーンもすべてが一新しています。

ヴィッツは歴代モデルのデザインテイストが共通で、徐々に進化はしていましたがヤリスになってガラッとすべてが変わっています。当然のごとく従来のヴィッツよりもすべてが上といっていいでしょう。さらに見た目が地味だったヴィッツに比べると非常にスポーティで格好もいい。

その上で価格は139万5,000円~と、安くなっているわけではありませんが、進化の度合いを考えると十分リーズナブルな設定ですし、最大のライバルである軽自動車と比べてもコスパだって優れている。となれば売れるのもいわば当然なのです。

ヤリスはヴィッツの後継車
どんなところが進化しているのか

ヤリスはヴィッツの後継車
(引用:トヨタ公式HP)

先代に当たるヴィッツと比べてみると、まずヤリスはよりコンパクトに見えます。しかし、車両寸法を確認してみると実際にはほぼ変わっていません。

全長は3,940mmでヴィッツよりも5mmほど短くなっていますが全幅は1,695mmでこれは、グローバルモデルのヤリスよりも少しスリム化しています。国内に5ナンバー枠に収まるようになっているのですね。

そして、全高は1,500mmでこれはかわりません。とても小さく見えるヤリスですが比べてみるとコンパクトカーとしては標準的なサイズとなっています。日本の道路事情にマッチしたとても手ごろなサイズ感です。

パワーユニットは直列3気筒の1Lと1.5Lのガソリンエンジン。そしてハイブリッドの3タイプが用意されています。1Lエンジンは従来型を踏襲しており1.5Lガソリンエンジンとハイブリッドは新しい直列3気筒1.5Lガソリンエンジンを使用した新型となっています。

凄いのがその燃費です。ハイブリッドのWLTCモード燃費は36㎞/Lです。あのプリウスよりも低燃費。価格も手ごろで燃費が最高となれば経済性は抜群ですね。パワーだって十分以上ですし、燃費性能に関してはターボでパワーを絞り出している軽自動車よりも格段に優れています。

グレード構成は、1.5Lのガソリンエンジンモデルと、ハイブリッドモデルにベーシックなX、中級のG、上級のZが設定されており、1Lのガソリンエンジンモデルには、最エントリーグレードとしてX“Bパッケージ”があり、そしてX、Gという構成になっています。

エントリーグレードはアンダー140万円
ただし、価格安いけれど装備はチープ

エントリーグレードはアンダー140万円
(引用:トヨタ公式HP)

このようにグレード構成自体はとてもシンプルとなっていますがその中でも最も安いグレードが1Lのガソリンエンジンを搭載する「X“Bパッケージ”」です。こちらは4WDの設定はなくFFのみで、価格は139万5,000円となっています。

そして、最も高いのがハイブリッドの4WDグレードである「HYBRID Z 1.5L E-Four」でこちらは252万2,000円です。比較してみるとその価格差は112万7,000円です。結構な違いですね。

ということは、単純にヤリスの中で、唯一140万円以下で買えるグレードであるX“Bパッケージ”が一番コスパに優れているのか、というと話はそう簡単ではありません。X“Bパッケージ”はあくまでエントリーグレードであり装備的にはかなりシンプル。というかまさに廉価グレード。なんと予防安全機能の「Toyota Safety Sense」が搭載されていないのです。これはX“Bパッケージ”だけ。衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能といった今どきなくてはならないような重要な装備まで非搭載です。

マイカーではなく、仕事用の営業車だからとにかく安いグレードが良い、というのでない限り、いくら安いとは言っても正直おすすめはできません。

少なくともその一つ上のグレードである「X」を選ぶべきでしょう。Xグレードなら「Toyota Safety Sense」は標準装備となっているので、衝突被害軽減ブレーキだけでなく、レーダークルーズコントロールやオートマチックハイビーム、ロードサインアシスト、先行車発進告知機能がついています。

それでいて価格は、X“Bパッケージ”に比べてわずか6万円しか高くない145万5,000円。それだったら間違いなくXグレードを選んだ方が幸せになれるでしょう。経済性を重視つつも実用性や安全性にも妥協しなくてもいい、ヤリスの中でも最もコスパに優れたグレードの筆頭といえるのがこのXグレードと言えると思います。

お買い得度の高いグレード“X“
1Lと1.5Lどっちを選ぶ?

お買い得度の高いグレードX
(引用:トヨタ公式HP)

純粋にコスパだけでヤリスのグレード選びを検討すれば1LガソリンエンジンのXグレードで間違いはない。ただ、クルマは安くてお得なだけで選ぶものではないですよね。ヤリスはとても完成度の高いクルマではありますが、1Lエンジンは正直パフォーマンス的には物足りない部分があります。カタログを見ると1Lガソリンエンジンのパワーはわずか69PSでトルクは9.4 kgf・mしかありません。

軽自動車のN-BOXターボと比べてもパワーで5PS高いだけで、トルクは逆に1.2 kgf・mも低い。軽自動車ではなくコンパクトカーを選んだのなら、少なくても走りの余裕は軽自動車以上であってほしいもの。そうなるとやはり1Lエンジンは厳しい。

