あなたはマイカーを選ぶ際にどんなことを重視していますか。家族が多い方ならボディサイズや乗車定員でしょうか?燃費や経済性が気になるならハイブリッドカーやEVを選ぶのかもしれません。走り好きならやはりパワーやフットワークでしょうか?もちろんスタイリングが一番大切だという方もいるでしょう。

でも、どのようなクルマを選ぶにしても絶対に気になるのがコストパフォーマンスではないでしょうか。好みのクルマであっても車両価格が高くコスパが悪ければ現実的には選択肢にはなりません。湯水のようにお金があるなら関係ないでしょうが、多くの方は身の丈に合ったできるだけコスパの良いクルマが欲しいと考えているはずです。

それはカーリースでクルマを選ぶ際も同じこと。いくら月々定額で車に乗れるからといっても高価なクルマは支払総額がそれに応じて高額になります。なるべく家計に負担がかからない支払額で済み、なおかつ自分の使い方にマッチした満足するスペックのクルマを選ぶはずです。では、豊富に用意されているカーリース車の中にあって、多くの人が満足できるだろう最もコスパに優れたクルマとは何なのでしょうか。

コスパの良さで考えると
選ぶべきはやはり軽自動車なのか?


(引用:ホンダ公式HP)

コスパがよいクルマといわれて、誰もが一番に思いつくのはおそらく軽自動車でしょう。軽自動車は昔から登録車(普通車)よりも小型で値段もリーズナブルなクルマというイメージが一般的です。

そもそも軽自動車は戦後の経済成長の助けとなるように一般庶民でも所有できる自動車を目指して、その規格が決められた日本独自のクルマです。見た目や走りより(もちろん良いに越したことはありませんが)なにより経済性、つまり誰でも買えるということが重視されたクルマなのです。

ですから、軽自動車の価格がお買い得なのはむしろ当然のこと…でした。過去形にしたのは現在の軽自動車は、トータルでのコスパは良いかもしれませんが、低価格かというとそうとも限らないからです。その車両価格は正直なところ年々高騰しています。

例えば普通自動車を含めた新車販売台数ランキングで3年連続1位を獲得している大ヒット軽自動車ホンダN-BOXを見てみましょう。このN-BOXですが、さすが売れているだけあってその完成度は素晴らしいものがあります。足元や頭上空間のゆとりはコンパクトカークラス以上にあり、驚くほど広いシートの座り心地だって快適です。

また、見た目も立派でスタイリッシュ。安っぽさは一切ありません。それに軽自動車ですから取り回しもしやすく、箱型なので四隅の感覚もつかみやすくて運転も楽。さらに先進安全機能も満載で予防安全性能評価も最高ランクの「ASV+++」を獲得と隙がありません。

エンジンに関しては軽自動車なので当然660ccしかありませんが、ターボ付きなら動力性能も不満を感じることはありません。高速道路を使った長距離の移動もさほどストレスは感じませんし、燃費に関してもターボモデルでもWLTCモード燃費で20.4㎞/Lといかにも空気抵抗の大きそうなデザインながらかなり優秀。こうしてみると圧倒的な人気をキープし続けている理由もわかります。軽自動車という枠がなくてもとても魅力的な一台です。

軽自動車が安い
というのは過去の話

ただ、軽自動車の人気が高まり、ライバルがひしめく中、各社が競い合った結果クルマとしてはスペックが充実したためなのか、価格に関してはもはやコンパクトカー以上になっています。すべての軽自動車とは言いませんが正直その新車価格を見て、「安い!」とは言えないプライスとなってしまいました。

例えばN-BOXの中でもエントリーグレードであるG Honda SENSINGの車両価格ですが、141万1,000円です。先進安全技術が標準装備となっているとはいっても最も安いグレードで140万円オーバーなのです。

ちなみにトヨタのコンパクトカー、パッソは119万9,000円~で、大ヒット中のヤリスも139万5,000円~です。さらに人気のコンパクトワゴンのルーミーは155万6,500円~。比べてみるとN-BOXが思いのほか高価に見えてしまいますよね。

さらに最上級となるターボグレードの、N-BOX Custom G・EX ターボ Honda SENSINGともなると、その車両価格は199万6,500円。ほぼ200万円です。これにオプションや購入にかかる諸経費などをいれると、総額は軽く250万円を超えるでしょう。軽自動車が250万円。クルマの完成度や装備の充実度などを考えれば妥当なのですが、改めて文字にしてみるとそのインパクトは絶大です。

