ガソリンの価格は下がるどころか上がる一方だし、そろそろクルマをBEV(バッテリーEV/電気自動車)に乗り換えてみるのも悪くないかな、そんな風に考えはじめている方はいないでしょうか。国産、輸入車ともにBEVの選択肢も充実してきましたしSUVからミニバン、軽自動車まで好みのスタイルものを見つけるのも容易です。確かに乗り換えのタイミングとしては今なのかもしれません。とはいえはじめてのBEVとして何を選ぶのが良いのでしょう。

やはり国産BEVの代表といえる日産LEAF(リーフ)などが定番ではないでしょうか。リーフは発売が2010年で、現行モデルは2代目。街中でも頻繁に見かけ実績も十分ですし信頼性の高さにも定評があります。はじめてのBEVとしては確かに間違いのない一台といえるでしょう。

ではもしリーフに買い替える、もしくはリースで利用するとして気になるのはその電費(ガソリンエンジンでいう燃費)です。いったいどれくらいかかるものなのでしょうか。ガソリンよりも安いとは言われていますが、電気代も上がっていますし、充電スポットの急速充電にも料金はかかります。買い換えるとしてもその点不安がありますよね。そこで、今回はリーフの満充電での走行可能距離や充電時間、電費などについて詳しく調べてみました。BEVへの買い替えを検討中の方は参考にしてみてください。

BEVの充電はどのようにすればいいのか
充電用コンセントを設置費用はいくらかかる

充電用コンセント設置費用

BEVやその他EV(PHEV)など充電方法ですが、大きく分けると2つあります。それが普通充電と急速充電です。普通充電は一般家庭などに引かれている単相の200Vのコンセントを使用した交流電流を用いた充電方法で、コンビニや商業施設などにも普通順電機が設置されています。普通充電は比較的充電スポットなども多いのですが出力が小さいので充電に時間がかかります。また、普通充電器は家庭にも設置が可能です。

自宅用充電設備にはいくつか種類がありますが、もっとも安くて手軽なのが単相200Vの「充電用コンセント」です。これは壁面などに取り付けるタイプなので設置する際に場所をとらないというメリットもあります。そして充電用コンセントには「車載充電ケーブル」を使用します。出力は3.0kWほどでバッテリー容量30kWhのBEVならおよそ10時間で満充電にすることが可能です。

充電用コンセントの設置費用ですが、だいたい工事費を含めて目安は10万円前後と考えればいいでしょう。BEVの購入を検討中であれば合わせてこの充電用コンセントの自宅設置も考えておく必要があります。

充電スポットの急速充電を利用する場合
その利用料金はどれくらいかかる

充電スポット急速充電利用料

普通充電以外にも急速充電という選択肢もあります。急速充電器が設置されているのは、おもに充電スポットや高速道路のSAなどの商業施設、クルマのディーラーなどです。急速充電は直流電源を用いた充電で電源には主に3相交流200Vを使用します。出力電圧は最大で500Vほど、定格出力も10 kW ~150kWほどと普通充電に比べると圧倒的に出力が大きく短時間で充電が可能です。

急速充電は30分/回が基本でまた過充電を防ぐために、バッテリーを100%満タンに充電することはできません。あくまで出先などでバッテリーを補充電するのが目的の設備となっています。そして、使用には「充電認証カード」が必要です。このカードを読み取り機にカードをかざすと充電が開始されます。充電認証カードには、「e-Mobility Power」や「おでかけカード」、「ZESP3」などといった種類があります。

カードの発行費用や月額料金は各カードによって異なりますが料金は入会金/登録料が約1,540円~。月会費は普通充電が約500〜2,500円で急速充電が約4,180〜11,000円。そして、利用料金は普通充電が約1.65円/分で急速充電が約27.5円/分となっています。

リーフの電費はどのくらい? 満充電だと
どれくらいの距離を走ることができるのか

リーフの電費
(引用:日産公式HP)

BEV(電気自動車)でガソリン車の燃費にあたるものを、電費(でんぴ)といいます。燃費の場合は1Lで何キロ走行できるか?を00lm/Lなどという数値で表しますが、BEVの場合は、一般的に電費を電気1kWhあたりで何km走行できるかkm/kWhで表します。もしくは1km走るために消費する電力をWh/kmで表します。世界的にはWh/kmのほうが一般的なようです。

では日産リーフの電費はどれくらいなのか。日産のリーフはグレードによってバッテリー容量が2種類あり、XとX Vセレクション、Gグレードのバッテリーが40kWhです。そしてe+Xとe+Gグレードのバッテリーは60kWhです。そして、それぞれの電費は40kWhモデルが6.45km/ kWhで60kWhモデルが6.21km/ kWhとなっています。

ということは1回の充電でどれだけ走ることができるのか。カタログの諸元表を見ると一充電可能距離は40kWhモデルがWLTCモードで322kmとなっており、60kWhモデルが450kmとなっています。満充電でこれだけの距離を走ることができるのであれば十分ガソリンエンジン車の代わりになるのではないでしょうか。

リーフの車両価格はやっぱり高い?
補助金は受けられると聞くけどそれはいくらなの

リーフの車両価格
(引用:日産公式HP)

リーフの車両価格に関しては以下になります。

●40kWhモデル車両価格

グレード 価格
X 4,081,000円
X Vセレクション 4,318,600円
G 4,448,400円
NISMO 4,642,000円
AUTECH 4,444,000円

●60kWhモデル車両価格

グレード 価格
e+X 5,253,600円
e+G 5,834,400円
e+AUTECH 5,616,600円

 

