日産のベストセラーSUV、「エクストレイル」が2022年7月、フルモデルチェンジを実施しました。新しいエクストレイルは、全車がハイブリッドとなり、発電用エンジンには可変圧縮比ターボエンジンという高度なメカニズムを持った新型エンジンを採用。
さらにデザインも一新され、4WDには積極的な駆動力配分によって走行性能を高める「e-4ORCE」を採用するなど、全方面において大きく進化しています。
日産がエクストレイルのフルモデルチェンジに並々ならぬ覚悟で挑んだことがこういった様々なトピックからも伝わってきます。
そんな新型エクストレイルですが、具体的には先代とどのような部分が変わっているのか、先代オーナーなら非常に気になるところでしょう。もちろん価格や燃費に関しても気になります。今回は新型エクストレイルの先代からの進化ポイントにスポットをあてて詳しく紹介していきましょう。
目次
日産エクストレイルとは
どのようなクルマなのか?
(引用:日産公式HP)
初代エクストレイルが登場したのは2000年の11月13日です。コンセプトとしては「タフギア」が掲げられ、アウトドアスポーツやレジャーなどに使える、道具的な存在のミドルサイズSUVというものでした。
そして、エクストレイルはそれまでの本格的なクロカン四駆とは違った、より身近な四駆として、手の届きやすい価格、スタイリッシュで取り回しのよい手ごろなボディサイズ、そしてオフロードでも頼りになる走行性能と、その直線基調でアウトドアギア的なデザインが大きな話題となり、発売当初から一気に人気を集めました。
以後、その基本的なコンセプトを維持したままモデルチェンジを重ね、4代目として先日発売されたのがT33型の新型エクストレイルです。先代の3代目T32型エクストレイルが2013年12月発売でしたので、じつに8年半ぶりのフルモデルチェンジとなりました。
ミドルサイズのクロスオーバーSUVという点では、新型も歴代エクストレイルと同じですが、さすがに8年半ぶりのフルモデルチェンジとなると、デザインも走りも機能もすべての面で大きく進化しています。
でもいったいどこがどう変わったのか?多くの方が興味を持っていることでしょう。そこで次のパートからは、様々な角度から先代とどう変わったのか、その進化の度合を比べてみましょう。
エクステリアデザインは初代モデルに
回帰したかのような骨太なイメージに
(引用:日産公式HP)
新型と先代エクストレイルの違いで、もっともわかりやすいのはそのデザインでしょう。サイドから見たシルエットは先代と新型はよく似ています。クロスオーバーSUVらしいのびやかなシルエットでそれでいてサルーン的な上質感も感じられます。
しかし、新型はウインドウ面積が大きくなっているのでボリューム感があり、より骨太なイメージとなっています。先代は洗練された都会的なクロスオーバーSUV的な要素もありましたが、新型は初代エクストレイルに回帰したかのような、筋肉質で重厚さもあるものとなり、エクストレイルのもともとのコンセプトである“タフギア”感が増しています。
さらに、フロントフェイスを見ると、先代、新型とも日産のアイデンティティであるVモーショングリルを採用していますが、新型はメッシュ部分の面積が大きくなり、ヘッドライトも薄型化。迫力が増していますが、デザイン的にはより洗練されました。車格がアップしたかのような威圧感も感じられます。
そして、正面から見るとボディのサイドがより直線的に切り立っていることもわかります。先代はルーフに向かって絞り込まれた乗用車的なシルエットでしたが、新型は直線的でこれによって力強さが増しており、角張ったハードなスタイリングとなっています。それでいて、落ち着いた高級感も増しているように感じられます。
では、見た目の印象通りにボディサイズが拡大したのかというと、実はそうではありません。先代エクストレイルと新型エクストレイルのボディサイズを比較してみると以下になります。
T32型(先代)エクストレイルボディサイズ
全長4,690mm×全幅1,820mm×全高1,730mm ホイールベース:2,705mm
T33型(新型)エクストレイルボディサイズ
全長4,660mm×全幅1,840mm×全高1,720mm ホイールベース:2705mm
数字を比べてみるとこのようにわずかにコンパクトになっています。それなのに大きく見えるのはデザインによってその存在感が大きく増しているからでしょうか。
角張ったデザインとなったことでボディの見切りもよくなり、さらに最小回転半径は先代よりも0.2m小さい5.4mとなったので、狭い場所での扱いやすさも増しています。
新型エクストレイルは全車ハイブリッドの
VCターボe-POWERを採用
(引用:日産公式HP)
