2023年上半期、日本で最も売れたクルマとはいったい何でしょう。検索してみた結果、軽自動車のホンダN-BOXが2023年の上半期で販売台数11万2248台を記録して見事登録車(普通車)を含め最も売れたクルマとなったようです。

ちなみに普通車の1位はトヨタのヤリスでこちらの販売台数は9万7421台でした。どちらも共通するのはコンパクトサイズで燃費に優れ、価格も手ごろだということでしょう。やはり経済的でコスパの高いクルマが日本市場では圧倒的に人気だということがわかります。

では、自動車大国アメリカではどんなクルマが人気なのかご存じでしょうか。アメリカも日本以上にガソリン価格が高騰しているというニュースが入っていますし、BEVのトップランナーであるテスラの地元でもあります。当然BEVのテスラが一番人気なのでしょうか? 調べてみましたが昨年の新車販売台数ランキングでは、驚きというかやはりというべきかピックアップトラックのフォードFシリーズが圧倒的な人気で販売台数ナンバー1だったようです。

アメリカでは圧倒的な人気ながら、日本ではほぼみかけないピックアップトラック。実は今も新車で購入できる国内ブランドのピックアップトラックがあるのを知っていますか? それがトヨタのハイラックスです。ハイラックスはピックアップトラックですからN-BOXのように決して万人向けではありません。しかし一部に根強いファンがいて、実は意外に乗用車としての実用性も高いという評価もされています。

中でもオーバーフェンダー他、専用のエクステリアを持つ「ハイラックスZ“GR SPORT”」は見た目が洗練されており、足回りなども強化されていてスポーツカー的な魅力も備えた一台としてSUVファン以外からも注目されているようです。そこで、そんな今や唯一残った国内向け国産ピックアップトラックである「ハイラックスZ“GR SPORT”」について、その魅力をあらためて掘り下げていきましょう。

アメリカではピックアップトラックが
乗用車としても圧倒的な人気となっている

アメリカではピックアップトラックが乗用車としても圧倒的な人気
(引用:トヨタ公式HP)

アメリカで最も売れている乗用車はフォードFシリーズ(正確にはピックアップトラックですがアメリカでは乗用車として売れています)です。このフォードFシリーズですが、フォードがすでに日本市場から徹底していることもあって、日本ではあまりなじみがありません。ごくまれに並行輸入されたものを街中で見かけることがありますが、非常にレアなトラックといっていいでしょう。そもそもピックアップトラックではありますがいわゆる貨物用の実用トラックではなく、SUV的な存在であり、アメリカでは多くが乗用車として購入されているようです。

とにかく日本の街中にはなじまない巨大なピックアップトラックであり、こんな巨大なトラックを普通にファミリーカーとしても使っているなんて、アメリカの国土の大きさを改めて実感させてくれすます。ちなみにアメリカの乗用車(ピックアップトラックですがカテゴリーとしては乗用車となるようです)販売台数の2位はシボレーのシルバラードで、3位はダッジのラムとのこと。こちらもやはりピックアップトラックです。

世界的にエコが叫ばれているのにアメリカではエコとは無縁(FシリーズにはBEVのF-150ライトニングなどもありますが)なピックアップトラックの人気が圧倒的となっています。日本人の感覚ではなかなか理解できませんが、アメリカでは巨大なピックアップトラックが大衆的な乗用車(日本でいうと軽自動車!?)として圧倒的な支持を受けているということなのでしょう。

確かにワイルドでクールなピックアップトラックは格好いいですし、いざとなれば荷物をたくさん積むことができ(実際にはこの手の乗用車として使われるピックアップトラックの荷台は使われていないようですが)実用性もあります。ただ、日本ではこのピックアップトラックというものがイマイチ支持されていな用で、気が付けば国産ブランドでピックアップトラックとなるとトヨタの「ハイラックス」だけとなってしまいました。

ハイラックスは前述のフォードFシリーズやシボレーのシルバラードのようなフルサイズのピックアップトラックではなく、アメリカではミドルサイズのピックアップトラックという位置づけになります。ただ、アメリカではミドルサイズですが、その車体寸法は全長5,340㎜×全幅1,855㎜×全高1,800㎜(Zグレード)と堂々としたサイズで日本では十分に大型車です。

ちなみに巨大なクルマというイメージのあるアルファードのサイズは全長4,995㎜×全幅1,850㎜×全高1,935㎜なので、それよりも明らかにハイラックスが大きいことがわかります。そんな車体サイズの大きなピックアップトラックのハイラックスがどんなクルマなのか次のパートから詳しくチェックしてみましょう。

トヨタのスポーツブランドGRが
チュ―ニングした特別なハイラックス

トヨタのスポーツブランドGR
(引用:トヨタ公式HP)

