昨年10月軽ハイトワゴンの元祖スズキワゴンRが王者N-BOXを抑えて2021年10月の販売台数ランキングで1位を獲得しました。

なぜ急にワゴンRが売れ始めたのか? その理由は新型車両の投入です。その新型車が「ワゴンRスマイル」。ワゴンRと新しいワゴンRスマイルは同じワゴンRとして合算されるためにこの結果となったのですが、絶対的王者N-BOXを一瞬とはいえ下したのは凄いこと。

そんなワゴンRスマイルですが、それほど魅力的なクルマなのでしょうか。本家ワゴンRを超えたともいわれるそんなワゴンRスマイルについて、同じスズキの軽ハイトワゴンと比べながらその人気の秘密や本家との違いについて検証してみました。

ベストセラーN-BOXを破り
ワゴンRが販売台数1位を獲得

ベストセラーN-BOXを破りワゴンRが販売台数1位を獲得
(引用:スズキ公式HP)

ワゴンRといえば1993年にそれまでにない新しい軽自動車として登場した“元祖軽ハイトワゴン”です。既存のモデルをベースにすることでそれほどコストをかけずに生み出されたクルマで、当初はそれほど期待されていなかったといいます。

しかし、シンプルなデザインの背の高い乗用ワゴンというそれまでにないコンセプトが受け、あれよあれよという間に大ヒット車に。やがてライバル他社も同様のコンセプトを持つクルマを投入し、気が付けばハイトワゴンこそが軽自動車の主役という時代を作り上げました。

しかし、その天下も2011年にホンダからN-BOXが登場するまでの事。現在はワゴンRよりもさらに背が高く、後席ドアがファミリー層に使いやすいスライドドアを持つ軽スーパーハイトワゴンが主流となっています。

ワゴンRもここ10年くらいはかつての大ヒット車の面影はなく、スーパーハイトワゴンよりもお買い得なお手頃軽ワゴンというポジションになっています。

実際その販売台数もさほど多くはなく、販売台数ランキングを見ても、9~10位をいったりきたりといった具合でした。

しかし、2021年9月、軽自動車販売台数ランキングの3位にワゴンRが返り咲きました。そして翌月の10月にはなんとあのN-BOXを破りワゴンRが数年振りに1位を獲得した(翌月以降は4位になっていますが)のです。このことは一部自動車メディアでニュースにもなったのでご存じの方もいると思います。

では、なぜいきなりワゴンRがランキング1位に返り咲いたのか? その理由は非常にわかりやすいものでした。新型車のワゴンRスマイルが2021年9月に発売されたからです。ワゴンRの販売台数はこのワゴンRスマイルも合算されるので、結果トータルでワゴンRの販売台数が急激に伸びたということなのです。

つまり、本家ワゴンRではなく、新型車であるワゴンRが登場直後から大人気となり、結果ワゴンR全体の販売台数を押し上げたということですね。

では、本家をもしのぐ大ヒット車となったこのワゴンRスマイルとはいったいどのようなクルマなのでしょうか。

高すぎない全高に広々とした室内
便利なスライドドアも搭載

広々とした室内と便利なスライドドア
(引用:スズキ公式HP)

ワゴンRスマイルは、その名の通りワゴンRをベースとしたハイトワゴンです。とはいえ、現在大人気のスーパーハイトワゴンよりも背は少し低く、リアドアはヒンジドアではなく便利なスライドドア。スズキのクルマでいうと、ちょうどハイトワゴンのワゴンRとスーパーハイトワゴンのスペーシアの間的なモデルです。

サイズを比べてみると、全長3,695mm×全幅1,475mmでどのクルマも同じ軽自動車規格いっぱいのサイズですが違いは全高です。ワゴンRは1,650mmなのに対して、ワゴンRスマイルは1,695mm。そしてスペーシアは1,785mmとワゴンRスマイルはワゴンRよりも4.5cm背が高く、スペーシアよりも9cm背が低いというものになsっています。

最近は「スーパーハイトワゴンは確かに広いけれど、そこまで背の高いクルマは必要じゃないし、自宅の駐車スペースに入れにくい」という層も増えてきており、そんなニーズにピッタリハマるのがワゴンRスマイルというわけですね。

もちろんその室内の広さはワゴンRゆずり。天地方向の余裕こそスペーシアにかないませんがそもそもワゴンRだって十分広いのですからそれよりも余裕のあるワゴンRスマイルは十分以上の余裕ある広さを備えています。この3車の室内サイズを数字で比べてみるとこうなります。

