クルマの新しい乗り方として注目を浴びているカーリース。新車を購入するのではなく、リース契約をして必要な期間自由に利用するというもので、いわばクルマのサブスク。これなら頭金0円で新車に乗ることができ、月々定額のリース料を支払うだけなので気軽に利用することができます。

しかし、クルマのサブスクであるカーリースの場合、他の映像配信や音楽配信とは違って申し込みの際に審査が必要です。そしてその審査に通らないといくら十分な収入を得ていても契約することはできないのです。では、カーリースの審査の仕組みとはどうなっているのでしょう。また申し込んだのにカーリースの審査が通らなかったという場合どのようの原因があるのか?それでもカーリースの契約をする方法はあるのか調べてみました。

カーリースの納車までの
プロセスとは

カーリース会社によって細かなプロセスは違いますがカーリースの場合、申込みから納車まではいくつかのステップを踏むことになります。そして、そのステップはだいたいこのようになっています。

①クルマ選びと見積もり

②電話、公式サイトなどから申し込み

③審査

~審査通過~

④契約書類への記入捺印

⑤契約

⑥庫証明取得・クルマの登録

⑦納車

まずはほとんどのカーリース会社では公式サイト上からお試し見積りなどが可能なので納得のゆくまで試してみるといいでしょう。複数のクルマで比較することもできますし、他のリース会社と同じクルマで比較してもいいでしょう。このお試し見積りでクルマを選び、リース会社が決定したら、そのままサイト上で審査に必要な情報を入力して申込みすることも可能です。

しかし、それですぐに契約に進めるわけではありません。申し込みはカーリース契約の申込みだけでなく審査申し込みも兼ねているので、契約に問題がないかここからは審査が行われることになります。

審査に通り、契約が終了したら
車庫証明など必要な手続きを行う

無事審査を通過して契約に問題がないとなったら晴れて契約を結ぶことになります。リース会社から必要な書類が送られてくるのでそれに記入捺印し、返送します。契約が完了したらそれで終わりではありません。クルマの登録には車庫証明が必要(軽自動車の場合必要のない地域もあり)なのでその準備も必要です。カーリースではそのクルマの所有者はカーリース会社ですが、使用者欄はカーリース契約者となるので、名義登録が必要だからです。そのためには車庫証明が必要なのです。車庫証明はリース会社に代行を依頼することもできますが、自分で取得することもできます。以外に簡単ですし、費用を節約できるので自分で取得することをおすすめします。

車庫証明を取り、無事クルマの登録が済めば晴れて納車となります。あとはリース期間自由にそのクルマを使用することができます。カーリースはレンタカーやカーシェアリングではないので、マイカー同様契約期間中は自分のクルマとして扱うことができるのです。

契約が滞りなく進めば申し込みから契約、納車まででだいたい1カ月から2カ月くらいかかります。時間がかかるな、と思うかもしれませんが、普通に新車を購入してもおなじくらい時間はかかるのでさほど大きな差はないと言っていいでしょう。ただし、それはすべてがスムーズにいった場合です。残念ながら誰もが必ずしもスムーズに契約まで進めるとは限りません。

カーリースの審査では
どのようなチェックがされるのか

まず、カーリースの契約には必ず審査が行われます。これはどのリース会社でも同じです。審査の基準は、カーリース会社によって違いますがこの審査に通らないとカーリース契約をすることはできません。審査にはだいたい2~7日前後かかるようです。このカーリースの審査は他のローンなどの審査と比較しても比較的甘めな場合が多いとされていますが、もちろんキチンとチェックされます。カーリースの審査は、年収や勤務状況など様々な条件をもとに行われていますが、その内容はだいたい以下のようなものです。

①年収

②債務履歴

③仕事内容

④住居

①の年収はそのままです。カーリースを契約しようとする人の年収が十分なものかどうかが確かめられます。一概に言えませんが新車カーリースを契約する場合、最低でも年収200万円は必要といわれています。年収が200万円を切っているような方はリース料金の支払い能力が低い、と判断されてカーリース審査には通りにくくなってしまいます。では絶対に無理なのかというとそうとも限りません。すべてのケースに当てはまるわけではありませんが年収200万円以下でも連帯保証人を立てることで契約できることもあるようです。年収が200万円以下だからカーリースは利用できないと諦める必要はありません。年収200万円はあくまでひとつの基準です。

②過去に自己破産や任意整理などを行ったことがある場合、信用情報機関にその情報が登録されており借り入れなどができなくなります。そのように過去の事故情報の登録がある場合、カーリースの審査に影響するケースがあります。すでにクレジットカードの審査に何度も落ちてしまったり、返済滞納の経験がある方の場合、カーリース審査にも落ちる可能性が高いと考えていいでしょう。

③はどのようなことを仕事にしているかではなく、安定した収入があるか否かということです。たとえ年収が200万円以上あっても、個人事業主やパートやアルバイトの方の場合、安定した収入がないということから審査に通りにくくなってしまうようです。もちろんこれもすべてのケースに当てはまるわけではありませんが、その可能性が高いと考えておくべきでしょう。

さらに、個人事業主の場合、申込み時の経済状況が判断基準となるケースもあるので、赤字経営であればなおさら審査に通る可能性が低くなります。税金対策のために、所得をわざと低く抑えている場合は注意が必要です。やはりローンなどと一緒でやはり安定した収入のある公務員の方や企業勤め正社員の方のほうがおのずとカーリースの審査も通りやすくなるというのは当然ですね。

④住まいが持ち家か賃貸なのかもカーリースの審査の対象になります。家賃の支払いや、ローンの支払い金額に無理がないか、過去に支払いに滞りがなかったかなども大きなポイントとなります。

このように厳密な審査がある理由は、カーリースというものが、カーリース会社が購入したクルマを、契約期間を設定して利用者に貸し出すという仕組みになっているためです。カーリース契約者はそのクルマを利用する代わりに、毎月リース料金を払います。しかし、もしカーリース会社がクルマを提供したのに、利用者がリース代金を払うことができなくなったらどうなるか、カーリース会社は大きな負債を抱えることになります。そのような人ばかりならカーリースというビジネスモデル自体が破綻してしまいますよね。

だから、そのような事態を避けるためにカーリース会社は契約を結ぶ前に審査を行い、その人がリース代を継続的に払うことができるのか、リスクがないかどうかを判断しているのです。

カーリースの審査に落ちてしまったら
もうカーリースは利用できない?

