ワンちゃんや猫ちゃんなどのペットは大切な家族の一員です。旅行やアウトドアレジャーに出かける際にも、家族なのだから一緒に連れて行くのが当然!そういう人は少なくありません。ペットと出かけるのに便利な移動手段といえばそれはやっぱりクルマですね。公共交通機関でも正規の手続きを踏めばペッとともに移動することはできますが、制約が多く不安ですよね。その点クルマなら家族そろって一緒の空間にいることができるから安心です。

ただ気になるのは大切なペットをカーリースの車両の乗せていいのかということ。また乗せるとしてもどのようなことに注意すればいいのでしょうか。そこで、カーリース車両にペットを乗せていいのか?また、ペットを同乗させる際に注意すべきポイントはどんなことかなど調べてみました。

ペットの同乗の可否は
リース会社によって変わる

家にペットがいるからどうしても長期の旅行ができない!そのように考えいる方もいますが、いっそペットを一緒に旅行に連れて行けばそのような心配はありません。クルマを所有しているのであれば、公共交通機関を使わずに移動もできますし、大切な家族と一緒に旅行が楽しめれば旅の喜びは何倍にも増すでしょう。

ただ、気になるのは使用されているそのクルマがカーリース車両であった場合です。カーリース車両は基本的にはリース会社のもの。リース契約者はリース期間中そのクルマを借りて利用しています。つまり、自分のクルマでないのにペットを乗せてしまってもいいのかということですね。

家族の一員をクルマに乗せるのに何の問題があるのか?ペットを飼っている人にしてみればそう思うかもしれません。でも、みんなが動物好きというわけではありません。動物がどうしても苦手という人だっています。また、苦手なだけでなくアレルギーを持っている方にとっては動物の痕跡が残っているだけでも重大な問題になることだってあるのです。

それにペットを乗せたことで車内にキズが残ったり、臭いなどがこびりついてしまった場合にはリース満了後に違約金が請求されることになるでしょう。臭いなどは、飼い主は気が付きにくいものですが、動物を苦手にしている人にしてみれば悪臭でしかありません。それにいったんこびりついた動物の臭いは取り除くに手間がかかります。それらをクリーニング&現状回復する費用となれば、結構な違約金請求される覚悟が必要です。

リース車両はリース契約満了後リース会社に返却されますが、返却されたクルマはどうなるのか知っていますか。リース車両は丁寧に乗られていた車両も多い(原状回復して返却するのが基本のため)ですから状態の良い中古車として中古車市場で販売されることになるのです。中古車検索サイトや中古車情報誌などで見たことはないでしょうか。リースアップ車と書かれている車両を。それがリース終了後に返却され、中古車市場で販売されているクルマなのです。

そのように中古車として販売されるケースを考えても、ペットをクルマに乗せるということは、リスクであり、あとあと問題になる可能性も十分に考えられるわけです。

では、実際のところリース会社はペット同乗をどう考えているのか。調べてみました。するとリース会社ごとにそれぞれ判断が分かれているようですが、多くの場合ペットの同乗を認めてはいるようです。ただし、それなりの制約は当然あります。それは次のようなことです。

多くの場合同乗はOK
しかし制約も設けられている

ペットを同乗させる際の制約とはごく当たり前のことです。まずは同乗させる際には、必ずケージやクレート(持ち運び可能な犬小屋のようなもの)に入れて車内で自由に動き回らせないようにすること。ペットを車内で自由にさせておくと、内装やシート、ガラス窓などを爪で引っかいてキズを付けてしまう可能性があります。カーリース車両は特にキズには気を付けなくてはいけませんから注意が必要なのです。

もし大型犬でケージやクレートに入れる事が出来ないという場合は、安全な同乗ができないので、ペットを乗せることはできません。どうしても乗せたい場合は室内用のケージサークルをトランクスペースや後部座席に設置することで犬を乗せることが可能ですが、くれぐれもペットが運転席に乗り込まないように柵などを設けるなど気を付けなくてはいけません。

ちなみに大型犬を同乗させた場合、乗員人数としてカウントされたりしないのか?例えば5人乗りのミニバンのトランクスペースに大型犬を乗せた場合、6人乗車となり違反のならないのか?以外に知りませんようね。答えは大丈夫。クルマの乗車定員というのは、人間が座るために設けられた座席の数その自動車に乗車できる人数のこと。しかし、犬などのペットは人間ではありません。つまりは乗車人数には含まれず、荷物としてみなされます。愛犬を荷物だなんて失礼な!なんて飼い主としては納得できないかもしれませんが、法律上は荷物ですから、そのクルマの最大積載量を超えない限り乗せても問題ありません

ペットを自由に動き回らせると
交通事故の危険が

とにかく大型犬に限らずペットが車内を自由に動ける状態にしていると、あやまってドライバーの足元に入り込んだりしてしまうこともあり得ます。もしそのようなことになればブレーキ操作ができなくなり、クルマの安全運転を阻害して重大な事故につながることもあるでしょう。

たまに見かけますが助手席の同乗者がペットを抱いたままでクルマを走らせるなんて言語道断です。最低限の安全確保のためカーリースでも自分が所有するクルマでも絶対にそのようなことはやめてください。

それにペットが窓から顔を出し車外に落ちる可能性だってあります。また、ドアを開けた瞬間に車外にとび出して事故にあってしまうなどのケースもあるかもしれません。ケージやクレートに必ず入れるようにしてまたクレートやケージは車内にしっかり固定しておきましょう。ペットを飼うものとして最低限の常識ですのでこれは言うまでもありませんね。

