ヤリスをベースとしたコンパクトクロスオーバーSUVであるヤリスクロス。2020年の発売直後から即座に注目を浴び、現在もバックオーダーを抱えるほどの大人気となっています。

ヤリスクロスはスタイリッシュなデザインが特徴の一つで、そのエクステリアを飾る各種オプションアイテムも充実しているのもその魅力。そしてそんなオプションの中に「バイカラーLEDフォグランプ」なるアイテムが設定されていることをご存じですか。

このバイカラーLEDフォグランプ、実用的でいながらドレスアップ効果も高いアイテムとしてヤリスオーナーにひそかに注目されています。では、いったいこれがどんなものなのか? またその魅力は何なのか詳しくご紹介します。

一つのバルブに白と黄色
2種類のLEDチップを搭載

フォグランプといえば、昔はCIBIE(シビエ)やMARCHAL(マーシャル)、PIAA(ピア)などの社外ブランドのものを、ドレスアップアイテムとして装着するのが大人気でした。しかし、今はほとんどのクルマに純正装着(エントリーグレードは別です)、もしくはオプション設定が当たり前となっています。そのため、あえて社外品を装着する必要性は必ずしもありません。

しかし「純正よりももっとスタイリッシュなフォグランプを装着したい!」というニーズは現在も高く、様々なデザインや機能を持った社外品のフォグランプは今も大人気となっています。

社外品のフォグランプには純正にはない特徴的な機能が搭載されているものも少なくありません。例えばBi-Color(バイカラー)機能です。

Bi-ColorのBi(バイ)はラテン語で「2」という意味で、二か国語を話せる人をBilingual(バイリンガル)といいますが、そのBiと同じような意味です。つまり1灯の光源から二種類のカラーの灯りを放つことができるということです。

最近は純正ヘッドライトなどにバイカラーではなくBi-Beam(バイビーム)が多く採用されていて、それらはヘッドライトに内蔵されるLED光源が一つながら、スイッチ一つでハイビームとロービームの切り替えが可能といったものです。

従来のLEDヘッドライトの場合、ヘッドライトユニットの中にハイビーム用とロービーム用の別々の光源を内蔵していました。それが一つで済むというわけです。

ではフォグランプの場合のバイカラーはどのようになっているのか。一つの光源で2種類の灯りというのは同じですが、フォグランプなのでハイビームとロービームではなく白と黄色の発光色を切り替えることができるようになっています。1つのバルブに異なる色のLEDチップを配置することでこれを実現しているのです。

白い発光色と、イエローの発光色、二つのカラーをスイッチ一つで切り替えることができる、だからバイカラーということなのですね。でもそれの何がいいのでしょうか?

普段はスタイリッシュなホワイト
霧の時は視認性の高いイエローに切り替え


(引用:トヨタ公式HP)

まず、なんといってもドレスアップ効果が期待できます。レンズの色ではなくLEDの光源で発光色を切り替えることができるのでフォグランプのレンズはクリアのまま。見た目もクール。

それでいて気分によってフォグランプの発光色を白と黄色に切り替えられるというのですから、スタイリッシュですし単純にお得感もありますよね。フォグランプの色は、道路運送車両法で白または淡黄色と定められていますが、そのどちらも一つのLEDで切り替え可能なのです。

今までは、フォグランプの色を変えるにはランプユニットそのものやバルブを交換する必要がありましたがそれが一つで叶うのですからこれはうれしい。

また実用面でもメリットがあります。フォグランプは本来フォグ(霧)の時に、視界を確保し、また自分の存在を周囲にアピールするための実用アイテムです。その本来の目的を考えると発光色はイエローの方が優れているといわれています。理由は黄色のほうが光の波長が長く、霧や雨、雪などの荒天時に、空気中の水滴や水分を貫通しやすいために視界が悪い中でも周囲にアピールできるからです。

