個人向けカーリースの利用者が年々増加しています。買うよりもお得な上に、月々定額のリース代金を払うだけで余計な手間や負担もないという、今どきの合理的な仕組みが受けているのでしょう。

いうなればクルマのサブスクのようなものですから、音楽や動画などのすでにサブスクを利用している人にとっては非常に受け入れやすいのですね。

それでいて手軽に最新のクルマに乗ることができるのですから幅広い世代から注目を集めるのも当然でしょう。

そして、そんなクルマのサブスクをさらに便利にしてくれる新たなクルマ向けのサービスが先日誕生しました。それがタイヤのサブスクです。タイヤメーカーの老舗ブリヂストンが、始めたものでその名は「mobox」。今注目のサービスです。

でも、タイヤのサブスクっていったいどんなものなのでしょうか。うまく活用するとカーリースにもピッタリといわれていますがその理由はなんなのでしょうか。仕組みや利用方法、メリットからデメリットまで詳しく解説します。

音楽や動画のサブスクとは違って
リース車の管理はドライバーの義務

所有するのではなく、ある商品やサービスを一定額払うことで、一定期間利用できるような仕組みがサブスクリプションサービス(サブスク)です。カーリースも毎月定額のリース代金を払い、リース期間中クルマを自由に利用するわけですから、いうなればクルマのサブスクといえるでしょう。

ただ音楽や動画のサブスクとは違うのがデジタルデータを利用するのではなく、実体として存在するクルマを借りるということです。

デジタルデータなら当たり前ですがどんなに利用しても消耗することも劣化することもなく、利用者がその管理に気を遣うことはありません。ただネットを通じて配信される情報を手元の端末でストリーミング再生するだけでいい。データ自体も端末に残ることはないので管理など気にしなくていい。

でもカーリースの場合は違います。クルマを借りてそれを一定期間自由に使うということですから、クルマを傷つけないように気を遣うのはもちろん、保険や税金の支払いなども必要ですし、さらに、そのクルマを使用すれば、それに伴いパーツなどが消耗する。そのため定期的なメンテナンスも必須です。

それに車検なども受けなくてはいけません。ようするにデジタルデータのように、ただ、クラウド上のデータを利用すればいいというわけではないのです。クルマそのものの管理は、そのクルマを使用するドライバーのいわば義務となります。

ただ、そういった面倒なこともカーリースだったらリース会社にすべて任せることができる。それもその分の出費も不要でカーライフに必要な費用のほぼすべてが毎月のリース代金で賄われる

だから、クルマを買うよりもお手軽。まとまったお金を用意しなくてもすぐにでも新車に乗ることができる。そんなことが多くの人に理解されるようになり、今その利用者が急増しているというわけです。

メンテも含めて全部お任せ
これからのタイヤ選びはサブスクで

カーリースには前述したような手続きや税金、保険などの必要な費用をリース代金に含めたファイナンスリースと、そしてメンテナンスリースというものがあります。

一般的なのはファイナンスリースですが、メンテナンスリースは消耗品の交換や車検以外のメンテナンスもすべてリース会社に任せたいという人に向いたものです。

メンテナンスリースであれば、消耗品であるオイルバッテリー、さらにタイヤの交換までも毎月のリース代金の中でカバーされます。

クルマのメンテナンスや管理方法がよくわからないという方にとっては非常にありがたいプランといえるでしょう。でも、その分リース費用は間違いなく高くなります。当然ですねタイヤやバッテリーの交換費用が含まれるのですから。そのためできるだけお得にカーリースを利用したいという方にとってはちょっとハードルが高くなってしまうかもしれません。

とはいえ、クルマを長期間使用すれば、オイルや冷却水、バッテリーやブレーキパッド、さらにタイヤなどといった消耗品の交換が必須です。

中でもタイヤに関しては、管理を慎重に行わなければいけません。もし摩耗が進行すればそれが事故にも直結しまうし、キズや劣化などが原因でパンク、さらに事故につながることもあり得ます。クルマの管理はできればしたくないといっても、タイヤだけは注意して定期的にチェックしなければならないものなのです。