● ワゴンR/室内長2,450mm×室内幅1,355mm×室内高1,265mm

● ワゴンRスマイル/室内長2,185mm×室内幅1,345mm×室内高1,330mm

● スペーシア/室内長2,155mm×室内幅1,345mm×室内高1,410mm

空間サイズ的にもほぼワゴンRスマイルが真ん中という感じです。ここ最近は、背が高いことこそが正義とされてきた軽自動車。確かにスペーシアのようなスーパーハイトワゴンだと頭上に空間が広がるので解放感はあります。

しかし、あまりに背が高すぎて頭上空間が空きすぎ、小柄な方だと重心の高さもあって運転がちょっと不安と感じることもあるといいます。でも、ワゴンRスマイルは絶妙な室内高で、広さと頭上空間の余裕がちょうどいい。きっとこういったこともワゴンRスマイルが受けている理由なのではと思われます。

ファミリードライバーにとって
今や必須なのがスライドドア

ファミリードライバーにとって必須のスライドドア
(引用:スズキ公式HP)

さらに、ワゴンRスマイルはワゴンRと違って後席ドアがスライドドアであるという大きな特徴があります。サイズや価格的にはワゴンRでいいけどリアドアはやっぱり使いやすいスライドドアが欲しい。今やファミリーカーにはスライドドアがベストとも考えられており、それを求める人も多いのです。

スライドドアの特徴はいわゆるスイングするヒンジドアとは違ってドアを開いた時にクルマのサイドのスペースを必要としないということ。子供がドアを勢いよく開けてしまい隣のクルマにぶつけてしまった、などというトラブルも防げます。

また、電動式が当たり前のスライドドアなら開けるのにも閉めるにも力がいらない。そのため小さなお子さんや力の弱い女性やお年寄りでも問題なく開け閉めができる。

さらに、ドアの開口部が広くとれるので乗り降りが楽ですし、ベビーカーのような大きな荷物をクルマに乗せるのにもとても便利です。そう考えるとファミリーカーにスライドドアがベストマッチなのもうなずけます。

ワゴンRはコスパが高いけれどヒンジドア。かといってスペーシアはスライドドアだけどあまりに背が高すぎる。その中間のベストなサイズ感と機能を持つのがワゴンRスマイルであり、それが発売直後からの大ヒットにつながったのではないでしょうか。

実は、非常に似たコンセプトの軽自動車がライバル社にもあります。それがダイハツのムーブキャンバスです。こちらも同社のムーブとタントのちょうど中間サイズ。さらにデザインもシンプルでかわいらしいスタリングが特徴で、人気を集めています。

要するにスズキがこのムーブキャンバスのライバルとして新たに投入したのがワゴンRスマイルともいえます。

ユーモラスな丸目ヘッドライトと
柔らかなボディラインも好評の理由

ユーモラスな丸目ヘッドライトと柔らかなボディラインも好評の理由
(引用:スズキ公式HP)

他にもワゴンRスマイルは本家ワゴンRとは違って、角を落とした四角いボディに丸目ヘッドランプを採用したちょっとユーモラスでかわいらしいデザインが特徴です。

対して本家のワゴンRは直線基調のボディラインにスクエア型の大型ヘッドライトを装備したクールなデザイン。明らかにワゴンRスマイルの方が柔らかい印象を受けます。ファミリードライバーにとってはこの柔らかくソフトな印象のデザインのほうが、愛着もわきやすく好まれるようです。

また、一歩間違えると商用車っぽさもあるスペーシアに比べてもワゴンRスマイルのほうが乗用車テイストも強く、そういったことも好印象となっている可能性も高いでしょう。

そして、インテリアもエクステリア同様にソフトで柔らかな印象で統一されています。豊かな丸みを持つインパネに、柔らかな造形のカラーパネルを設定。ステアリングは本家ワゴンRと同じものですが、室内の印象は全く違います。

また、全高が高い分シートのヒップポイントも高められていて、運転席からの視界が高く眺めも良く運転もさらにしやすい。室内高に余裕があるので、ヘッドクリアランスは十分以上確保されていて解放感も満点です。

ただ、後席に関しては本家ワゴンRとほぼ同じものです。室内高が高い割にヒップポイントがちょっと低め。ちょっとだけ違和感はありますが、その分天地方向の解放感が高いので解放感は前席以上かもしれません。実際に乗り込んでみるとワゴンRよりも間違いなく広いと感じられるはず。