また、照らしたい路面にも光が届きやすくなるのでようするに悪天候時こそ黄色いフォグランプのほうがよく見えるのです。

でも今どきのクルマの純正のフォグランプは白がほとんどですよね。それはなぜなのか。単純です、そのほうが格好いいからです。ヘッドライトやウインカー、スモールランプなどのレンズがクリアなのに、フォグランプだけで黄色というのはさすがに悪目立ちする。昔はそれが格好いいというような風潮もありましたが今どきはそのセンスはなしです。

でも、バイカラーLEDフォグランプなら、普段はスタイリッシュな白いフォグランプとして使用して、深い霧や豪雨などの際には視認性を高めるためにイエローに切り替えることができる。ルックスと実用性を兼ね備えた実に魅力的なフォグランプというわけなのです。

ヤリスクロスに最新スペックの
バイカラーLEDフォグランプが設定


(引用:トヨタ公式HP)

そんなバイカラーLEDフォグランプですが、非常に魅力的なものなのですが、純正で採用される例は今まであまりありませんでした。そのため、バイカラー機能が欲しければ社外品のフォグランプを装着するしかなかったのです。

しかし、2018年12月、マイナーチェンジした「プリウス」にトヨタとしては初めて、バイカラーLEDフォグランプが採用されました。そして、2019年4月には復活後に大ヒットとなった新型「RAV4」にもディーラーオプションとして採用。

そして、それが好評だったのでしょう。2020年発売のトヨタの最新クロスオーバーSUV、ヤリスクロスにもディーラーオプションとして採用となったのです。ヤリスクロスのオーナーでも意外にこのオプション設定のフォグランプを見落としている方がいるのではないでしょうか。

その見た目はさすが純正だけあって、実にスッキリとしたデザイン。フロントバンパーの下部のグリル左右に配置された丸形のレンズは、バンパー内蔵のLEDクリアランスランプとのバランスも良くフロントフェイスに良いアクセントを加えてくれます。それでいてこれ見よがしに目立つわけでもない。

そしてバイカラーLEDですから車内のスイッチで自由に発光色を切り替えることができます。これはちょっと自慢したくなりますよね。

ただ、そのオプション価格はフォグランプとしては結構な金額。インテリジェントクリアランスソナーや、パノラミックビューモニターなど他の装備を装着しているかどうかで金額が変わってきますが税込みで5万6,320円か5万90円のどちらかとなります。これは車内側に設置される操作スイッチのキットの種類や有無などによって変わるようです。もちろんそのスイッチキットも含まれた価格です。

ただ、高いようにも思えますが、そもそもバイカラーではない単色のLEDフォグランプだってそのオプション金額は4万7,520円もしくは4万290円です。その差は約1万円弱。それだったらやっぱりバイカラーLEDフォグランプの方がいいですよね。社外品のフォグランプにも魅力的なものはありますがマッチングの良さはやはり純正オプションにかないませんし。

それに、もしあなたのヤリスクロスがカーリース車だった場合、社外品のフォグランプの装着はNGの可能性があります。フォグを追加したい! となっても安易に装着に踏み切るわけにはいきません。でも純正ならば基本的にはOKのはず。なんたって純正ですから。それにディーラーオプションなので納車後に依頼することも可能です。自分のヤリスクロスのちょっとアクセントを加えたいというなら、このバイカラーLEDフォグランプはなかなか良い選択になるのではないでしょうか。

これ見よがしに点灯するのはNG
必要に応じて使用しよう


(引用:トヨタ公式HP)

ヤリスクロスオーナーもしくは、これからヤリスクロスの購入やリース契約を検討中の方は、是非このルックスと実用性を兼ね備えた最新スペックのLEDフォグランプ、装着を検討してみてください。

ただし、その点灯に関しては慎重に行ってください。フォグランプはそもそも霧(フォグ)や豪雨など視界が不良の時に使用するものです。霧や豪雨などで視界が遮られ、対向車の接近の視認が難しいような状況で点灯して、自分の存在をアピールし安全を確保するためのもの。

格好いいからとこれ見よがしに点灯するのは周囲のクルマの迷惑になります。ですから必要な時以外に使用するのは避けるようにしてください。