カーリースの申し込みをし、審査となったが残念ながらその審査に通らなかったという場合、もうカーリースを利用することはできないのでしょうか? そのリース会社ではだめでも、別のカーリース会社にあらためて申し込むことで審査に通る可能性はあります

カーリース会社の中には信販会社を通さずに自社で審査を行っている会社もありますがそういった会社の場合、信販会社を使う大手カーリース会社に比べると審査基準が多少甘めです。そのため、過去に大手カーリース会社の審査に落ちていても審査に通る可能性はあります。ただし、希望通りの条件でリースが可能となるかわかりませんし、金利などが高いことなどもあります。そういった細かなことにも注目して申し込む必要があるでしょう。

そもそも、比較的甘めといわれるカーリースの審査に落ちたということは、間違いなくあなたに原因があるということです。まずは、審査に影響したと思われることを解消するほうが確実です。むしろ原因となることを何も解消せずにそのまま他のカーリース会社に再申請を行っても、審査に通るという可能性はあまり期待できないといっていいでしょう。まずはできる限り不利な条件を解消します。

リース会社にとってはリース契約者がリース期間中にリース料金を滞り払うことができるかどうかが一番重要なこと。税金やクレジットカードなど支払うべきものに関して未払いがあるという場合は厳しいといわざる得ません。まずはそういったものをキチンと支払います。

自己破産していても
10年経過していたら大丈夫?

また、自己破産から10年経過していなかったり、カードローンなどの借入れがあるというのも不利に働きます。さらに、会社に勤めていても勤続年数が1年未満というのも審査には不利でしょう。こういったポイントをクリアしたうえで再度カーリースに申し込みを行うのが確実です。

ただし、不安要素を取り除いても過去の申し込みからあまり間を空けずに申し込んでも、審査を通過する可能性はあまり高くありません。ある程度時間をおいてからあらためて申請するのがおすすめです。自己破産やブラックリストの債務整理履歴は永久に残るわけでなはなく一定期間保持されたあと記録は消滅しますが、自己破産なら5年から10年、滞納や延滞は1年から5年間が目安なので、いずれかの期間過ぎれば記録は消滅し、信用は回復されたとして審査を通過できる可能性が高まります

また、しっかりした保証人がたてられるとか、担保となる不動産があるなど、審査にプラスとなる要素があればカーリースの審査に通る可能性はあります。そういった審査に有利となることがあるなら、カーリース会社に相談してみてもいいでしょう。

頭金を払う、クルマの変更など
審査の基準を下げるという方法も

他にも審査を通過しやすくなることとしては頭金を払うというのもあります。頭金をある程度支払い、月々のリース料金を下げることで審査の基準が下がるので、収入面がネックで審査が通らなかった可能性がある場合は有利に働くはずです。ただしリース契約時の出費が増えてしまうので頭金ゼロで利用できる!といったカーリースの利点消えてしまいます。また、収入面に不安があるのにまとまったお金を用意しなければならないというもネックでしょう。

また、希望したクルマを車両価格の安い別のクルマに変えるというのも有利に働く可能性があります。カーリースの料金は本体価格がベースになっているので車種を変更したり、安いグレードに変えるなどするとリース料金も下がるので、おのずと審査の基準も下がることになると考えられます。車種にさほどこだわりがないのであれば、リース料金の安い車種にすることで、審査に通りやすくなる可能性があります。別の車種に変更し、再度申し込んでみるというのも一つの手です。やってみる価値はあるでしょう。

カーリースの審査は比較的通りやすい
気負わずに試してみるべし

カーリースに申し込んでも審査によっては契約できないというケースもあるということをご紹介しましたが、カーリースは審査が厳しいものなのか、と思われるのは誤解です。むしろマイカーローンの審査ほどハードルの高くなく審査は通りやすい部類といっていいでしょう。

ローンなどと違って仮審査なども必要ないことがほとんどなので安定した収入があって、過去に自己破産していたり返済を滞納してブラックリストに乗った(実際にブラックリストがあるわけではありませんが)というようなことがなければおそらく問題はありません。ほとんどの方がスムーズに審査をクリアすることができるはずです。

カーリースはなんといっても頭金ゼロから申し込め、月々定額を支払うだけで税金や保険、車検などの手続きも必要ありません。さらに気軽にネットで見積りや申し込みが行え、審査もマイカーローンほど厳しくはないのですから、マイカーを購入するのは厳しいけれど、クルマは必要という方なら利用しない手はありません。

見積もりなどならネットから簡単に行えるので、気になる方はまずほしいクルマの見積を試してみてください。何度繰り返してもカーリース会社から連絡が来るようなこともないので安心です。そしていろいろ試し、自分の条件にあうプランや車両が見つかったならその時こそカーリースの利用を本気で検討してみてはいかがでしょうか。