近年カーリースは、購入にかわる新しい車の持ち方として、多くの個人利用者の方に普及してきています。頭金なし、月々定額で車をマイカーのように利用できるので、まとまったお金の準備が大変な学生の方や、少しグレードの高い車に乗りたい30代40代の男性の方、送迎や買い物で使いたい主婦の方など、さまざまな世代から好評になっているサービスです。

とはいえ、カーリースを契約する際に注意しておきたいポイントが、カーリースの「走行距離制限」です。

これは一体どのようなルールなのでしょうか?

また、自分の走行距離は具体的にどれくらいになるのでしょうか?

今回は、カーリースにおける走行距離制限の基本と、自分の走行距離の調べ方、契約期間中に制限を超えないコツについて解説いたします。

カーリースの「走行距離制限」とは?

まずはカーリースの基本的なシステムと、走行距離制限について解説いたします。

車の長期貸出しサービス

カーリースとは、車を一定期間貸出しで利用できるサービスです。 3年や5年といった数年間の契約を結び、月々決まったリース料を支払いながら車をマイカーのように利用できます。そして契約が終わったら車をリース会社に返却するのが基本的な流れです。

購入・ローンで車を購入する場合は、頭金などまとまったお金が必要になりますが、 カーリースはそうした初期費用が必要なく、契約の最初からリース料を支払っていくだけで車の利用を開始できる点が人気になっています。

カーリースの「走行距離制限」とは

カーリースのシステムはあくまで車の「貸出し」であるため、いくらでも使い放題というわけではなく、月間の走行距離に制限が定められています。

リース会社によって異なりますが、だいたい走行距離制限の基準は月当たり750km前後が一般的と言えるでしょう。 もちろん長距離運転が多い人は、前もってオプションとしてこの制限を延長することも可能です。

走行距離制限があることによるメリット

カーリースはこの走行距離制限が設定されているおかげで、購入よりもお得な金額で車を利用できるシステムになっています。

というのも、カーリースの大きな特徴は、契約終了後の車の価値(残価)を「前もって」見積もり、それをあらかじめ車両価格から差し引いて料金が決めているためです。

基本のリース料 = (車両価格 - 残価)÷ 契約月数 (+諸手数料など)

このように契約満了時の下取り価格を前もって計算して差し引いているおかげで、利用者は車両価格のすべてを支払わずに済み、月々無理のない料金で車を利用できる仕組みになっています。

つまり走行距離制限で車の残価が明確になるため、お得なリース料で車に乗れる仕組みになっているのです。 結果として月々の料金がお得になり、購入よりもワンランクグレードの高い車に乗ることも可能になります。

たとえばオンライン手続きだけで審査・申し込みができる「リースナブル」であれば、ヴェルファイアやアルファードなど高年式・低走行の高級車であっても、以下のようなとてもお手軽な月額料金で、即納で、利用できます。

リースナブルの即納「限定在庫車」の一例

車種・グレード 年式 走行距離 月額料金(税別)
トヨタ アルファード 2.5 Z 2025年式(R07) 0.2万km 28,000円~
トヨタ ヴェルファイア ハイブリッド 2.5 Z プレミア 2024年式(R06) 0.3万km 38,000円~
トヨタ アルファード 2.5 Z 2025年式(R07) 0.1万km 28,000円~
トヨタ ハイエースバン 2.8 スーパーGL ダークプライムS 2025年式(R07) 32km 49,800円~

もし走行距離制限を超過してしまったら

走行距離の上限を超えてしまった場合は、上記「残価」の問題が出てきますので、車の状態によっては、満了時に追加料金が請求される可能性があります。精算方法はリース会社ごとに異なりますので、もしもこの点に関して不安があるようでしたら、ぜひ一度リース会社に問い合わせてみるとよいでしょう。

自分の走行距離の目安をチェックする方法

普段あまり意識していないと、自分の走行距離がどれくらいになるか見当がつきにくいかもしれません。

ここでは、走行距離の一般的な目安と、自分がどれくらいの距離を走行するのかをしっかり把握できる方法をご紹介いたします。

一般的な走行距離の目安

まずは、一般的にどの程度の走行距離なのかを確認しましょう。

以前はよく「年間10,000km」が一つの目安と言われていましたが、 最近の保険会社のアンケート調査によれば、年間7,000km弱(月間600km前後)が近年の平均となっているようです。