次に、ペットを同乗させた後は、必ずシートやトランクなどをしっかりと掃除するということです。ペット好きには気にならないかもしれませんが、動物が苦手な人にとってわずかでも痕跡が残っているとそれはとても気になります。動物アレルギーの方であればペットの毛がわずかでも残っているとアレルギー反応が出てしまうこともあるのです。さらに臭いが残っていますから消臭スプレーを使って匂いを消すということも重要です。いわばそのクルマを次に利用するかもしれない人のために最低限の配慮を必ず行うということですね。制約というよりも常識といってもいいかもしれません。

こういったことをキチンと守っていれば、リース契約後に清掃料金などの違約金などが請求されないということになっています。ただし、同乗を認めていても、別途追加料金を払わなくてはいけないというリース会社もあるようです。

これは毎月のカーリース料金に加えてペット同乗料金が設定されているというケースです。その分費用はかかりますが、ペット同乗後の掃除や消臭スプレーの使用などの作業がいらないので手間はかかりません。ただし、ケージやクレートにペットを入れず、車内に傷などをつけてしまえば、その分のペナルティがあるのは言うまでもありません。

ペットを同乗させたことで
違約金が発生することも

ペットを飼われていて、リース車両にそのペットを乗せる可能性があるという場合は、リースを契約する前にペットを同乗させてもいいか、別途料金などが必要になるのかなどをしっかりと確かめておいた方がいいでしょう。おそらく多くのリース会社では、前述したような注意点を守っていればペットの同乗に対して制約を設けていないはずです。

それでも、気性の荒いペットなどを買われている場合、注意していても車内にキズを付けてしまう可能性があるというなら、いっそリース契約満了後、クルマを返却せずに済むカーリースを使用するという選択もあります。

これならそのリース車両は最終的に自分の物になりますので原状回復して清算すること自体がありません。つまりはそのクルマを購入したのと同様に自由に扱うことができるわけです。キズがついてもペットの臭いがとれなくても本人が気にしないのであれば問題ありませんね。ペットを乗せる機会がそれほど頻繁でない場合は、同乗の際に細心の注意を払えば、他のカーリースでもおそらく問題ありませんが、大型犬などを同乗させる可能性があるならば、そういったカーリース会社の利用を検討してみるのがいいかもしれませんね。

ペットを同乗させる場合の
その他の注意点

最後のクルマにペットを乗せる際に、その他の注意するポイントをご紹介します。まず、ペットを乗せてドライブに行った先で、クルマから離れるという場合には、ワンちゃんだけを車内に残さすのは極力避けてください

どうしても車内に残さなければいけないという時は、車内にキーは絶対に残さないようにします。そしてドアのロックも確実に行いましょう。なぜならばワンちゃんだけを残し、キー残したままにすると何かの拍子にドアロックがかかってしまうことがあるからです。旅先でそのようなことが起きれば台無しです。海外のケースでは、車内に残したワンちゃんが誤ってシフトレバーに触れてしまいクルマが走り出して事故を起こしてしまったなどの例もあります。怖いですね。

また、小さなお子さんなどの事故でもありますが、気温のさほど高くない春あっても日差しによって車内の温度は高温になりますわずかな時間でもワンちゃんが熱中症や脱水症状を起こしてしまう危険性があります。そのような状態でキーのとじ込みなどが起こったら最悪です。絶対に避けましょう。

ペットも車酔いをする
ということを覚えておこう

もう一つ注意が必要なのは、ワンちゃんも人間と同様に車酔いをするということです。個体差はありますがクルマに慣れていない状態で、いきなりロングドライブに連れて行くと乗り物酔いをしてしまう可能性が高いです。同乗させてのロングドライブを計画しているなら、まず事前にワンちゃんをクルマに乗せ、近場の外出などで様子をみてみるべきでしょう。ワンちゃんのクルマ酔いの症状は人間と同じです。あくびが出て、そわそわする。また震えたり普段よりもよだれが出る場合は酔っている可能性が高いです。

また、ひどくなれば吐くこともあります。そのような症状がみられるようなら注意が必要です。ロングドライブ前に何度も同乗を繰り返して、徐々にクルマに慣らしていくという方法もありますが、初めての同乗でロングドライブというのはできれば避けたほうが賢明です。

ワンちゃんの酔いを防ぐにはケージやクレート、キャリーに入れてシートベルトでそれらをしっかりと固定して、できるだけ揺れを抑えるというのが有効です。また、嗅覚の鋭いワンちゃんはたばこや芳香剤などといったにおいによって酔うこともあるので車内をできるだけにおいのない環境にしてあげるようにします。

さらに運転もより慎重に行いましょう。いわゆる急のつく急加速、急発進キューブレーキ、急ハンドルは行わずに出来る限りスムーズに、一定の速度で走行することが重要です。そして、こまめに休憩を取り、外の空気を吸わせリフレッシュする。人間が酔わないようにするのと一緒ですね。

また、トイレのことにも気を使いましょう。最近は高速道路のSAやPAにドッグランなどが併設されていることも多いので、そういった施設を利用するというのもおススメです。

せっかく家族一緒にドライブに出かけるのであれば、事前に準備をして、運転中も極力ワンちゃんにストレスをかけないよう気を配るべきです。一度嫌な思いをすれば、それがトラウマになり二度とクルマに乗ってくれなくなるかも。できるだけストレスをかけず旅の良い思い出を作ってあげれば、次からはきっと、喜んでクルマに乗ってくれるようになるはずです。