そもそもピックアップトラックとはどんなクルマなのか。簡単にいってしまうとエンジンが搭載されたボンネットを備え、その後ろにキャビン(乗員)スペースがあり、さらにその後方に開放式の荷台を備えた小型貨物自動車のことです。

いわゆる日本でおなじみの貨物用のトラックはエンジンがボンネットの中ではなくシート下もしくはシート後方に配置されています。荷台がキャビンと別体なったこういったキャブオーバー型のトラックはピックアップトラックとは呼ばれずただのトラックとなります。車検証でも運転席と荷台が一体になったものがピックアップで、別々になっているものはキャブオーバーやボンネットと分類されています。

ハイラックスはピックアップトラックであり、本来は貨物車なのですが実用車的なトラックではなくSUVという扱いとなっています。トヨタの公式サイトを見てもSUVとトラックの両カテゴリーに掲載されており、実際にも現行のハイラックスを仕事用のトラックとして使用される方はまれでしょう。荷台のサイズも中途半端ですし、インテリアなども乗用車的な豪華な装備となっているので実用でガンガン使うのにはあまり適していません。ただ頑丈なフレームを備え、リアサスにも耐久性の高いリーフスプリングを採用しているので、業務用に使っても十分期待にこたえてくれることは間違いないでしょう。

そんなハイラックスですがその中でも特別な一台が「Z“GR SPORT”」です。GRといえば、モータースポーツに参戦するTOYOTA GAZOO Racing が培った技術と情熱を惜しみなく注いだスポーツカーブランド。そんなGRが手掛けたハイラックスのチューニングモデルが「ハイラックスZ“GR SPORT”」なのです。いわばハイラックスのスポーツ仕様であるのですが、そんなGR SPORTはベースのハイラックスとどんなことが違っているのでしょうか。仕様の違いや装備内容に関して細かく見ていきましょう。

専用バンパーとオーバーフェンダーで
ボディは45㎜もワイド化

トヨタのスポーツブランドGRのエクステリア
(引用:トヨタ公式HP)

ハイラックスZ“GR SPORT”はベースモデルと何が違っているのでしょう。まずはエクステリアです。ハイラックスは2017年より国内向けに導入されていますが、2020年マイナーチェンジが実施されておりフロントフェイスを中心にデザインが変更されています。フロントグリルが台形の大型タイプに変わり、日本仕様専用のバンパーガードガーニッシュなどが追加されヘッドライトもBi-Beam LEDとなっています。

Z“GR SPORT”ではこれにさらに専用フロントバンパーやオーバーフェンダー、TOYOTAロゴ、専用アルミホイール(切削光輝18インチアルミホイール 18×7.5J)が装着され、赤色(GRレッド)塗装ブレーキキャリパーやドアミラー・ドアノブ・リアバンパーのグロスブラック塗装GRロゴエンブレムなども装備されています。スポーツブランドであるGRモデルらしくピックアップトラックをGR流にスポーティに仕立てています。

ベースモデルと大きく違ったポイントとしてはなんといっても専用のフロントバンパーとオーバーフェンダーでしょう。フロントバンパーはピックアップトラックとは思えないほどスタイリッシュで空力性能も高そうに見えます。非常にボリューミーでありながらフラッシュサーフェース化されておりスポーティカーのような印象もありワイルドなイメージのノーマルハイラックスとは大きく印象が変わっています。

そして、このバンパーと一体化したようなデザインとなっているオーバーフェンダーも非常にスポーティです。このオーバーフェンダーによって車幅は45㎜ワイド化され1,900㎜となっており迫力が大きく増しています。このワイドなフェンダーに合わせてアルミホイールも専用のものがおごられており仕上げはスポーティなブラック塗装に切削を施した18インチアルミホイール。タイヤも265/60R18 110Hという大径タイプが装着されています。

他にもカラードドアハンドルやブラック塗装のサイドターンランプ付電動格納式ドアミラー、GRの専用エンブレムなどが装着されており、Bi-Beam LED ヘッドランプもオートレベリング機能付きで専用加飾が施されるなどベースモデルとはしっかりと差別化されています。ピックアップトラックながら高級SUV的なエクステリアとなっており、アウトドアフィールドだけでなく都会にもよく似合いそうです。

赤いステッチの専用バケットシートが装着され
スポーツカーのようなインテリアに

赤いステッチの専用バケットシートが装着
(引用:トヨタ公式HP)

インテリアに関してはもともとハイラックスは乗用車的なゴージャスなインテリアが特徴なのですが、Z“GR SPORT”はエクステリア同様にスポーツカー的なスタイリッシュなものへとドレスアップが施されています。車内に乗り込みまず目につくのがそのシートでしょう。スポーツカーのような合成皮革のバケットシートでいかにもホールド性が高そう。GRのイメージカラーである赤い装飾とステッチなども施されており、ヘッドレストにはGRのロゴも刺繍されています。

