ハードなエクステリアデザインが大好評のトヨタのミドルサイズSUV、RAV4が2022年10月4日マイナーチェンジを実施しました。話題としてはPHVがRAV4の1グレードとなり最上級のZグレードになったほか、安全機能もグレードアップし、さらに録画可能なデジタルインナーミラーが追加されるなどいろいろあります。

しかし、注目度が一番高いトピックススとしては特別仕様車RAV4 Adventure “OFFROAD package Ⅱ”が新たに設定されたということでしょう。このAdventure “OFFROAD package Ⅱ”では、エクステリアパーツに「GORI GORI BLACK塗装」というユニークなネーミングの仕上げが施されたということも大きな話題となっています。

この“ゴリゴリ”ブラック塗装というインパクト満点の仕上げとはいったいどのようなものなのか。今回のマイナーチェンジポイントと合わせて詳しくチェックしてみました。

ワイルド感を強調して瞬く間に
人気モデルに返り咲いた現行型RAV4

現行型RAV4
(引用:トヨタ公式HP)

トヨタのRAV4は、SUVらしい力強さと洗練されたデザインが特徴の一台です。初代はクロスオーバーSUVというジャンルが確立する前の1994年に登場し大きな注目を集めました。なんといっても、おしゃれで都会的なデザインと、乗用車ベースによる快適な乗り心地に、コンパクトで使い勝手がよく、それでいて本格的なフルタイム4WDによる走破性の高さが受けて一世を風靡しました。

その後モデルチェンジを経て、一時期は日本市場では販売が中断されていましたが、2019年に現行モデルの5代目RAV4が再投入されました。新型RAV4は、それまで以上にオフロードテイストたっぷりのスタイリングや、本格的な走りが再評価され、加えてハイブリッドによる優れた経済性も時代にマッチしたことから再び大ヒットとなり今に至っています。

現行モデルは登場から3年半が経過していますが、マイナーチェンジを幾度か実施し、途中PHVモデルも追加されるなど話題が尽きることがありません。現在、新車を注文しても6か月待ちという状態で、その人気の高さは全く衰えていません。

そんなRAV4が、2022年10月にマイナーチェンジを実施しました。細かな改良(後述)がおこなわれたほか、PHVモデルが、RAV4の1グレードという扱いとなり最上級グレードのZグレードがPHVという扱いに変わったほか、人気の高かった特別仕様車Adventure OFFROAD package Ⅱが進化して“Ⅱ”となったことが大きな話題となっています。ではどんな点が改良されたのか細かく見てみましょう。

マイナーチェンジで安全装備と
コネクテッド機能が大きく進化

RAV4マイナーチェンジ
(引用:トヨタ公式HP)

マイナーチェンジによる改良点としては、まず「Toyota Safety Sense」の機能拡大が行われ、プリクラッシュセーフティが、交差点右折時の対向直進車や右左折時の対向方向から横断してくる歩行者検知対応となりました。

また、コネクティッドナビ対応のディスプレイオーディオが採用(「X」は8インチ、それ以外のグレードは10.5インチ)となっています。このディスプレイオーディオは、T-Connectの有料オプションを追加すれば車載Wi-FiI(使用量無制限)に対応しているうえ、Webサイトの閲覧にも対応

加えてスマホアプリ「My TOYOTA+」を使用すれば、離れた場所からエアコンの操作も可能で、ステアリングヒーターを連動させることもできます。さらにドアロックやハザードランプの消し忘れなどもスマホから確認可能とコネクテッド機能が大きく進化しています。

他には、G“Z package”/Zに標準装備で、Adventure/Gにメーカーオプションとなっているデジタルインナーミラーに録画機能が追加されています。

走行中の前後方カメラ映像をデジタルインナーミラーに挿入されたSDカードへ録画できるので、ドライブレコーダーがわりに使えます。あくまでデジタルインナーミラーであり、レンズも広角ではないですが、ドラレコのように衝撃を受けたときの映像を別フォルダに保存するという機能は備えているので、ドライブレコーダーがわりに十分使えるでしょう。

