トヨタの4ナンバーバン「タウンエース」が今キャンピングカーのベース車として人気にとなっているのをご存じでしょうか。軽キャンパーでは家族で使うには小さすぎるし、ハイエースだと車体が大きくて普段使いにちょっと不便。そこで、軽ワンボックスとハイエースの中間的な大きさのタウンエースが、気軽に楽しめるちょうどいいサイズのバンコンキャンピングカー(ワンボックス車やミニバン、ワゴンをベースに架装を施したキャンピングカー)のベース車両としてにわかに注目が集まっているのです。
そんなタウンエースをベースに神奈川県にあるトヨタのディーラー「トヨタモビリティ神奈川」が製作し、販売しているキャンピングカーが「アルトピアーノ」です。トヨタの正規ディーラーが製作と販売を行っているということから安心感も高く、また普段のメンテナンスもトヨタディーラーでできるというのもうれしいところ。それになんといっても車両価格が今どきのMクラスミニバン並みというのも魅力的です。
今回はそんなキャンピングカー「アルトピアーノ」について取り上げ、どのようなクルマでどんな装備が搭載されているのか、スペックはどうなっているのかなどについてご紹介します。
目次
- 1 ちょうどよいサイズが魅力! キャンピングカーの 入門車輛としておすすめの「アルトピアーノ」
- 2 アルトピアーノのベースとなった タウンエースはどんなクルマ?
- 3 元々が貨物用のワンバックスバンなので 積載性能はMクラスミニバン以上
- 4 車体はほぼノーマルのままで装備も必要最低限 だけどその分普段使いにもぴったり
- 5 より快適にキャンプが楽しみたいなら オプションを追加することもできる
- 6 価格は新車のキャンピングカーとしては 破格の2,826,000円から
- 7 アルトピアーノの新車が購入できるのは 神奈川、東京、千葉、埼玉、山梨県、静岡限定
- 8 興味はあるけれど購入は慎重に検討したい そんな方は一度レンタルを試してみては
ちょうどよいサイズが魅力! キャンピングカーの
入門車輛としておすすめの「アルトピアーノ」
(引用:「トヨタモビリティ神奈川」公式HP)
コロナ渦を機に密にならず楽しめるアウトドアホビーとして一気に人気が広まったのがキャンプです。人ごみを離れ自然を満喫しながら、アウトドアで過ごす特別な時間は確かにとても魅力的です。そして、気が付けば週末となれば各地のキャンプ場は大賑わいとなっています。本格的に楽しむだけでなく手ぶらでキャンプを楽しめるグランピングなども大いに人気となっているようです。
キャンプの趣味にはまりはじめると、欲しくなってくるのがキャンピングカーです。キャンピングカーがあれば、わざわざお金を払ってキャンプサイト借りなくても好きな場所がいつでもキャンプができます。またキャンプサイトの利用時間に縛られることもありませんし周囲の騒音に悩まされることもない。家族だけで本物の自然が楽しめキャンプの醍醐味も一気に広がります。
ただ、キャンピングカーが欲しいとなってネットでその価格を調べてみると思いのほか高額なことがわかります。流行りの軽キャンパーだって小さくとも決して安くはありません。それに本格的なキャンピングカーとなると車体のサイズも一気に大きくなり、普段使いのクルマとして利用するにはちょっと躊躇してしまいそう。
普段使いもできる手ごろなサイズで、価格もそれほど高額でなくメンテナンスなどの心配もいらない、そんなキャンピングカーはそうそうありません。でもそんな希望を叶えるおすすめのクルマがあります。それがトヨタのワンボックスバンタウンエースをベースとして、神奈川のトヨタ正規ディーラーである「トヨタモビリティ神奈川」が製作、販売するバンコンキャンピングカー「アルトピアーノ」です。
トヨタの正規ディーラーが製作するという点で、まず信頼性が圧倒的に高いという印象を持ちます。それに、正規ディーラーが販売するタウンエース(ベースのキャンパー)ということで、車体部分のタウンエースのメンテナンスは全国のトヨタの正規ディーラーならどこでも受けられるという点も大きなメリットといえるでしょう。では、アルトピアーノのキャンパーとしての機能的な面はどうなのでしょう。十分なものとなっているのでしょうか。
アルトピアーノのベースとなった
タウンエースはどんなクルマ?