スライドドアの利便性の高さに加えて、室内、特に後席の快適さという点においても、ワゴンRスマイルはワゴンR以上と感じられるはずです。

車重はスペーシアと変わらないのに
燃費性能は軽いワゴンR並み

燃費性能はワゴンR並み
(引用:スズキ公式HP)

ワゴンRスマイルのパワーユニットはワゴンRと同じで660㏄NAエンジンと、上級グレードにはマイルドハイブリッドが搭載されています。ちなみにスペーシアは全車マイルドハイブリッドで純粋なガソリンエンジン車は設定されていません。(スペーシアカスタムにはターボハイブリッドがあります)

WLTCモード燃費は同じマイルドハイブリッドのグレード同士で比べてみると、ワゴンRのハイブリッドFZが25.2㎞/Lで、ワゴンRスマイルのハイブリッドXが25.1㎞/L。そしてスペーシアのハイブリッドXが21.2㎞/Lとなっています。

車重はワゴンRが790kgで、ワゴンRスマイルが870kg。そしてスペーシアが870kgなので車重から考えるとワゴンRスマイルの優秀さが光ります。これは最新スペックの車ということが理由なのかもしれません。

安全装備に関してはワゴンRスマイルとスペーシアがデュアルカメラブレーキサポートを搭載した「スズキ セーフティサポート」を全車に標準装備。ワゴンRはデュアルセンサーブレーキサポートタイプの「スズキ セーフティサポート」が全車に標準装備となっています。

この2つの「スズキ セーフティサポート」ですが、性能的な差はない、となっていますのでどちらも最新スペックの安全性能を持っているということになります。こうしてみるとワゴンRスマイルは全ての面においてスキのない完成度の高い一台ですね。

価格は1,296,900円~1,716,000円
スーパーハイトワゴンと同等の設定

スーパーハイトワゴンと同等の設定
(引用:スズキ公式HP)

肝心のワゴンRスマイルの価格に関してですがこのようになっています。

ワゴンRスマイル価格表
グレード パワーユニット 駆動方式 価格
G NAガソリンエンジン 2WD  ¥ 1,296,900
4WD  ¥ 1,420,100
HYBRID S マイルドハイブリッド 2WD  ¥ 1,472,900
4WD  ¥ 1,596,100
HYBRID X 2WD  ¥ 1,592,800
4WD  ¥ 1,716,000

 

ガソリンエンジンのベースグレードが「G」で、マイルドハイブリッドシステムを搭載した中間グレードが「HYBRID S」。そして、LEDヘッドライトやLEDサイドターンランプ、インテリアにメッキガーニッシュなど加飾が加わった上級グレードが「HYBRID X」となっています。

全体的にスーパーハイトワゴン並みでちょっとお高めに思えます。ちなみにワゴンRは109万円~154万円でスペーシアは139万円~165万円(スペーシアカスタムは157万円~190万円)です。価格的にもワゴンRとスペーシア(含むカスタム)との中間的な設定となっています。単体で見ると高めに感じますが、比べてみるとやはり非常にうまいというか、絶妙な価格設定となっています。

リースナブルなら最新のワゴンRスマイルが
月々6,000円~で乗ることができる

スーパーハイトワゴンと同等の設定
(引用:スズキ公式HP)

ワゴンRスマイルを細かくチェックしてみると、見た目がソフトでかわいらしく、車内スペースはワゴンR以上。それでいて背が高すぎず両側スライドア装備で使い勝手もいい。加えて、マイルドハイブリッドを設定し、ワゴンRと変わらない優れた燃費を持っているということが分かりました。

これならば、人気車とならないわけはありませんね。ライバルであるムーブキャンバスをよく研究し、全ての面でより魅力的なスペックを搭載して、完成度の高い一台に仕上がっているのですからヒットしたのも当然のことでしょう。

そんな大ヒット中のワゴンRスマイルですが、リースナブルでは上級グレードのワゴンRスマイルHYBRID Xのリース車両をご用意しています。

リースナブル「ワゴンRスマイルHYBRID X」:https://leasonable.com/model/wagonrsmile/

今なら(2022年3月現在)、値引きがあって、5年プランの最安コースなら月々6,000円×60回(+ボーナス加算118,800円)、定額プランなら月々24,000円×60回(ボーナス加算なし)という軽い負担でワゴンRスマイルの新車に乗ることが可能です。

もしあなたが、次のマイカーとしてワゴンRスマイルを考えているのなら、これらのプランは間違いなく魅力的なはずです。気になる方は是非、上記のURLにアクセスしてみてください。