新型エクストレイルのパワーユニットは、全車がハイブリッドとなったことが大きなトピックといえるでしょう。先代はエントリーグレードにガソリンエンジンモデルを設定していましたが、新型ではガソリンエンジン車はなくなり、全てがe-POWERになりました。1.5Lターボエンジンで発電し、その電力でモーターを駆動して走行するシリーズハイブリッドです。
先代エクストレイルのハイブリッドは、いわゆるパラレル式で日産独自の「1モーター/2クラッチ方式」でした。エンジンとモーターの間にクラッチを配置して、エンジンとモーター双方の駆動力をクラッチによってコントロールするというもの。一定条件下ではEVのみで(モーター)で走行することも可能でしたが、あくまでモーターはエンジンのサポート役といったものです。
しかし、新型エクストレイルはe-POWER。つまりシリーズ式ハイブリッドです。エンジンで発電をしてモーターを駆動するというもの。エンジンは発電にしか使われません。それも新世代のe-POWERでその名も「VCターボe-POWER」です。
このe-POWER は1.5Lの直列3気筒VCターボターボエンジンで発電をしてモーターで走行するのですが、日産独自のVC(Variable Compression/可変圧縮比技術)が搭載されているというのが大きな話題となっています。
リンクを介してピストンの位置をモーターで連続的に可変させ、走行状況に応じて圧縮比を8~14の間で変化させることができるという極めて高機能なエンジンが使用されています。
例えば巡航などのような負荷の小さい場合には圧縮費を高め燃費を向上させ、加速などで負荷が高い場合は圧縮を下げ、ターボを利かせて瞬間的に発電能力を高めるといったことを行っています。この可変圧縮比技術によって熱効率を高め優れた燃費を実現しているのです。
では先代エクストレイルと新型エクストレイルでどれくらい燃費が違うのか。
T32型(先代)エクストレイルハイブリッドの燃費
2WD WLTCモード燃費: 15.0km/L
4WD WLTCモード燃費: 13.8km/L
T33型(新型)エクストレイルe-POWER燃費
2WD WLTCモード燃費: 19.7km/L
4WD WLTCモード燃費: 18.4km/L
同じハイブリッドどうしですが、2WDも4WDも同じくこのように大幅に燃費が向上していることがわかります。
前後モーターのトルクとブレーキを統合制御
上質な乗り心地と優れた走破性を実現
(引用:日産公式HP)
走破性の高さもエクストレイルの大きな魅力ですが、新型エクストレイルでは4WDのシステムも大きく進化しています。4WDは2モータータイプで前輪と後輪それぞれに駆動用モーターが搭載されるといったもの。
そのパワーも非常に高く、前輪用モーターは最高出力204PS/最大トルク330N・m。これに後輪用の136PS/同195N・mのパワーを持つモーターを組み合わせており、先代に比べると圧倒的にパワフルです。
ちなみに先代エクストレイルのパワーはエンジンの最高出力が147PSで最大トルク:207Nm。ハイブリッドはこれに最高出力41PS、最大トルク160N・mのモーターを組み合わせています。数値を見てもその差が非常に大きいことがわかるでしょう。
さらに新型エクストレイルの4WD「e-4ORCE」は状況に応じて各タイヤのグリップ限界を検出しながら前後モーターのトルクと、ブレーキを統合制御することができます。そのため、悪路でも、ワインディングロードでも、しっかり路面をとらえ思ったとおりに曲がることも可能。なおかつ高級セダンのような上質な快適性を実現してくれるといいます。
先代エクストレイルのALL MODE 4×4システムはいわゆるスタンバイ式(前輪が滑ったときに後輪に駆動力を発生させえる)でしたが、状況に合わせてブレーキ圧やエンジン出力を制御することで優れた走破性を実現していました。しかし、電気によって前後のトルク配分を精密に、なおかつ瞬時にコントロールできる「e-4ORCE」にはかないません。悪路走破性でも間違いなく新型が上でしょう。
このように動力性能でも燃費でも、4WDのシステムでもパフォーマンスに関して新型エクストレイルは、先代を大きく凌駕していることがわかります。
インテリアの高級感はアップしたけれど
室内スペースに関してはほぼ変わらず
(引用:日産公式HP)
インテリアや車内スペースに関してはどうなのか。さすがに8年以上の開きがあるのでインテリアデザインに関しては新型のほうが明らかにモダンで機能的です。モニタースペースはダッシュボードの最上段、一等地に配置されていますし、メーターパネルもすっきりとしたデザインで視認性も高くなっています。
