月々定額で好きな車に乗れる、気軽さが魅力のカーリース。しかし、カーリースは審査を通過しなければ利用できません。そのため、どのような基準で審査されるのか、どの程度の勤務年数があれば通るのかなど、不安になることもあるのではないでしょうか。この記事では、カーリースの審査基準や、審査に落ちたときの対処法を詳しく解説します。
目次
カーリース契約前に審査があるのはなぜ?
カーリースは、車を「借りて利用する」サービスです。カーリース会社は契約者が選んだ車を代理で購入し、契約者が月々決められた料金を支払ってその車を借り受けるシステムになっています。
契約期間中リース車は契約者の手元で管理し、24時間いつでも好きなときに使用できるため、レンタカーよりも購入したマイカーに近い感覚で利用できるのが特徴です。
では、車を「購入する」のではなく「借りる」のに、なぜ審査が必要なのでしょうか。それは、カーリースの料金の仕組みに関係しています。
新車のカーリースは、複数年の長期契約が一般的です。月額料金は総額を契約月数で割って算出するため、契約期間を通して利益を回収することを前提としています。仮に契約途中で資金難により契約解除、というケースが頻発した場合、カーリース会社は見込んだ利益を回収できず損をするリスクが否定できません。
結果として、カーリース会社は契約期間を通して月額料金が支払える安定した収入が得られるか否かを、審査によって確認する必要があるのです。そのため、原則として審査なしのカーリースはなく、審査に通らないとカーリースは利用できません。
カーリースの審査基準とは?
カーリースの審査では、主に以下の点が確認されます。
- 年収
- 雇用形態・勤続年数
- 信用情報
- 借入状況
詳しく見ていきましょう。
年収
年収は審査において重要視される項目です。一般的には「年収200万円以上」がひとつの目安とされることが多いですが、審査は複数の項目を総合的に判断するため、200万円以下であれば絶対に審査に通過できない、というわけではありません。また、200万円以上であっても、そのほかの条件によっては利用不可、と判断されることもあります。
年収が高ければ審査に通りやすくなる傾向はありますが、注意したいのは「返済比率」です。返済比率とは年収に対する借金の返済金額の割合を示すもので、一般的に30~35%程度が上限といわれています。どれだけ年収が高くても、返済比率の上限を超えている場合は審査に通りません。
雇用形態・勤続年数
カーリースは長期にわたって支払いが続くため、「継続して月額料金の支払いができるか」という点も重視されます。そのため、雇用形態、勤続年数も審査ポイントになります。
一般的に安定性が高いとされる正社員、公務員は審査に有利になる傾向がありますが、非正規雇用とされるアルバイト・パートのほか、自営業・フリーランスなどは収入が不安定と見なされ不利になるケースが少なくありません。
また、勤続年数も信頼性にかかわるため、評価対象になります。在籍1年未満か1年以上かで印象が大きく異なり、1年未満といった短期間の転職を繰り返している場合や、就労実績が浅い場合は安定した支払いが見込めないと判断される可能性があるため、注意が必要です。
信用情報
審査の際には、信用情報もチェックされます。信用情報に金融事故の履歴が残っている場合は、ほぼ審査に通りません。
自己破産や任意整理だけではなく、クレジットカードや各種ローンの支払い遅延も履歴として記録されている場合は同様です。また、短期間で多数のクレジットカードやローンの申込みを繰り返している場合も、支払能力が不安視される要素になり、審査には通りにくくなります。
借入状況
借金やほかのローンの借入額も、審査に影響します。先述した返済比率はすべての借入額を基に判断されるため、トータルでの借入額が大きすぎると審査通過は難しいといえるでしょう。
カーリースの審査に落ちた場合の対処法
カーリースの審査に落ちてしまっても、対策しだいで再チャレンジは可能です。以下では、審査に落ちた際の対処法を見ていきましょう。
車両やプランの見直し
年収に対して月額料金が高すぎると思われる場合は、車の種類を変えてみましょう。カーリースの料金は車両本体価格に比例して高くなるため、コンパクトカーや軽自動車など比較的手ごろな値段の車を選ぶと、審査に通ることもあります。こだわりの車がある場合は、車の種類は変えずグレードを下げるという方法も視野に入ってきます。
また、車はそのままでプランやオプションを変更して価格を抑えることも検討するといいでしょう。
頭金を用意する
頭金の設定が可能なカーリースの場合、頭金を入れることで返済比率が下がり、審査に通過できるケースがあります。
カーリースは原則頭金不要、初期費用なしで好きな車に乗れるのがメリットのサービスではありますが、審査に不安があり、かつ手元に資金がある場合は検討してみてもいいかもしれません。
ただし、すべてのカーリースで頭金を設定できるわけではないため、事前に確認するようにしましょう。
連帯保証人をつける
本人の収入や勤続年数などに不安がある場合、一定の収入と信用力を備えた家族や配偶者を連帯保証人として立てることで、審査を通過できることも少なくありません。保証人となる方にも別途審査はありますが、契約者単独では難しい場合の有力な選択肢といえます。
カーリース会社から連帯保証人の提案があった場合は、積極的に検討しましょう。
他社カーリースに切り替える
審査基準は、カーリース会社ごとに異なります。そのため同じ条件であっても、カーリース会社が違うと審査結果が異なることも皆無ではありません。
また、そもそもの料金の設定が安いカーリース会社であれば、審査対象になる金額が抑えられるため、審査に通過しやすくなる可能性もあります。
信用情報・申込内容の確認
金融事故の情報は、永遠に残るわけではありません。事故の種類や信用情報機関にもよりますが、完済後5年~10年程度で消えるので、心当たりがある場合は信用情報を確認し、事故情報が消えるまで審査申込を待つのもひとつの方法です。
また、申込時の記載内容に誤りがあったり、提出書類に不備があったりすると、審査そのものがスムーズに進まないことがあります。勤務先や年収、家族構成など、申告内容は正確に記入し、必要書類ももれなく整えて提出することが重要です。虚偽申告は言うまでもありませんが、意図的でないミスでも信頼性を損ねる結果となるため、慎重に確認しましょう。
カーリースの審査はローンと比べて厳しい?
カーリースと自動車ローンは、いずれも「継続的に月額の支払いが可能かどうか」を審査するという点で基本的な目的は同じです。審査で重視される項目も、収入、雇用形態、勤続年数、信用情報、過去の支払い履歴など、大きな違いはありません。
ただし、カーリースの場合は車両の所有権がリース会社側にあるため、万が一支払いが滞った場合でも車を引き上げやすく、ローンに比べてリスク管理がしやすいとされています。こうした事情から、審査が比較的柔軟になる、という面もあるでしょう。
また、カーリースでは契約年数を長く設定して月額料金を抑えることが可能です。これにより、返済比率を低く保ちやすくなり、審査に通過しやすくなるケースもあります。実際にローン審査には落ちたけれども、カーリースは審査に通過して利用している、という方も少なくありません。
審査対策をしっかりしてカーリースを利用しよう
カーリースの契約には必ず審査があり、年収や信用情報などの条件によっては通らないケースもあります。ただし、審査内容を正しく理解し、事前にできる対策を取ることで通過の可能性は高められます。
無理のない車種やプランを選び、信用情報や申込内容に不備がないよう準備すれば、カーリースの審査は決してハードルの高いものではありません。
審査に必要以上に恐れることなくしっかり備えて、満足度の高いカーライフを実現しましょう。