かつては、軽自動車は庶民が新車でも手軽に手に入れることができる経済的な自動車だったはずですが、気が付けば高級な乗り物になってしまったようです。もちろんこれはN-BOXに限りません。人気のスーパーハイトワゴン系軽自動車やSUV系軽自動車は軒並み高額です。もちろん価格相応の満足が得られるからこそ、そういったクルマが売れているのですが、コスパの良いクルマが良いから軽自動車だ!とはもう素直には言えませんね。

税金などの諸経費や
消耗品などはやはり軽がお得

もちろん軽自動車が経済的でないということではありません。車両価格はたしかに高騰していますが、税金や保険などの諸経費がいわゆる登録車などよりも安く抑えられるというメリットがあります。

例えば自動車税です。N-BOXの売れ筋グレードであるN-BOX G・L Honda SENSING(154万3,300円)と、同じホンダのFITでほぼ同じ価格帯のグレードFIT BASIC FF(155万7,600円)で比較してみましょう。

まずFITの自動車税は年額で3万4500円になります。対して軽自動車であるN-BOXの軽自動車税は年額1万800円です。5年間乗るとしたらFITが15万2,500円、N-BOXは5万4,000円です。その差額は9万8,500円、ほぼ10万円です。

さらに、重量税はFITが3万3,600円/5年で、N-BOXは1万1,200/5年。差額は2万2,400円。そして環境性能割(旧自動車取得税)はFIT/1万3,000円に対してはN-BOX/0円(非課税)で差額はそのまま1万3,000円です。すべて合計すると軽自動車のN-BOXのほうが、13万3,900円も税金が安いという結果になりました。

自賠責保険などは金額がほぼ変わりませんが、そのほか消耗品であるタイヤやエンジンオイルなども軽自動車のN-BOXのほうが安くつきます。さらにそのほかのメンテナンス費などを加えても、おそらく5年で20万円近くN-BOXのほうが安くつくのではないでしょうか。

それに比較したFITは最も廉価グレードで装備も十分でない。対してN-BOXのほうは同価格帯のグレードですが快適装備も安全装備の満載の充実グレードです。日常の使い勝手にも間違いなく優れている。それでいて車両価格が同じくらいなら、トータルで登録車よりも軽自動車の方が費用面では満足度も高いはず。結果的にやはり軽自動車のコスパはいいということになるわけです。だからこそこんなにも売れているのです。

とはいえやはり最近のスーパーハイト系軽自動車の車両価格が高いのはいなめません。そんな、高くても満足度の高い軽自動車ではなく、安くて、なおかつ十分に実用的なコスパの良さを一番のプライオリティとした場合は、最もお得度が高いクルマとなると一体どんなクルマになるのでしょうか。

100万円を大きく切る
お買い得な軽自動車“ミライース”


(引用:ダイハツ公式HP)

そこでリースナブルのラインナップの中からおそらく一番リーズナブル(文字にするとややこしいですね)であろうというクルマ(乗用車)を探してみました。そして見つかったのはダイハツのミライースです。今どきのスーパーハイトワゴンではなくいわゆる軽自動車のセダンです。

このミライースの定価ですが、ビジネス向けではない、最もベーシックなグレード“L”でなんと89万1,000円となっています。もちろん税込。後席がおまけのようなバングレードではなく、ちゃんと乗用グレードです。普通に座れます。前述のN-BOXの最上級グレードと比べると、なんと100万円以上も安い!N-BOX一台でミライースが2台買えちゃいます。

かつては軽自動車といえばこのミライースのようなコンパクトなハッチバックが主流でした。今は軽自動車の規格の中で最大限の広さを求めてスーパーハイトワゴンが人気となっていますが、走りの良さや燃費を考えれば空気抵抗が小さく車重の軽いこういった軽のセダンのほうが有利で、そういった面では優れている。

そして、軽く燃費もいいから環境への負荷も小さい。そのため環境性能割や重量税はエコカー減税の対象となり非課税。つまり0円です。軽自動車税もグリーン税制が適用され50%軽減の5,400円。1万2,900円の税金の軽減が受けられます。前述したN-BOXよりも負担が軽くなる。こういった点では非常にコスパに優れています。

では、このミライースのLですが、リースナブルで新車リースを利用した場合は月々の支払いはいくらになるのでしょう?最安コースでは、月々7,000円×60回+ボーナス加算57,000円(10回)。そして、定額コースでは月々16,500円×60回です。やはり安い。これだったら家計への負担も最小限で済む。それでいて新車に乗れるわけですからこれはとても安くて魅力的なクルマといえるのではないでしょうか。

安いがイコールコスパが良い
というわけではない

じゃあこのミライースは誰にとってもコスパ抜群のクルマであるといえるのか?確かに安いのは間違いありません。そして必要十分な機能や快適性も備えています。ただ純粋に費用対効果を考えた場合、物足りなく感じる部分も少なくない。例えば安全性です。

