販売台数ランキングで2021年1月は4位、続く2月も5位。このクルマ何かというとトヨタの新型ハリアーです。トヨタブランドのSUVは軒並み人気ですがそのけん引役ともいうべきクルマがこのハリアーかもしれません。
ハリアーはトヨタのクロスオーバーSUVの中でも最上級クラスに位置する(クロカン4WDのランクルは別のくくりです)クルマです。そのためスペックも高く最新テクノロジーも満載。そういった点もハリアーファンにとっては大きな魅力なのでしょう。
そんなハイテク機能満載のハリアーの装備の中でも意外に知られていない、今まであるようでなかったアイテムがあるのをご存じでしょうか? それが「録画機能付きデジタルインナーミラー」です。トヨタとしては新型ハリアーが初の搭載となる人気の機能。簡単に言ってしまうとデジタルルームミラーにドラレコ機能を合体してしまったというものですが、さてどういったものなのか詳細に見てみましょう。
目次
ハリアーの魅力は高級感満点の
スタイリングと充実の装備
(引用:トヨタ公式HP)
フルモデルチェンジ直後から、予想を超える爆発的な大ヒットを記録しているトヨタのハリアー。エントリーグレードでも約300万円。上級グレードなら500万円オーバーという高級クロスオーバーSUVがコンスタントに月1万台近く売れているのは本当に驚きです。
それとも、新しいクルマの利用方法、カーリースを利用するドライバーが増えているのでしょうか。カーリースなら高価なハリアーにもお得に乗ることができます。人気車ハリアーならリース終了後の設定残価も高く設定されるので月々のリース料金の負担も軽い。そんなカーリースのお得な仕組みをご存じの方がハリアーを選んでいるのかもしれません。
ハリアーがこれだけ人気なのはやはりデザインが魅力的だからでしょう。先代のイメージを踏襲しながら、新型では、より高級かつスポーティなイメージでまとめています。
エクステリアデザインだけでなくもちろんインテリアもハイクオリティ。包まれ感のある高級サルーンのような空間に、レザーやクロームメッキで加飾されたダッシュボード組み合わせが非常に美しい。そしてそのセンターには液晶ディスプレイを配していて画面サイズも8インチor12.3インチという大画面です。
さらにセンターコンソールはまるで馬の鞍のようなボリューミーで贅沢なデザインを採用。小物収納スペースを沢山設けるという実用車にありがちな使い方ではなく、広々とした車内スペースの余裕を生かしたこの無駄ともいえる演出はさすが高級SUVといえるでしょう。
トヨタ車としてハリアーが初装備
録画機能付きデジタルインナーミラー
(引用:トヨタ公式HP)
ハイテク装備なども満載です。予防安全機能トヨタセーフティセンスはいうまでもなく全グレードに標準装備。内容もかなり充実していて全車速追従機能付のレーダークルーズコントロールや、高速道路のクルージングをサポートしてくれるレーントレーシングアシスト機能も標準です。これが実にハイテクで、単眼カメラで道路上の白線や黄線を認識してクルマが車線中央を走行するようステアリング操作の一部をサポートまでしてくれる。加えて渋滞していて白線などが見えにくい場合でも先行車を追従してステアリング操作を支援してくれというものです。
ほかにもSグレードを除いて、配光範囲を細かく制御して先行車や対向車が眩しくならないよう光の当たる部分だけを自動的に遮光してくれるアダプティブハイビームアシスト(Sのみオートマチックハイビーム)も標準搭載されています。ほかにもロードサインアシスト機能やブラインドスポットモニターといった機能なども装備されるなど非常に充実した内容となっています。
そんな中でも筆者的にこれは面白い!と気になったのがデジタルインナーミラーです。エントリーグレードのS以外に標準装備(Sグレードもメーカーオプションで8万8,000円の追加で搭載可能)されているもので、こちらもかなりハイテク。