また、ソフトパッドや加飾パネルなどの使い方も、先代エクストレイルは少し古臭さがありましたが、新型はその点もとてもスマート。他にも先代はごちゃごちゃとしたパネルラインが気になりますが、新型はグローブボックスやエアコンの操作パネルなどのラインがすっきり処理され、各ラインもきれいにつながっています。そして、シフトレバー周りの造形もとてもモダン。現代的で高級感も明らかに増しています。
スペースに関してはどうなのか。ボディサイズに関してはわずかに新型が小さくなっていますが居住スペースはどうなっているのでしょう。数値を比べると以下のようになっています。
T32型(先代)エクストレイルの室内寸法
室内長2,005mm×室内幅1,535mm×室内高1,270mm
T33型(新型)エクストレイルの室内寸法
室内長1,980mm×室内幅1,540mm×室内高1,255mm
やはりボディが小さくなっている分、室内寸法に関しても新型が少しだけ狭くなっているようです。しかし、快適性に関しては決して先代に劣っているわけではなく、後席パッケージングを最適化したことに加えて薄型シートを採用し、頭上や膝周りの空間は拡大。さらに、ドア間口を広げて乗降性を向上させていたり、後席スライド機構も先代よりも20mm拡大して260mmを確保するなど後席シートの居住性はむしろ向上しています。
また、上級グレードはシート素材にも日産の独自開発の新素材「TailorFit(テーラーフィット)」を採用して、高級感を高めていますし、タンカラーの本革「ナッパレザー」シートもオプション設定するなど上質な室内空間を実現しています。
ただし一部グレードに設定されている3列シートに関しては、あくまでエマージェンシーレベルであることは、先代同様変わっていないようです。室内長が短くなっているのですから3列目シートスペースが広がっているなどということはありません。
それでも、いざというときに3列目シートがあるのとないのとでは大違いです。新型エクストレイルとなっても、ライバルにはない3列目シートモデルが選べるというのは大きなアドバンテージといえるでしょう。
気になる価格は
どれくらいアップしているのか
(引用:日産公式HP)
では価格に関してはどうなのか。昨今の物価高に部品供給の遅れ、さらに車に求められる先進安全機能のレベルアップなどもありますし、全車ハイブリッド化にもなっているので、仕方がないですがやはり新型エクストレイルの価格は上がっています。新型エクストレイルの標準モデルの価格はこちらです。
●新型エクストレイル価格
319万8,800円(S・2WD)~449万9,000円(G e-4ORCE・4WD)
そして先代エクストレイルの価格がこちらです。
●先代エクストレイル価格
248万2,700円(20S Vセレクション・2WD)~382万2,500円(20Xiハイブリッドレザーエディション・4WD)
比べてみるとエントリーグレードから最上級グレードまでだいたい60万円ほど価格がアップしています。先代エクストレイルには250万円を切るエントリーグレードがありましたが、新型では、最も安いエントリーグレードが319万8,800円と300万円を超えています。
ただ、ハイブリッドのみで比べてみると先代エクストレイルは297万5,500円(20S HYBRID・4WD)~382万2,500円(20Xiハイブリッドレザーエディション・4WD)となるので、エントリーグレードどうしなら、価格差は22万3,300円です。
これなら進化具合を考えた場合かなりお得感が高くなります。なんといってもハイブリッドシステムや4WDシステムは大幅に進化していますし、エクステリアやインテリアの質感も大幅にアップしている。そのことを考慮すれば十分納得できる価格設定ではないでしょうか。
リースナブルなら新型エクストレイルが
月々19,800円~で購入できる!
(引用:日産公式HP)
すべての面で進化した「エクストレイル」。価格に関してはかなりアップしてはいますが、コスパ的には決して悪くはありません。それでも購入は厳しいなというなら買うのではなくカーリースを利用してはいかがでしょう。リースナブルでは新型エクストレイルのお得なリース車両をご用意しています。
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今なら(2022年8月現在)「エクストレイルX」が5年プランの最安コースで月々19,800円(税込)×60回(+ボーナス加算17万8,200円)で、定額プランなら月々49,500円(税込)×60回(ボーナス加算なし)で乗ることが可能です。
さらに3年プランの最安コースでは、月々19,800円(税込)×36回(+ボーナス加算21万1,200円)で、定額プランなら月々55,600円(税込)×36回(ボーナス加算なし)で乗ることが可能です。
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