そのほかには「ナノイーX」が全車に標準装備されたというところでしょう。エンジンやボディパネル、足回りなどに大きな変更はなく、マイナーチェンジというかあくまで一部改良といった内容となっています。

ただ、新たに設定された特別仕様車Adventure “OFFROAD package Ⅱ”は、非常に個性的で、注目に値する一台になっています。

ゴリゴリブラック塗装で迫力がさらに増した
Adventure “OFFROAD package Ⅱ”を新設定

Adventure OFFROAD package Ⅱ
(引用:トヨタ公式HP)

RAV4の新しい特別仕様車Adventure “OFFROAD package Ⅱ”は、従来モデルに設定されていた特別仕様車Adventure OFFROAD Packageのいうなればバージョンアップ仕様です。

従来型RAV4のAdventure OFFROAD Packageは、ライバルのSUVに比べてオフロードのイメージの強いRAV4を、さらにハードイメージに仕立てた非常にユニークな特別仕様車でした。サスペンションに専用のダンパーを装着して車高を10mm アップして最低地上高210mm確保したほか、タイヤにオフロード走行にも対応できるオールテレインタイヤを装着。

装着されるルーフレールも、ルーフラックやルーフボックスなどが装着しやすい機能性にすぐれたブリッジ型ルーフレールを採用していました。

他にもマットブラック塗装の18インチアルミホイールや、グレーメタリック塗装のフロントスキッドプレート、専用のリアマークなどエクステリアもオフロードイメージで統一。そんなワイルドなところが注目され、大人気モデルとなりました。

そんな人気特別仕様車のバージョンアップ版が、Adventure “OFFROAD package Ⅱ”というわけです。

塗料を手仕上げで一つ一つ丁寧に塗り上げ
単なるマット調でない特別な風合いを実現

手仕上げで一つ一つ丁寧に塗り上げ特別な風合いを実現
(引用:トヨタ公式HP)

Adventure “OFFROAD package Ⅱ”の最大の注目点は、そのエクステリアの仕上げです。ドアミラーカバーやスキッドプレート(フロント/リア)、フロントバンパーに、塗料を重ね塗りすることでこすり傷への耐性を持たせたGORI GORI BLACK塗装を採用しています。

GORI GORI BLACK(ゴリゴリブラック)塗装というインパクト満点の仕上げですが、単なるマット塗装ではなく、独特の質感のある手触りや風合いがとても個性的なペイントです。こすり傷への耐性を持たせており、RAV4のワイルドなイメージをさらに高めています。画像では一見無塗装のバンパーにも見えてしまいますが、実際に肉眼で見ると全く違っていて高級感が感じられるものなっています。

このGORI GORI BLACK塗装、なんと手仕事で一つ一つ丁寧に塗り上げているとのこと、そのため凹凸やツヤ感はひとつひとつ異なっていて、オーナーとしてはそういった点にも特別感が感じられるものとなっています。

さらに、このGORI GORI BLACK塗装に合わせて、バックドアガーニッシュにはマット調ブラック塗装を採用し全体を迫力あるエクステリアにまとめています。また、ボディカラーは継続設定となるモノトーンカラー3色に加えて、アディチュードブラックマイカと組み合わせた特別設定の2トーンカラー(メーカーオプション)として、アーバンカーキとグレイッシュブルーが設定されています。

GORI GORI BLACK塗装パーツはオプションでも設定
先代オーナーも同仕様に仕立てられる

GORI GORI BLACK塗装パーツ
(引用:トヨタ公式HP)

ベースモデルでもRAV4は十分にワイルドですが、Adventure “OFFROAD package Ⅱ”はそれを上回る迫力あるオフロードテイストを醸し出しています。先代の特別仕様車Adventure OFFROAD packageよりも間違いなくクールな仕上がりです。実に格好いい。この新型を見てしまうと先代AdventureOFFROAD package購入者としては悔しさを感じるかもしれませんね。

