ファミリー層を中心に圧倒的な人気を誇っているミニバン。
海外ではSUVなどのほうがむしろ人気が高いなどともいわれていますが、国内の自動車メーカーは各社とも豊富な車種ラインナップをそろえ、軽自動車からコンパクトクラス、さらにLクラスまで、様々なサイズのミニバンを用意して国内ユーザーのニーズにこたえています。
そんな群雄割拠の日本のミニバン市場において、登場以来兄弟車であるヴェルファイアと共に
大ヒットし続けているのがトヨタのアルファードです。
大空間高級サルーンをテーマに開発されたLクラスミニバンであるアルファードは、
トヨタのミニバンラインナップの頂点に君臨する存在としてミニバンファンの間ではあこがれの存在とされています。
そのスタイリングはまさにゴージャス。
クロームメッキが輝く存在感満点のフロントグリルにその空間の大きさ強調するかのようなボリューム感のあるボディ。さらにLEDヘッドランプやメッキモールなどディテールも非常に凝っています。またエアロパーツをはじめとしたカスタマイズパーツも豊富という点も人気の理由なのかもしれません。
(引用:トヨタ公式HP)
そんなアルファードは2018年1月に、ヴェルファイアとともにマイナーチェンジを受けて新型となりました。
そしてその人気はあいかわらず衰えることを知りません。5ナンバーサイズのミニバンを所有されている方の中にも、いつかはアルファードを手に入れたいと考えている方もきっといるはずです。
ただ、次の愛車としてアルファードを狙っている方にとって、悩みどころはどのグレードに選べばいいのかということではないでしょうか。最新のアルファードのグレードは全部で17もあります。
価格も335万円~750万円までと非常に幅広い設定。価格に差があるということは当然それ相応の違いがあるということなのですがいったい、それぞれどんな特長があり、何が違うのか? 難しい問題です。
そこでアルファードの購入を考えている未来のオーナーに向けて、わかりやすく整理してみましょう
目次
ボディタイプとパワーユニットの
違いで基本は4タイプ全17グレード
アルファードには、まず大きく標準ボディとエアロボディの2つボディタイプがあります。
さらにそれぞれのボティタイプにハイブリッドとガソリンエンジンという2種パワーユニットが用意されています。
つまり標準ボディのガソリン車、標準ボディのハイブリッド車。そしてエアロボディのガソリン車とエアロボディのハイブリッド車の計4つのタイプがあってそれが基本となります。
ガソリンエンジンは2.5リッターの直列4気筒と、3.5リッターのV型6気筒がありますが、ハイブリッドに関しては2.5リッター直列4気筒+モーターの一種。つまりパワーユニットは全部で3種類となります。
そしてこれらボディタイプごとに、インテリアや装備の違うグレードが設定されているのですが、グレードによる違いは、簡単にいってしまうとエクステリアやインテリアの標準装備の内容と、選択可能なメーカーオプションの違いです。
中でも気になる安全装備に関してですが、こちらは全グレードに進化した「Toyota Safety Sense P(トヨタセーフティセンスP)」を標準装備しています。
これは従来のトヨタセーフティセンスCでは対応していなかった歩行者に対しても自動ブレーキシステムが作動するという、より高度な予防安全機能。この辺はぬかりありません。
さらに、自動ブレーキの対応速度も従来のセーフティセンスCが10~80km/hで作動するのに対して、セーフティセンスPは10km/hから車両の最高速度まで対応と、こちらも大幅に機能が向上しており、高級ミニバンにふさわしいものになっています。
ブラインドモニターや、バックソナーなど補助的な安全装備にはグレードによる差はありますが、基本となる予防安全装備に関してはどのグレードを選んでも不満を感じることはないでしょう。そういった点では安心ですね。
グレードによるおもな違いとは
ボディタイプ | 乗員数 | パワーユニット | グレード | メーカー希望小売価格 |
---|---|---|---|---|
標準タイプ | 8人(※7人) | 2.5L 直4 | X | 3,354,480円~ |
7人 | G | 4,185,000円~ | ||
3.5L V6 | GF | 4,632,000円~ | ||
Executive Lounge | 7,034,040円~ | |||
エアロタイプ | 7人/8人 | 2.5L 直4 | S | 3,692,520円~ |
7人 | S Aパッケージ | 3,905,280円~ | ||
S Cパッケージ | 4,362,120円~ | |||
3.5L V6 | SC | 4,947,480円~ | ||
Executive Lounge S | 7,183,080円~ | |||
標準タイプ | 7人/8人 | 2.5L 直4+モーター | HYBRID X | 4,363,200円~ |
7人 | HYBRID G | 4,975,560円~ | ||
HYBRID G Fパッケージ | 5,529,600円~ | |||
HYBRID Executive Lounge | 7,034,040円~ | |||
エアロタイプ | 7人 | 2.5L 直4+モーター | HYBRID S | 4,610,520円~ |
HYBRID SR | 5,119,000円~ | |||
HYBRID SR Cパッケージ | 5,674,320円~ | |||
HYBRID Executive Lounge S | 7,508,160円~ |
※サイドリフトアップチルトシート装着は7人乗り
こちらがアルファードの全グレード一覧です。
さらに各グレードの特長をまとめてみましょう。
X/HYBRID X
ガソリンエンジン車、ハイブリッド共にXがベースグレードとなります。
8人乗りはこのX、もしくはエアロボディのベースグレードとなるガソリン車のSにしか設定されていません。もし多人数乗車が必要なのであれば、おのずと選択肢はこのベースグレードとなります。