とはいっても、どこをチェックすればいいのか、いつ交換すればいいのか。またどこで交換するならどこですればいいのか。さらにいくらくらいかかるのか。工賃はどれくらい必要なのか、クルマに関してさほど詳しくない人にとっては難しい問題です。

でも、そんな人にぜひおすすめしたいサービスが誕生したのです。それがおなじみブリヂストンがはじめたタイヤのサブスクリプション『mobox』です。

タイヤのサブスクとは
一体どんなサービスなのか


(引用:mobox公式HP)

ブリヂストンがはじめた『mobox』は、どんなものなのか。サブスクというくらいですから月々定額を払えば、クルマに合ったブリヂストンのタイヤを選んで装着できるというものになっています。

その契約期間は2年となっていて、ブリヂストン製の新品タイヤ4本がその料金の中に含まれています。つまり2年間定額を支払えば新品のブリヂストンタイヤが装着できるということ。

ただ、それだとローンでタイヤを買っているのと同じでは? と思うかもしれません。でも、そうではありません。タイヤ4本が装着できるだけでなく初回取付時の脱着、組替、センターフィットなどに加えて「パンク補償」までがセットでついてくるのです。

タイヤの交換や各種メンテナンスまで一括してタイヤのプロに任せられるという点が大きな特徴となっているのです。これなら、クルマの整備やメンテナンスに手を煩わされたくない、ファイナンスリース利用者にもピッタリではないでしょうか。

プランは2つあってそれが「スタンダードプラン」と「ライトプラン」。上記のサービスは双方に標準でついてきますが「スタンダードプラン」の場合はそれらに加えて「ローテーション・センターフィット」、「窒素ガス充填」、「安全点検」までセットで付いてくるというのが違いです。

金額はもちろん「スタンダードプラン」のほうがお高くなりますが、安心度という意味ではこっちのほうがおススメ。ただ、できれば出費を抑えたい、ちょっとした点検程度なら自分でできるというなら「ライトプラン」を選んでもいいかもしれません。

利用金額はたったの月々957円~
これでブリヂストンタイヤが装着できる


(引用:mobox公式HP)

では、肝心の金額はいくらなのか。moboxのWEBサイトをみると、最も安いプランで月額957円~となっています。ということは957円×2年(24ヶ月)ということで計2万2,968円。これで新品のブリヂストンタイヤが装着できるなら確かに安い! 

ただし、クルマのタイヤサイズは幅広いですからこれはあくまで最もリーズナブルなパターンです。月額957円~というのは145/80R13という軽自動車の中でもアルトのベーシックグレードなどにマッチする、元々リーズナブルなサイズのタイヤ。また装着できるタイヤ自体もブリヂストンブランド中でもベーシックなお安めのDAYTON DT30となります。

ちなみに、通販でこの同じタイヤを購入するといくらくらいなのか? 取材時点(2021年7月末)のAmazonでの価格は2万700円でした。

ちなみにこれはブリヂストンのタイヤ館の通販価格で、交換工賃(タイヤ交換工賃は量販店でだいたい2,000円~5,000円程度)込みのもの。あれ? 比較したらmoboxのほうが高い!?

しかし、そう考えるのは早計です。moboxであれば「ライトプラン」であってもうれしいパンク補償がついてくるのです。これは2年の契約期間中、タイヤが1本でもパンクした場合1回に限って自己負担なしで4本すべてのタイヤを新品に取り替えてくれるというもの。これは非常にうれしい。

もちろん取り付け作業工賃も定額メニューに含まれていますし、moboxはブリヂストンのコクピット、タイヤ館で交換作業を行ってくれるのでタイヤのプロにすべて任せることができる。これは安心です。

また、安全点検も無制限で行ってもらえます。タイヤの日ごろのチェックの仕方がよくわからないという方も、とりあえずタイヤ館やコクピットにクルマを持っていくだけでこちらも任せてOK。

そして、ライトプランよりも充実したサービスのスタンダードプランなら、パンク補償や安全点検に加えて、タイヤローテーションとセンターフィット(より高い精度で車軸にタイヤを装着すること。)も行ってもらうことが可能