でも安心してください。このGORI GORI BLACK塗装パーツはディーラーオプションでも設定されていまます。つまり、既存のAdventure OFFROAD packageにも後付けが可能ということ。お金さえ払えば同じ仕様に仕立てることも可能なのです。気になるRAV4オーナーは是非ディーラーで確認してみてください。

オプション価格ですが、フロントバンパーセット(GORI GORI BLACK塗装)が14万4,320円で、フロントバンパー&スキッドプレートセット(GORI GORI BLACK塗装)が20万9,836円となっています。ただしパーキングサポートブレーキ(前後方静止物)の無いクルマには装着できませんので注意が必要です。

特別装備のメニューは非常に充実
価格も妥当な設定

特別装備のメニューは非常に充実
(引用:トヨタ公式HP)

Adventure “OFFROAD package Ⅱ”の特別装備をまとめると以下のようになっています。

-エクステリア-

  • ●225/60R18オールテレインタイヤ
  • ●マットブラック調の18インチアルミホイール
  • ●10㎜車高アップのサスペンション
  • ●フロントバンパー(GORI GORI BLACK塗装)
  • ●マット調ブラック塗装バックドアガーニッシュ
  • ●ドアミラーカバー(GORI GORI BLACK塗装)
  • ●スキッドプレート(GORI GORI BLACK塗装)
  • ●ルーフレール(ブリッジ型)
  • ●“OFFROAD package” 専用リヤマーク

-インテリア-

  • ●合成皮革シート表皮(パーフォレーション付)
  • ●“OFFROAD package” 専用マーク(レーザー刻印)
  • ●レッドステッチ
  • ●“OFFROAD package”専用配色
     [レッド+ブラック]フロントカップホルダー、センターオープントレイ
     [ブラック]運転席オープントレイ、助手席オープントレイ

ベース車両のAdventureグレードと比べても変更された装備はかなりのボリュームです。この仕様で価格はいくらなのかというと、ガソリン仕様が388万4,000(税込)で、ハイブリッドが450万3,000円です。駆動方式はどちらも4WDのみとなっています。このワイルドさでさすがに2WDは似合わないので当然ですね。

ちなみにベースとなっているAdventureグレードはガソリンエンジンモデルが368万4,000円でハイブリッドモデルが430万3,000円です。比べると価格差は20万円ほど。装備されたパーツ類を考えると、これはかなりお得感があります。価格こそ決して安くはありませんがお買い得であることは間違いないでしょう。

気になる燃費はガソリンエンジンのWLTCモード燃費が15.2㎞/Lで、ハイブリッドのWLTCモード燃費が20.3㎞/Lとなっています。どちらもこのクラスとしては非常に優秀です。ボディサイズも全長4,610㎜×全幅1,865㎜×全高1,753㎜と決して小さくありませんから、それでこの燃費なら十分でしょう。

RAV4の個性さらにワイルドに演出した
魅力満点のAdventure OFFROAD packageⅡ

魅力満点のAdventure OFFROAD packageⅡ
(引用:トヨタ公式HP)

RAV4の新しい特別仕様車Adventure“OFFROAD packageⅡは先代モデル以上にワイルドかつクールで、実に魅力満点の一台となっています。また、サスペンションなども本気のオフロード仕様となっているのも注目点ですね。

これだけのドレスアップを後付けパーツで実現するのはかなり難しいですし、なんといってもGORI GORI BLACK塗装のパーツ類の独特な風合いは他では手に入りません。画像ではその質感や風合いがちょっとわかりにくいので、気になる方は是非ディーラーで確認してみてください。

Adventure “OFFROAD package Ⅱ”はレアな特別仕様車ですので、将来的にリセールバリューも期待できます。新車でのRAV4の購入やリース車両の導入を検討されている方には、おすすめできる一台といえるでしょう。ただし、すでに争奪戦になっているようなので、欲しい方が早めに行動に移した方が良いでしょう。