小さいながらも本格的なSUVスタイルを持ち、走りもよくて経済性も抜群のトヨタのコンパクトSUVライズ。そんなライズの特徴の一つがコンパクトながら優れた積載性を持っていることです。しかし、さすがに絶対的なサイズの限界があってキャンプなどでは足りなくなることもあります。
そんなとき便利なものがあります。それはこれがあるだけで積載能力も一気にアップするというライズの純正ディーラーオプションアイテム。今回はライズオーナーに是非おすすめしたいその純正オプションをご紹介します。どんなメリットがあって、装着するにはどうすればいいのか、また費用はいくらかかるのかなどについて解説しましょう。
目次
2020年に年間販売台数2位!
バカ売れのコンパクトSUV「ライズ」
(引用:トヨタ公式HP)
2020年の年間販売台数ランキング第2位! この小さなSUVのここまでの大ヒットをいったい誰が予想できたでしょうか。おそらくトヨタ自身もそこまで期待していなかったはずです。
そのクルマとはトヨタ「ライズ」。リッタークラスのコンパクトカーながらそのデザインはワイルドさのある立派なSUVで小さいながらも室内は広く、荷室も十分。さらに値段もリーズナブルな上に燃費も優れていて経済性だって抜群。
あらためてその特徴を並べると、なるほどヒットするはずです。おそらくミニバンやコンパクトカーにそろそろ飽きたというドライバーが増え、そこに手ごろで魅力的なミニSUVのライズが登場したことで注目度が上がったのでしょう。とはいえ実力があるからこその大ヒットです。
ただトヨタとしては自社開発ではないダイハツロッキーのOEM車がここまで売れてしまうのには複雑なものがあるでしょう。
ライズはいかにもアウトドアに出かけたくなるようなワイルドなスタイルが魅力の一つですが、ミニバンやコンパクトカーから乗り換えたというオーナーは、せっかくのSUVなのだから家族でアウトドアに出かけるために使いたい、と考える方も少なくないはずです。
特に、今は新型コロナの影響もあって家族で人込みの中に出かけるというのははばかられます。そこでキャンプです。人込みのないキャンプ場に家族で出かけてアウトドアを楽しむ。そんな過ごし方がブームとなっています。
そしてライズはそんなキャンプ場にでかけるのにピッタリ。乗用車ベースといえども4WDが設定されていますし、最低地上高もキャンプ場までの軽いオフロードなら問題なし。それに狭い山道を走るにもそのコンパクトなボディはぴったりなのです。
サイズのわりに積載性能は優秀
しかし絶対的な容量は物足りない?
(引用:トヨタ公式HP)
ただ、ライズには一点だけネックがあります。それは積載性。全長4mを切るコンパクトなボディで360Lもの容量が確保されているので普段使いなら十分ですが、絶対的な広さというともちろん限界があるのです。車体が小さいのだから当然ですが特に奥行きに余裕がない。リアシートを生かした状態では奥行き755㎜。長さのあるアウトドア用のギアを積むとなると余裕はありません。
特にテントやタープなどは積むのにちょっと苦労するのが目に見えています。家族4人ともなればそのほかにも荷物がたくさんあるでしょう。すべてを積み込むのはちょっと難しいかもしれません。
じゃあ、道具類は現地でレンタルすればいいのか。でも、必ずしも希望のものが借りられるとは限りませんし、お気に入りのテントやタープ、テーブルやチェアなどがあればやっぱりそれを使いたいですよね。ではどうすればいいのか? 解決方法は積載能力をアップさせればいいのです。そのためのアイテムがライズの純正オプションとして用意されています。それがルーフボックスです。
ではどれくらいの積載能力がアップするのか、また使い勝手はどうなのか? 気になるので調べてみました。
積載能力を簡単に向上させる
純正オプションのルーフボックス
(引用:トヨタ公式HP)
まずどんなルーフボックスなのか。オプションカタログを確認すると名前は単なるルーフボックス。そのまんまですね。大きさは長さ1,825㎜×幅820㎜×高さ340㎜とライズのルーフに取り付けてもちょうど良いくらいのコンパクトサイズ。