「ルームミラーに後方の映像を映し出すデジタルインナーミラーなんて今どき大衆車にだって装備されているでしょう?」などと思われるかもしれませんが、新型ハリアーの場合は単にミラー上にカメラで写した後方の映像を表示するというだけのものではないのです。なんと、そこに前後方向の映像を常時記録してくれる録画機能も搭載してしまったのです。
要するにルームミラーにドラレコ機能を一体化してしまったというわけですね。確かにデジタルインナーミラーはデジタル映像をミラーに表示してくれるものですからその映像を録画すればそれは後方用のドラレコそのもの。さらに前方用のカメラを合体させて常時録画にすれば、前後方向を記録するドラレコになる。もちろんデジタルインナーミラーとしての機能もある。
見た目もスマートで機能的にも合理的ですよね。むしろ今までそのようになっていなかった方が不思議です。ではその新型ハリアーの気になるデジタルインナーミラーついて詳しくチェックしてみましょう。
専用のカメラを使用して
クルマ前後の映像をミラー内に記録
(引用:トヨタ公式HP)
新型ハリアーに搭載されたこのドラレコ付きのルームミラーのカタログ上の正しい名称は「デジタルインナーミラー(前後方録画機能付)」です。そのまんまですね。トヨタとしては新型ハリアーが初搭載となった装備です。
見た目は従来のデジタルインナーミラーと変わらず、レバーを倒せば物理的にミラー部分が傾いてデジタルミラーと鏡面ミラー(単なる鏡ですね)に切り替えることが可能です。ドラレコ機能が内蔵されているからといって特に見た目に特別なことはありません。ただ、よく見るとデータ記録用のマイクロSDカードスロットがあるのが分かります。
そして前方を録画するためのカメラはミラーに内蔵されているわけではなく、また「Toyota Safety Sense」用のカメラを使っているのでありません。専用のカメラが「Toyota Safety Sense」のカメラと並んで搭載される形になります。
デジタル関係の各種設定はミラー下に配置されているボタンを押して操作するようになっています。16GBのマイクロSDカードが付属していて、エンジンをかける(ハイブリッドの場合はシステムをスタートする)と即座にデジタルインナーミラー機能が立ち上がってすぐに録画がスタート。
録画がはじまると画面に「REC」のアイコンが表示されるので録画中であることを確認できます。メニュー画面は画面にタッチすると現れますが、各種操作についてはタッチ操作ではなくミラー下にあるボタンで行うようになっています。
ちなみにミラーをレバーで倒し通常の鏡をバックミラーとして使用中でもカメラはミラーと別体なのでちゃんと録画は行われます。肝心のカメラのスペックですがフロント用が120万画素でリアは51万画素のワイド型。特別高解像度ではないですが、ドラレコとしては十分でしょう。
クルマを使用中は常に録画されていますが事故などで衝撃を受けると、その時の録画データは自動的に上書きされない保護フォルダに前方映像と後方映像それぞれ保存されます。
もちろん手動で録画保存することも可能。残念なのはせっかくミラーが液晶モニターになっているのに録画したデータをデジタルインナーミラーで再生できないこと。ただこの辺はソフトのバージョンアップでなんとかなるような気がするので、トヨタの対応に期待ですね。
録画データは自動で上書き
定期的にPCにバックアップが必須
(引用:トヨタ公式HP)
ドラレコはもはやクルマにとって必須の装備。それがこのようにルームミラーと一体化していれば確かに便利です。見た目もスマートですし、今後ドラレコはこういった形になっていくのでしょう。
ただ、この便利さを味わえるのは現状で新型ハリアーのみです。オーナーの方がちょっとうらやましいですね。新型ハリアーのオーナー、またはリース利用者はしっかりこの便利な機能を有効に活用してみてください。
オーナーの方に一つ気を付けてほしいのは、衝撃を受けた際にマイクロSDカード内に別ファイルとして保存される録画データは20ファイルまでということ。それを超えると上書きされてしまいます。万が一に備えて定期的にPCなどにコピーするなどの習慣をつけておくようにしてください。