もちろん車の使い方や、それからお住まいの地域によっても差はありますが、 だいたいの目安としては、毎日車を使わない人なら年間3,000km程度、毎日長距離の通勤で運転している人なら年間10,000kmくらいと考えるとよいでしょう。

・一般的な利用スタイルと走行距離の目安

ドライバースタイル 走行距離の目安 主な利用パターンの例
近場メイン(通勤なし) ~3,000 km/年 週1~2回の買い物など近所のみ。長距離ドライブやレジャーはほぼなし。
短距離通勤+週末利用 5,000~7,000 km/年 平日片道10~20km程度の通勤+月1~2回の中距離ドライブ。
長距離通勤またはレジャー多め 10,000~15,000 km/年 平日片道30km以上の通勤、または週末に長距離ドライブや旅行が多い。
常時長距離運転(ヘビーユース) 15,000 km/年以上 出張や遠出が月数回以上。ほぼ毎週のように長距離運転をする。

Googleマップで正確な距離をチェック

具体的に自分の正確な通勤距離などを知るためには、Googleマップの活用がおすすめです。

手順

  1. Googleマップの出発地点で右クリック、「距離を測定」を選択します。
  2. 目的地で右クリックして「ここまでの距離」を選びます。
  3. すると始点から終点までの「測定器」が表示されます。今は両地点の直線距離です。その測定器の途中の位置をマウスでクリックしドラッグすれば調整できますので、それで実際に走る道に合わせれば、実際の移動距離がわかります。

そしてこうした距離が月当たりではどれくらいになるかということを考えて合計すれば、月間の走行距離がわかります。

過去の車検証や整備記録簿から確認

すでにマイカーを持っている方や過去に車を利用していた方であれば、過去の整備記録簿から年間走行距離を割り出す方法もあります。

車検証や定期点検の整備記録簿には、その時点のオドメーター値(累計走行距離)が記載されています。 直近の車検時の走行距離と前回車検時の走行距離の差を、年数で割ることで、年間の平均走行距離が算出できます。

例えば3年前の車検から今回の車検までで21,000km増えていれば、年間約7,000km走っている計算です。こうした記録を確認するのも、自分が日頃どれくらい車を走らせているかを把握できます。

カーリースの走行距離制限を超過しないためのコツ

最後に、リース契約期間中に走行距離の上限を超えないためのポイントを見ていきましょう。

事前にリース会社の人に確認しておく

契約前に、リース会社の担当者に走行距離制限の詳細をしっかり確認しておきましょう。自分の利用予定に照らして上限が適切か相談することで、後々のトラブルを防げます。

サービスによっては、月間走行距離を有料で延長できます。少しでも気になることがあれば、まずはリース会社に気軽に相談してみるのがよいでしょう。

メーターなどで走行距離をメモする

リースが始まったら、定期的に車のオドメーター(走行距離計)を確認する習慣をつけるのがおすすめです。 毎月末など決まったタイミングで走行距離を記録しておくようにすると、契約上限に対して現在どのくらい走っているかが把握できます。

長距離ドライブと調整

長距離運転が必要な際は、その前後で日常の車利用を控えめにするなどして調整する工夫をしましょう。どうしても頻繁に長距離を走ることになった場合は、契約途中でも走行距離プランの変更や追加オプションが利用できないかなど、リース会社に相談してみてもよいかもしれません。

まとめ

カーリースは車の貸出しサービスであるため、走行距離制限が設けられているのが基本ルールです。しかしこのルールのおかげで車の価値が明確になり、グレードの高い車などでも月々手軽な料金で利用できる仕組みになっています。

一般的な走行距離の目安は、週1、2回程度の近所の買い物であれば年間3,000kmくらい、一般的なレジャー利用で5,000kmくらい、毎日長距離の通勤をしている人であれば10,000kmくらいと理解しておけばよいでしょう。現在はGoogleマップなどで簡単に走行距離のチェックもできますので、契約内容に沿った使い方をすることはそれほど難しくありません。

この点だけしっかり押さえたら、ぜひ初期費用ゼロなど数多くのメリットがあるカーリースをはじめていきましょう!