そして、よくよく調べてみるとこちらカー用品の大手メーカーであるカーメイトが展開するルーフラックやルーフボックスのブランドINNO(イノー)製のイノー・ルーフボックス33(BRQ33)とほぼ同じものであることが分かります。デザインやサイズが一緒ですし、そもそもボックスにINNOのロゴが入っています。
肝心の容量についてはライズのオプションカタログには記載がないのですがINNO のサイトで確認したら300Lとなっていました。ライズのトランクの容量が360Lですから、それと比較するとその容量の大きさが何となく想像できるでしょう。かなりの大容量です。このルーフボックスを取り付ければ360L+300Lであの小さなライズに660Lもの積載スペースが得られるわけです。これはすごい。
ただし、注意点があります。それはライズのオプションカタログを見ると許容積載荷重が15kgとなっていること。つまり15kg以上の荷物は載せてはいけない。まあ、あまり重い荷物を乗せると、出し入れが大変ですしクルマのバランスも悪くなるうえルーフへの負担も大きくなるのですから制限があるのは仕方がないでしょう。
ただ、このルーフボックスの元であるイノー・ルーフボックス33の最大積載量は50kg。随分の差があります。おそらくですが、安全性やルーフの強度からトヨタ基準でこの重量が決められているのでしょう。
そのためあまり重い荷物を積むことはできません。しかし、テントやタープ、寝袋といった、嵩張るけれど重量はさほど重くないという荷物なら余裕で積み込めます。なんといっても内寸長が1,680㎜もあるのでライズのトランクには入らない長物も余裕で収納可能。ほかにもキャンプ用のテーブルやチェアなどを収納するのにはピッタリですね。
またライズではスペース的にちょっと厳しい(実践されている方もいます)ですが、車中泊の際に車内の荷物を避難させる場所として利用するのもいいかもしれません。
装着にはルーフボックスのほかに
別途ルーフラックも必要
(引用:トヨタ公式HP)
さて気になるオプション価格ですがいくらなのか。まずルーフボックスの純正オプション価格ですが4万8,400円となっています。といってもボックスだけで装着できるわけではなく、システムラック・ベースラック(ルーフオンタイプ)が別途必要となります。こちらが3万9,600円で、合計すると8万8,000円。この他に取り付け工賃も必要です。
ちなみにこの純正ルーフボックスの元であろうINNOのBRQ33の希望小売価格は5万9,400円なので、細かな仕様に違いがあるとしても、純正オプションでの装着、結構お得ではないでしょうか。キャンプやアウトドアレジャー好きであれば、ルーフボックスを装着することで得られる積載能力のアップを考えるとかなり魅力的なはずです。
ライズは魅力的だけどその積載能力に不安があるという方は、是非このオプションのルーフボックスの装着検討してみてはいかがでしょう。こちらはディーラーオプションなので、クルマの納車後の装着も可能です。納車後の取り付けの場合、カーリース車なら実費となってしまいますが、純正ならではの安心感は抜群ですし、カーリースではNGの改造扱いにもならない(トヨタの純正オプションなので)はずです。
ルーフボックスを装着した際の
高さには要注意
最後に一つ注意点を。それは全高への影響です。ライズはSUVですのでコンパクトサイズといえどもその全高は1,620㎜あります。それにこのルーフボックスを装着すると、トータルでその高さは2m近くになってしまいます。
立体駐車場や地下駐車場などによっては、ルーフボックスを取り付けたら停められなくなってしまった、などということもあり得ますので、取り付ける前に自分のクルマの駐車場所が対応できるか確認しておいた方がベターです。
駐車も問題ない、また予算もクリアできるというのなら、是非装着を検討してみてください。ライズのSUVとしての可能性をきっとさらに広げてくれるはずです。