加えて、空気よりも抜けにくい窒素ガスの充てんもしてもらえる。それで金額は145/80R13のDAYTON DT30で1,463円/月となります。

計算すると2年で3万5,112円(ゴムバルブ交換料および廃タイヤ処理料は含ます)ですね。なかなか絶妙な金額。とはいえ、タイヤに関して全部お任せできるうえに万が一のパンク時はタイヤを4本まとめて新品に交換してもらえるのですから、決して高くはないといえるのではないでしょうか。

moboxはWEBからも仕込みが可能
全国のコクピット・タイヤ館で対応


(引用:mobox公式HP)

このmoboxはWEBサイトから申し込むことができます。

参考サイト:https://mymobox.bridgestone.co.jp/#shopList

また、全国のコクピット・タイヤ館での申し込みも可能です。店頭申し込みなら選べるタイヤも前述したDAYTON以外にREGNOなどの高級タイヤやPOTENZAなどのスポーツタイヤ、ecopiaやplaysといったおなじみのタイヤも選ぶことができます。

また、先日SUV専用タイヤのALENZAやDUELERなどもmoboxのラインナップに加わったのでSUVユーザーも安心して利用が可能となりました。ブリヂストンタイヤもかなり本気でサービスの展開を図っています。

色々調べてみると、価格のリーズナブルさに期待をするとそこまで目立ったお得感は感じられないということが分かりましたが、パンク保証やメンテナンスなど、トータルで見ると非常に魅力的なサービスと言って間違いないと思います。

特にカーリースの利用者で、ファイナンスリース契約にはおススメです。タイヤのメンテナンスは基本ドライバー自身が行わなければ(自分で行わなくても別途費用を払ってプロにお願いすればいいのですが)なりませんが、それが面倒というならこのmoboxを利用してみるというのもよいのではないでしょうか。

例えばカーリースは5年契約が一般的です。その間タイヤ交換は最低でも一回あるはず。タイヤの寿命はだいたい3万キロとされているのでカーリース車の走行距離、1万キロ/1年とすると最初の車検のタイミングでタイヤ交換となるケースが多いでしょう。

そこでそのタイミングで、moboxを利用してタイヤを新品に交換するのです。2年後、リース契約が終了となったタイミングでmoboxも契約満了となるのでちょうどよい。なかなか賢い利用方法ではないでしょうか。検討する価値は大いにあると思います。

2年の契約満了後は
そのタイヤはあなたのもの


(引用:mobox公式HP)

ちなみに、このmoboxでタイヤを交換して2年の契約が終了したらそのタイヤはどうなるのか。気になる人もいると思いますが、ご安心ください。そのタイヤはそのままあなたのものとなります。返却するなんてことはありません。当然ですね。

ただ、契約が終わればパンク補償や無料の安全点検は受けられなくなります。とはいえ、それって普通にショップでタイヤを交換してもそうなので特に問題はありませんよね。

とにかくWEBで申し込みができて、タイヤのプロショップコクピット・タイヤ館で交換から点検、メンテナンスができる。さらに、信頼のブランドブリヂストンタイヤが装着できるというのも大きなメリットだと思います。

リースの場合は利用するタイミングを考慮する必要はありますがその点だけ気を付ければ非常にメリットの多いサービスと言えるでしょう。

ただ、“とにかくタイヤの交換費用は安く抑えたい”という方にはおすすめできません。ひたすら安さを求めるならネットで激安タイヤを購入して、工賃の安いショップで探し、そこでタイヤを履き替えるのが費用は抑えられるでしょう。それも決して間違いではありません。とはいえ、安さばかりを求めると結局安かろう、悪かろうで安全が犠牲となる可能性があるので、とにかく気を付けてください。

信頼のブリヂストンタイヤが
毎月定額で利用できる安心感

タイヤのトラブルはそのまま事故に直結するもの。一番重要なのは安心、安全です。その点一流ブランドのブリヂストンのタイヤを信頼できるブリヂストンのサービスで交換、点検、メンテナンスが受けられるというのは間違いなく大きなメリットです。

そういった意味も含めて、このタイヤのサブスクmoboxは注目すべきサービスと言えるのではないでしょうか。特にカーリース利用者なら一度是非チェック&検討してみてはいいかがでしょう。その価値は大いにあると思います。