またリアシートにも赤いステッチが施されておりなかなかおしゃれです。ハイラックスはピックアップトラックですが大人でも快適に過ごせるしっかりした後席が備わっているのでファミリーカーとしても十分期待にこたえてくれるでしょう。

そしてステアリングも専用本革巻きステアリングホイールでスモークシルバー加飾+GRエンブレムが施されておりステッチも赤。シートのデザインととてもマッチしており、このシートとステアリングを見るとほぼスポーツカーです。とてもこれがピックアップトラックだとは思えません。

さらにアルミペダルや本革巻き+スモークシルバー加飾付きの専用シフトノブ、パドルシフトに専用オプティトロンメーターなどZ“GR SPORT”だけの特別なアイテムが装着されており高級感もあります。これなら長時間ドライブでも快適に過ごせるでしょう。

専用のモノチューブショックアブソーバーが
装着され乗り心地も向上している

専用のモノチューブショックアブソーバーが装着
(引用:トヨタ公式HP)

まるでスポーツカーのようなハイラックスZ“GR SPORT”ですが、その走りも乗用車的なものなのか。さすがにフレーム付きの本格的なピックアップトラックで、リアサスペンションもトラック的なリーフスプリングですので乗用車並みの乗り心地が良い、とはさすがにいかないようです。それでも専用のモノチューブショックアブソーバーが装着されているのでノーマルのハイラックスよりはフラットで快適な乗り心地を実現しています。

駆動方式はベースモデルと同じで悪路で頼りになるパートタイム4WDです。オートLSDやリヤデフロック機能も備えており、路面の状況によって2WDと4WDがダイヤルスイッチで切り替えられます。オフロードや雪道など滑りやすい路面ではH4を選択しておけば4WDならではの安定した走行が可能です。さらにL4に切り替えると強力な駆動力が得られ、アクティブトラクションコントロール機能と合わせて本格的なオフロードでも優れた走破性を発揮してくれます。さすがこういったハードな仕様はピックアップトラックならではでしょう。乗用車ベースのSUVとは一味違います。

エンジンに関してはベースモデルと変わっていません。パワフルでクリーンな直列4気筒の2.4Lのターボディーゼルで最高出力は110 kW(150 PS)、最大トルクは400 N・m(40.8 kgf・m)とピックアップトラックらしく低速トルクの厚いパワーユニットが搭載されています。WLTCモード燃費は11.7km/Lですが、燃料がガソリンよりも安い軽油ですので車格を考えると経済性も決して悪くはないのでないでしょう。

価格は430万円でけっして安くはないけれど
カーリースという選択もあり

カーリースという選択
(引用:トヨタ公式HP)

今や国内向けの国産車としては唯一のピックアップトラック、ハイラックスのZ“GR SPORT”について、その魅力をあらためて掘り下げてみました。ハイラックスはいわゆるピックアップトラックですが、実用車ではなくSUV的な位置づけであり、その中でもZ“GR SPORT”はベースのハイラックス以上に乗用車的でスタイリッシュなエクステリアや豪華で快適な装備を持つ、特別なクルマだということがお分かりいただけたでしょうか。

ちなみにハイラックスZ“GR SPORT”の価格は4,312,000円です。駆動方式はパートタイム4WDのみでトランスミッションは6ATのみとなっています。価格は決して安くはありませんが、TOYOTA GAZOO Racingが手掛けた特別なモデルと考えれば妥当な価格ではないでしょうか。ハイラックスはフレーム構造を持つディーゼルエンジンを搭載したピックアップトラックですので耐久性は抜群です。おそく20万キロ、30万キロ走行でもまったくへこたれないでしょうし、またリセールバリューも期待できます。長く乗るのなら十分元は取れるはずです。

とはいえさすがに400万円オーバーはなかなか手が出ないというのであれば、カーリースを利用するという手もあります。例えば業界最安の新車リース“リースナブル”では、ハイラックスZ“GR SPORT”のリース車をご用意しています。

https://leasonable.com/model/hilux/

リースナブルの最安コースなら18,000円×60回+ボーナス加算190,080円でハイラックスZ“GR SPORT”の新車に乗ることが可能です。それにリースナブルならトヨタ純正カーナビやバックカメラ、ETC(セットアップ込み)、ポリマー加工、フロアマット、サイドバイザーなど総額54.1万円のオプション装備が最安コースを含めはじめから装着されているのでとてもお得です。

もしあなたが次の愛車候補としてハイラックスZ“GR SPORT”を考えているのなら、新車で購入するというのも確かに悪くありませんが、お得で便利なリースナブルのカーリース利用してみるということも是非検討してみてください。