(引用:トヨタ公式HP)
まずベース車両は「タウンエースバン」がどんなクルマなのか。4ナンバーのコンパクトなワンボックスバンであり街中でも宅配便の配送や花屋さんの配達などによく使われているシンプルなワンボックスバンですね。
特徴は何といってもボディサイズがコンパクトなこと。軽ワンボックスよりも大きく、ハイエースよりは小さいちょうどよいサイズ感です。実際の車体寸法は全長4045mm×全幅1665mm×全高1900mmです。全高こそさすがに高いですが、全長、全幅でいえばトヨタのコンパクトカー、アクアとほとんど同じサイズです。
どれくらいのサイズ感なのかアクアを思い浮かべてもらえるとなんとなくわかるのではないでしょうか。そのため、狭い道でも運転がしやすく、路地などもスムーズに走行可能です。宅配などにタウンエースがよく使われているのもこのちょうどよいサイズ感が適しているからなのでしょう。最小回転半径もわずか4.9m(2WD)なので小回りもとても効きます。背が高いのでぱっと見は立派に見えますがこれなら狭いスーパーの駐車場でも、コインパーキングでも取り回しに困ることはないはずです。
動力性能ですが、タウンエースのパワーユニットは直列4気筒1.5Lガソリンエンジンのみです。最高出力は71kW(97PS)、最大トルクは134N・m(13.7kgf・m)です。さすがに商用車だけあって決してパワフルではありませんが750kgの荷物を積んで問題なく街中を走ることができるセッティングになっているので速くはありませんが軽自動車のワンボックスバンよりは余裕ある走りが味わえるはずです。
WLTCモード燃費に関しては12.0km/L(4AT車)でそれほど良いとは言えまんが、車体がコンパクトながら車重が1.2tあるのでこんなものなのでしょう。安全装備は商用車としては充実しています。衝突回避支援システム(スマートアシスト)、衝突警報機能(対車両、対歩行者[昼夜])、衝突回避支援ブレーキ機能(対車両、対歩行者[昼夜])、車線逸脱警報機能、ブレーキ制御付誤発進抑制機能(前方・後方)が全車に標準装備でAT車のみ先行車発進お知らせ機能とオートハイビームが標準装備となっています。スペック的には地味ですが実用性の高いワンボックスバンといっていいでしょう。
元々が貨物用のワンバックスバンなので
積載性能はMクラスミニバン以上
(引用:「トヨタモビリティ神奈川」公式HP)
真四角なボディではないのでミニバンにも見えますが、そこは業務に使われるワンボックスバンです。車体はコンパクトでも積載性能はもっと大きなミニバンよりも優秀です。荷室スペースはほぼ真四角で段ボールなどを積むとなっても無駄なスペースができにくく非常に合理的な作りとなっています。
荷室の大きさは2名乗車時で荷室長2045mm(荷室フロア長は1760mm)×荷室幅1495mm×荷室高1305mmというスペースが確保されます。これだけ広ければ確かに荷物がたっぷり積めるでしょう。最大積載量は2名乗車時で750kg(4WDは700kg)で、5名乗車時は500kgと十分ですね。ちなみに軽ワンボックスバンの場合最大積載量2名乗車時で350kg、4名乗車時で250kgくらいなので、軽ワンボックスの2倍の積載量があるということになります。
さらに荷物の出し入れがしやすいようボディの左右には開口部の大きな両側スライドドアが装備されていますし、積み降ろし作業がしやすいよう低床設計になっているのも大きな特徴です。ワンボックスバンとしてとても合理的で優れた設計となっています。
そして、そのスペース効率に優れて設計は、そのままキャンピングカーのベースとしても適しているということにもなります。真四角の広々とした荷室には各種キャンピングカー用装備を設置しやすく、また全高が高く低床設計ですからベッドなどを設置しても窮屈感がない。何より貨物車ですから積載量に余裕がありベッドやシンク、冷蔵庫などを設置してもその重量を受け止めることができるだけの頑丈な車体となっています。
その上車両価格はエントリーグレードなら200万円以下とリーズナブルなのですから。キャンピングカーのベース車両として多くのビルダーが目をつけるのは当然のことといえるでしょう。そして、そのタウンエースをベースとしたキャンピングカーとして、今注目を集めているのがトヨタの正規ディーラーである「トヨタモビリティ神奈川」が製作、販売をする「アルトピアーノ」というわけです。
車体はほぼノーマルのままで装備も必要最低限
だけどその分普段使いにもぴったり
(引用:「トヨタモビリティ神奈川」公式HP)
「アルトピアーノ」はどんなキャンピングカーなのか。まずエクステリアですがそこには大きく手は入っていません。しかしボディカラーはちょっとポップなツートンカラーに変わっています。カラーバリエーションはバイザシー(ブルーグレー)、フォレスタ(グレイッシュグリーン)、プラテリア(ライトグリーン)、でセルト(ベージュ)というアースカラーとホワイトのツートンの4色でどれもおしゃれ。
肝心のキャンピングカー装備ですがとてもシンプルです。標準装備としてはベッドとして展開できるキャンパー専用の後席シート(REVOシート。ISO FIXチャイルドシート装着可能)と、テーブル、天井LED照明、コーナーテーブル&収納ラック、網戸2枚セットが装着されています。
後席スペースは“通常走行モード”と、シートを向かい合わせにして車内をくつろぎの空間にできる“ダイネットモード”そしてフルフラット時最長2,050mmの全長をいかして大人2人が就寝可能な“ベッドモード”に切り替えることができます。これだけの装備があればちょっとしたキャンプや車中泊なら十分でしょう。車内で調理などをしたいという場合はオプションも用意されています。