アルファードはベースグレードであってもフルオートエアコンやアルミホイールが標準装備と内容が充実しており、また予防安全装備も基本的に上級グレードとほとんど変わりません。価格が安いベースグレードを選び、アフターマーケット製のエアロパーツやホイール、カーナビなどの各種アイテムを追加するというのを楽しむのも賢い考えかもしれません。
G/HYBRID G
Xの一つ上のグレードとなるのがGおよびハイブリッドGです。
ホイールが17インチとなる上、運転席パワーシートやステアリングが本革巻きとメタルブラウンウッド調の組わせとなり高級感がアップします。また、シート表皮がファブリックから合成皮革になるなどの違いもあります。
GF
GFグレードは、3.5L V6エンジンのガソリン車専用グレードです。
Gの装備をさらに充実させたものでシートの表皮が本革になるなど高級感がアップ。装着されるホイールは17インチアルミホイールで、大型ハイグレードコンソールボックスなども標準装備。301PS、361Nmの豪快な走りが味わえるのも魅力です。
Executive Lounge/HYBRID Executive Lounge
エグゼクティブラウンジとハイブリッドエグゼクティブラウンジは、標準ボディのハイエンドグレードです。
LEDヘッドライトが2眼から3眼となり、フロント、リアにシーケンシャルタイプのウインカーが装備されるなどその表情がさらにゴージャスになっています。
シート表皮はもちろん本革でステアリングも本革巻き+木目調。メーターも専用のオプティトロンメーターとなりホイールも専用の17インチスパッタリング塗装になるなど、細部にわたって高級感を追求した内容となっています。またガソリン車のパワーユニットは3.5L V6のみです。
S/HYBRID S
Sはエアロボディのベースグレードといった位置づけです。
フロントとリアに、ワイド感を強調するエアロボディ専用のバンパーが装着され、サイドにもサイドマッドガードが装備されます。ホイールはガソリン車のSが18インチ、ハイブリッドのSが17インチのハイパークロームとなりスタイリングがよりアグレッシブな印象に変わっています。
S Aパッケージ
2.5Lガソリンエンジン搭載のエアロボディのSをベースに、コンソールボックスがスタンダードからハイグレードに変わっています。
ほかには、メーカーオプションだったフロントドアガラスのIRカットや撥水加工が標準装備になるほか、助手席が最大1160㎜移動できるスーパーロングスライドシートとなります。ちなみにこのスーパーロングスライドシートはS Aパッケージのみの装備です。
S Cパッケージ
S Cパッケージは、S Aパッケージをベースに、装着されるホイールが、スタイリッシュな切削光輝+ブラック塗装の18インチに変わり、ステアリングも本革巻き+メタルウッド加飾が追加されます。
またシート表皮も合成皮革になりコンソールボックスも大型化されたグレードです。
SC
SのCパッケージとややこしいですがこちらは3.5L V6エンジンを搭載車に設定されたグレードです。
装備内容は基本的にS Cパッケージに準じています。
Executive Lounge S/HYBRID Executive Lounge S
エグゼクティブラウンジSおよびハイブリッドエグゼクティブラウンジSは、エアロボディをベースとして、あらゆる装備を満載した、アルファードの最上級グレードです。ガソリン車は3.5L V6のみに設定されます。
Sの証であるエアロパーツも、サイドマットガードにメッキモールが追加されるのはこちらのエグゼクティブラウンジSのみ。インテリアも専用となるブラック&ホワイトを採用し、シルバー木目調の専用加飾や、防汚処理加工のプレミアムナッパ本革シートなど高級感を追求した内容となっています。
HYBRID G Fパッケージ
ハイブリッドGのシート表皮を本革にしたグレードがハイブリッドG Fパッケージです。
HYBRID SR
ハイブリッドSをベースに、ステアリングを本革巻き+メタルウッド調とした上、シート表皮も合成皮革が標準となります。
また3眼LEDヘッドライトとフロント・リヤのシーケンシャルウインカーなどをセットオプションとして装着が可能です。
HYBRID SR Cパッケージ
ハイブリッドSR をベースにシートの表皮が本革となり、セカンドシートがエグゼクティブパワーシートとなったグレードがハイブリッドSR Cパッケージです。
またSRにはないCパッケージだけの標準装備としては、ステアリングヒーターほか、リアシート用のLED読書灯やAC100Vのアクセサリーコンセントなどがあります。
オススメのグレードは?
多人数乗車のできる実用的な大型ミニバンとしてアルファードを選ぶのであれば、ベースモデルであるXや、ハイブリッドXがリーズナブルな上、8人乗りが選べるのでオススメといえるでしょう。ベースグレードでもアルファードな装備は充実しているうえ、高級感は十分味わえます。
とにかくゴージャスなミニバンの魅力を存分に味わいたいなら、ガソリン車のGFやSC、ハイブリッドG FパッケージSR Cパッケージ以上のものを選びたいところです。さらに究極のエグゼクティブラウンジ系を選べば、高級ミニバンらしい高い満足感も得られるはずです。
ただし、ミニバンのゴージャス感は、フロントシートよりもロングスライドが可能で広大なスペースを存分に味わえるセカンドシートです。ドライバーの視点でみると、運転手感が強まってしまう点が少しさびしいかもしれません。
また、アルファードの魅力は、高級感あるインテリアだけでなく、やはりその堂々としたスタイリングにあるともいえます。その点に魅力を感じて購入を検討する方も少なくないはずです。となれば、是非エアロは装着しておきたいところでしょう。
エアロボディで装備の充実度も高く、さらにお買い得感もあるとなるとS AパッケージやS Cパッケージの魅力が際立ちます。高級感に迫力あるエクステリア、充実装備などといったトータルバランスで考えるとこの辺が狙いどころかもしれません。