それに、そもそもこの1Lエンジンは設計が古く、燃費性能も決して高くはありません。WLTCモード燃費は20.2㎞/Lで、これは、同じヤリスの1.5Lガソリンエンジン(WLTCモード燃費21.6㎞/L)よりも低いのです。排気量の大きな1.5Lガソリンエンジンの方が燃費がいい(Xグレード2WDのCVTどうしで比較)というのは、パワーが低い分(1.5Lは120PSで1Lは69PSなので50PS以上パワーが低い)エンジンの負担が大きいというのもあるのでしょう。

それでいて価格は同じXグレードの1.5Lに比べて1LのXグレードは約14万3,000円しか安くありません。動力性能も格段に低く燃費も悪い(20.2㎞/Lなので、1Lエンジンを単体で見れば決して悪くはないですが)となると、Xグレードでも、余裕があるなら1.5Lガソリンエンジンモデルを選んだ方がより高い満足度が得られるのではないでしょうか。もちろん動力性能はそこそこでいいというなら1LガソリンエンジンのXグレードも悪くはない選択だと思います。

装備もパフォーマンスも充実
最上級グレードの“Z“

装備もパフォーマンスも充実の最上級グレードZ
(引用:トヨタ公式HP)

以上はコストパフォーマンスの“コスト”を重視してヤリスのグレード選びを行った場合の結論です。ではコスパの“パ“、つまりパフォーマンスに重点を置いたうえでグレード選びをするとなるとどのグレードになるのか。

やはり、トヨタ車ですからハイブリッドを狙うべきでしょうか。なんといってもヤリスハイブリットはトヨタ車の中でも最も優れた燃費性能を持つクルマです。あのプリウスよりも低燃費なのですから、それだけでも選ぶ価値があります。

なんといってもヤリスのHYBRID Zグレードの燃費は驚異の35.4㎞/Lです。ライバルを圧倒する燃費性能です。

さらにハイブリッドなら、ガソリンエンジンに比べても、ノイズが小さく静粛性優れ、パワーもエンジン91PS+モーター80PSの組み合わせ(先代に当たるヴィッツのハイブリッドに比べるとエンジンもモーターもそれぞれ約30%パワーが向上しています)なのでかなりパワフル。ダッシュ力に優れ加速も非常に滑らかです。

燃費が抜群に優れているうえ走りのパフォーマンスも一級品。そんなコンパクトカーはなかなかありません。このパワーユニットを手に入れるだけでもヤリスのHYBRID Zを選ぶ意味があるでしょう。

さらにZグレードなら装備も充実しています。3灯式フルLEDヘッドランプやバックガイドモニター、インテリジェントクリアランスソナー、シートヒーターなども標準装備の上、ステアリングやシフトノブが豪華な本革巻になります。

また、オプションの切削光輝+ブラック塗装の16インチアルミホイールやカラーヘッドアップディスプレイが選べるのもガソリンエンジンとハイブリッドの両Zグレードだけです。

肝心の価格は、1.5LガソリンエンジンのZグレードが197万1,000円でハイブリッドのHIBRID Zグレードが232万4,000円です。最高のパフォーマンスを求めるならやはりHIBRID Z一択ですね。

ただ、コンパクトカーで232万4,000円はやはり高い。確かに魅力的ですがこの金額をどう考えるか。燃費は優れていますが、1.5LガソリンエンジンのZとの価格差をこの燃料費で取り戻そうとるすと10万キロは走らないと無理です。コスパのコストという意味では必ずしもベストとは言えそうにない。そうなると、魅力的な存在として俄然光ってくるのが1.5LガソリンエンジンのZグレードです。

なんといってもZグレードは最上級グレードですから装備も充実していて、エンジンパフォーマンスも1t弱の車重に120PSのパワーなので相当にスポーティです。

加えて燃費だって1Lガソリンよりも優れている。装備もHIBRID Zと同等ですから、1.5Lガソリンエンジン搭載のZグレードという選択はかなり魅力的ではないでしょうか。

走りも経済性も、さらに装備の充実度や安全性などまですべてに妥協したくないなら、Zグレード(1.5Lガソリンもハイブリッドも)がバランスに優れたベストな選択となると思います。

ヤリスに乗るなら
カーリースという選択も検討しよう

ヤリスに乗るならリースナブル
(引用:トヨタ公式HP)

ということでヤリスのグレードをコスパ重視で選んだ結果はコストに重きを置くなら1Lと1.5Lガソリンエンジンの「X」グレード。そしてパフォーマンスに重きを置くなら1.5Lガソリンエンジンの「Z」グレードと、ハイブリッドの「HYBRID Z」ということになりました。これはあくまで筆者の考えですが、決して間違いではないと思います。いかがでしょうか。

そして、今回ご紹介したヤリスですが、リースナブルでは現在おすすめのXグレードとZグレードのリース車両をご用意しています。

リースナブル「ヤリス」:https://leasonable.com/model/yaris/

どちらも、今なら(2022年2月現在)、期間限定のキャンペーン中で5年プランの最安コースなら月々6,000円~というお得なリース料金でリースが可能です。

さらに、どちらにもバックカメラやETC車載器などリースナブルならではの魅力的なオプションが装着済みとなっていますので、非常にお得となっています。購入するのもいいですが、お得にクルマを利用したいなら、是非リースナブルのカーリースの利用も検討してみて下さい。