ミライースが安全でないということではありません。今や必須の先進安全装備がこのエントリーグレードである“L”には標準装備となっていないのです。普段の足として使用するなら軽い車体できびきび走れて燃費もよく、後席に人も乗せられ荷物も積める。89万円でこれだけかなうなら確かに十分でしょう。むしろ、この価格でこれだけのものが得られるのですから、足として使うならコスパは非常に優秀といってもいいかもしれません。

でも、単なる足ではなくファミリーカーとして使いたいとなった場合どうか。このクルマに家族を乗せてドライブに出かけるというのはいかがでしょう。今やなくてはならない先進安全装備がついていない。不安は感じないでしょうか。だったらもう少し価格が高くなってもいいから、十分な先進安全機能が欲しいと思う方がほとんどなのではないでしょうか。

となると、「カーリースでコスパ抜群のクルマ選び」とした場合、正直ビジネスユース意外では、このミライースのLグレードはすすめにくいです。

また、カーリースの場合、残価が設定されていてその分を引いた上で月々のリース料金が決まるのですが、ミライースのLは正直人気という意味ではあまり高くはないので残価も低めの設定。つまりトータルで考えると意外に割高にもなるのです。ポイントは支払総額です。例えば5年リースの場合、最終的にいくら払うことになるのかをキチンと把握しておくべきでしょう。そうであるならあらためコスパ抜群のリース車は何になるのか?

リースの支払総額を計算してみると
意外な結果に驚き

またまた、リースナブルのリース車ラインナップから探してみました。結果、見つかったのはN-BOXです。なんと先ほど「高すぎる」としたN-BOXが逆にリース利用でのコスパが非常に優れているということになりました。それはなぜか。

まず、リースナブルが用意している最新N-BOXのグレードはN-BOX CustomG・LターボHonda SENSINGです。スタイリッシュなカスタムモデルでパワフルなターボエンジンを搭載し、なおかつ先進安全機能も満載の上級グレードです。その新車価格は194万1,500円です。軽自動車としてとても高価なモデル。でも、リースナブルでの月々の支払額を見てみると5年リースの均等払いで月々2万2,500円。最安といえるミライースとその差は6,000円です。

この6,000円高いか安いか人によって違うとは思いますが、5年の支払総額で考えると、ミライースは99万円で、N-BOXは135万円。その差は36万円しかありません。もともとの車両価格は100万円以上あるのに、リースで利用すると、5年でその支払額の差は約1/3になってしまうのです。意外ではないですか?驚きです。

そうなると、上質なデザインにパワフルな走り。そして快適で広々とした車内スペースと最新スペックの先進安全機能が満載のN-BOXのほうが非常に魅力的ではないですか。負担した費用に対しての満足度もより高い。つまりコスパは上ということができると思います。

人気があるゆえにカーリースでは
むしろコスパ抜群のN-BOX


(引用:ホンダ公式HP)

なぜこうなってしまうのか?その理由はおそらく残価でしょう。現在日本で一番売れているクルマはN-BOXです。中でも人気グレードのターボモデルともなれば5年後もその価値は十分に高値を維持しているはず。つまり、返却時も十分な価値が残っていると予想できるので当然残価も高く設定できる。車両価格が高くてもの十分な残価が設定できるのでその分支払い費用を他のクルマよりも安く設定することが可能なのです。

逆にミライースは実用的ですが人気は決して高くない。足車としては優秀ですが、中古車となった場合の引き合いはあまりないでしょう。つまりは5年後の価値があまり期待できないのです。結果残価も高く設定できないので車両価格に対しての月々の支払額のバランスが実はさほど良くはないわけなのです。

ということで、現時点(2020年11月)で多くの人にとってコスパ抜群の新車カーリースの車両を一台選ぶならホンダのN-BOXがおそらく最有力候補でしょう。これが筆者の結論です。

もちろん家族が5人以上なので軽自動車じゃダメ、という方もいるでしょうし、スーパーハイトワゴンが嫌いという方いるかもしれません。ですからこれが絶対の結論ではありません。でも、リースナブルのラインナップの中で、コスパ重視で一台を選ぶならN-BOXが特に注目すべき一台なのは間違いないと言い切りましょう。

カーリースを利用する際は
支払総額をしっかり確認

いかがでしょう。総支払額で比べてみると意外な結果になったのではないでしょうか。カーリースを利用する際、新車価格の安いクルマのほうがリースでも安く済む、と安易に考えがちですが、カギはやはり残価リースの総支払額や装備内容などもチェックが必要ですね。

何より大切なのは情報を装備やスペックを確認し、なおかつ十分に吟味すること。その手間をいとわなければ、きっと、あなたにとってコスパ最高のリース車がみつけられるはずです。