最も安いモデルでも400万円オーバーなので決して安くはありませんが、リーフはエコカーなので国や自治体の補助金対象となっています。そのため補助金をはじめエコカー減税など様々な優遇策が受けられます。例えば東京都でリーフを購入するとなった場合、国の補助金が850,000円、エコカー減税が48,500円、そして自治体の補助金が700,000円受けられるので最大1,598,500円の優遇が受けられます。

ただし、補助金は交付条件や限度額が毎年更新されます。申請を検討する際には、国や自治体のホームページで最新情報をチェックしましょう。また、補助金は事前に決められた予算の範囲内で交付されるため申請の受付は先着順です。BEVを購入するからといって必ず補助金を受給できるわけではない点にも注意が必要です。

リーフのオーナーとなった場合
1ヶ月の電気代の目安は

1ヶ月の電気代の目安
(引用:日産公式HP)

リーフのオーナーとなった場合、充電にかかる電気代はどれくらいなのか。日産は充電費用シミュレーターというものを公式サイトに用意してくれているので

https://www.nissan.co.jp/EV/RUNNINGCOST/

こちらでシミュレーションしてみました。

家に充電コンセントを設置し、家庭の電気代は31円/kWh。さらにZESP3(日産ゼロ・エミッションサポートプログラム3)のプレミアム10(月額4,400円で急速充電が10回無料利用できるサービス)に加入しており、1000km/月を走行。遠出を月に3回するといったケースで計算してみました。その結果はこうなりました。

8,544円/月

家庭用電気料金も上がっているため安いとは正直言えませんが、1000km/月走ってこの費用で済むならお得感はあるのではないでしょうか。

こちらの充電費用シミュレーターサイトではハイブリッドカーやガソリン車との料金比較も可能なのでついでに20km/Lの燃費性能を持つハイブリッドカーで月1000km走行した場合どれくらいのガソリン代がかかるか比較してみると、結果はガソリン代が8,500円(レギュラーガソリンが170円/Lで計算)/月でした。ほぼ同じですね。

12km/Lほどの、ガソリンエンジン車との比較してみると結果は14,167円/月で5,623円リーフのほうがお得という結果になりました。BEVであるリーフの充電費用は確かにお得感はありますが、ハイブリッドカーと比べるとそれほどでもなくガソリン車と比べるとかなりお得という結果でした。

ランニングコストの安さだけを求めてBEVを購入しても、そこまで大幅な節約ができるかどうかはどうも微妙なようです。BEVへの乗り換えを本気で検討されているのであれば、月どれくらいの距離をクルマで走るのか、家庭の電気料金は今どれくらいなのか、自宅近くに利用しやすい急速充電器が設置されているかなど、いろいろな要素を考えて慎重に検討する必要があるかもしれません。単純にBEV=ランニングコストがお得とはならないので注意が必要ですね。

BEVの充電にかかる費用は
ガソリンエンジン車の燃料費よりも確かにお得だけど…

BEVの充電にかかる費用

今回はBEV(電気自動車)であるリーフに乗り換えるとガソリンエンジン車よりもお得になるのかについて調べてみました。実用性に関しては、リーフは新型で大容量バッテリーモデルも用意されたことで、ガソリンエンジン車と比べてもそん色ないほどの一充電走行距離を実現しています。そのため、そこまで充電の心配をしなくても普通に使えるようになっているのは間違いありません。

ただランニングコストに関しては、燃費性能に優れたハイブリッドカーに比べるとそこまで節約が可能かというと期待ほどではないということもわかりました。とはいえガソリンエンジン車と比べれば間違いなくお得です。もしBEVの乗り換えるとなった場合は自宅充電を上手に利用することがとても重要でしょう。そうすることで充電にかかる費用を低く抑えられます。また、契約中の電気料金プランを吟味したり、無料の充電スポットを活用したりするというのもポイントになりそうです。

BEVは賢く充電を行えば、ガソリンエンジン車だけでなくハイブリッドカーよりもお得になるかもしれません。それになんといっても自宅で充電できるというのは手軽ですし、いちいちガソリンスタンドに行かなくてもいいというのも便利です。加えて、いざというときにはBEVのバッテリーが家庭用の蓄電池として使用できるというのも大きなメリットだといえます。キャンプや車中泊などでもきっと役に立ってくれるのではないでしょうか。

最新のBEVをカーリースで
利用するというのも賢い方法かも

最新のBEVをカーリースで
(引用:日産公式HP)

BEVの車両価格はまだまだ高額ですが、補助金をうまく使えば購入価格も抑えられますので、今のタイミングでBEVへ乗り換えるというのも悪くない選択だと思います。走行時に二酸化炭素を排出しないためとてもエコです(そうでもないという考え方もありますが)し、ガソリンエンジン車にはない独特の走行感覚もなかなか面白いといえます。

ちなみにリースナブルではリーフのリース車両をご用意しています。国と自治体の補助金を利用した場合、ベーシックプランの最安コースなら最大133.3万円引きで

月々19,800円(税込)×60回 +ボーナス加算110,880円(年2回)

で利用することが可能です。

リースナブルならさらに9インチのカーナビとインテリジェントアラウンドビューモニター、インテリジェントルームミラー、プロパイロット、ETC(セットアップ込み)、フロアマット、サイドバイザー、3kW普通充電器(車載用)などのオプションがはじめからセットになっているというのもうれしいポイントでしょう。

BEVへの乗り換えを検討中なら購入するのもいいですが、リースナブルなどのカーリースでの利用も是非検討してみてください。BEVは長期間使用した場合の駆動用バッテリーの劣化などの心配がまだまだありますが、5年ごとにお得に乗り換えが可能なカーリースならそんなバッテリーの劣化を心配する必要もありません。むしろBEVこそリースで利用する方が賢いといえるかもしれません。