より快適にキャンプが楽しみたいなら
オプションを追加することもできる
(引用:「トヨタモビリティ神奈川」公式HP)
アルトピアーノに用意されている純正オプションは豊富とはいえませんが、とても実用的なアイテムがいくつか用意されています。まずは「基本電源ユニット」です。こちらは306,130円で装備することで電源を必要とする装備に電気を供給できます。また、車内でAC100Vの家電なども使えるようになります。走行時にサブバッテリーへ充電し、エンジン停止後も電源供給が可能で最大500Wまで使用できます。
次に「冷凍・冷蔵庫」です。冷たいドリンクや冷蔵しておきたい食材などを収納できます。容量は18Lで基本電源ユニットなどの電源が別途必要。前述の基本電源ユニットを装着した場合は96,800円で、ポータブル電源などを使用するタイプの場合は140,800円です。そしてキャンプで食材や食器などを洗うほか、蛇口を引き出してシャワーなどにも使える「シャワー付きシンク」などもあります。こちらは基本電源ユニット使用タイプが108,900円でポータブル電源使用タイプが152,900円。
さらに、車内の換気に便利な「窓用4連排気ファン」などもあり、こちらは基本電源ユニット使用タイプが96,800円でポータブル電源使用タイプが140,800円です。基本電源ユニットを含め全てを追加した場合は全部で608,630円です。結構な金額ですが、キャンピングカーの装備と考えれば十分リーズナブルです。
他にもオプションとしてはルーフキャリアやルーフトップテント、遮光スクリーンやラゲージマット、網戸やタープなども用意されています。いろいろと追加すると結構な金額になってしまいますが、元々の車両価格がリーズナブルなのでそれでも本格的なキャンピングカーを購入するよりも予算は抑えられるはずです。
価格は新車のキャンピングカーとしては
破格の2,826,000円から
ではアルトピアーノの肝心な価格はいくらなのか。下記がアルトピアーノの車両価格です。
グレード | DX/AT | DX/MT | GL/AT | GL/MT |
---|---|---|---|---|
2WD | ¥ 2,915,000 | ¥ 2,826,000 | ¥ 3,115,000 | ¥ 3,026,000 |
2WD(寒冷地仕様) | ¥ 3,081,920 | ¥ 2,992,920 | ¥ 3,270,920 | ¥ 3,181,920 |
4WD(寒冷地仕様) | ¥ 3,323,320 | ¥ 3,234,320 | ¥ 3,514,320 | ¥ 3,425,320 |
ちなみにベースのタウンエースの新車車両価格は1,819,000円(DXグレード 2WD/MT)~2,347,000円(GLグレード 4WD/AT)です。キャンパーの架装を行ってベースモデル+110万円といったところですね。
人気の軽キャンパーの新車相場価格は200万円~400万円くらいなので、だいたい同じくらいと考えていいでしょう。それで軽キャンパーよりも明らかに広いスペースを持つ新車のキャンピングカーが、正規ディーラーで購入できると考えるとかなりお得です。キャンピングカーの入門車輛としてこれなら本気で購入を考えてみてもいいのではないでしょうか。アルトピアーノを手に入れて、そこから自分なりの一台にDIYでカスタマイズしていくというのも楽しそうです。
アルトピアーノの新車が購入できるのは
神奈川、東京、千葉、埼玉、山梨県、静岡限定
ご紹介したようにアルトピアーノは入門用のキャンピングカーとしてとても魅力的な一台となっています。装備的にはそこまで充実していませんが、車中泊用として楽しむなら標準装備でも十分快適ではないでしょうか。また、自分なりにカスタマイズを楽しむベース車両としても面白いと思います。
そんなアルトピアーノですがどこで購入できるのかというと、神奈川県にあるトヨタの正規ディーラーである「トヨタモビリティ神奈川」となります。トヨタの正規モデルではなく、あくまでトヨタモビリティ神奈川が製作・販売を行うオリジナルモデルとなっています。そのため新車購入ができるのは神奈川県と東京都・千葉県・埼玉県・山梨県・静岡県にお住まいの方限定となっています。その点はちょっと残念ですね。
ただ、購入したあとのアルトピアーノの車体のメンテナンスは原則関東首都圏のトヨタディーラーで、点検、整備、車検ができるとのこと。車体自体に大きな改造を施しているわけではないのでタウンエースと同様に整備が受けられます。その点はとても安心ですね。
ただし、キャンパー架装部分のメンテナンスに関しては神奈川県に100店舗以上あるトヨタモビリティ神奈川の対応となっているとのこと。なので、関東近県にお住いの方限定の新車販売となっているのですね。
興味はあるけれど購入は慎重に検討したい
そんな方は一度レンタルを試してみては
購入を考えているけれど、いきなりキャンピングカーのオーナーになるのは不安という方は、トヨタモビリティ東京が提供しているバンライフシェアプラットフォーム「MOBI-INN(モビーン)」が、アルトピアーノのレンタルサービスを行っています。
参考サイト:https://www.toyota-mobi-tokyo.co.jp/mobi-inn
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