もはや街の景色の一部ともいってもいい国産ライトバンの代表トヨタのプロボックス。私たちの生活に欠かせない存在であり、社用車として、なかにはマイカーとして愛用されている方もきっと少なくないはずです。

そんなプロボックスは登場から20年を迎えるロングセラー車ですが、先日、新グレードが追加となりました。それは、商用車だからこそ必要とされるハイブリッドモデルなのですがその新グレードはどのような内容のグレードなのでしょう。お買い得度は高いのか、またパーソナルカーなどにも果たして使えるグレードなのでしょうか? 検証してみましょう。

誕生から20年。いまだに人気の
ライトバンのベストセラー

プロボックスは登場から20年を迎えるロングセラー車
(引用:トヨタ公式HP)

プロボックスが市場に投入されたのは2002年です。ライトバンの新型車というイメージがありますが今年で誕生20年となるロングセラー車です。

トヨタにはプロボックス以前に2つのライトバンがラインナップされていました。それがカローラベースのコンパクトなカローラバンと、それよりも少し大きいカルディナベースのカルディナバンです。

この2車の後継車として登場したのが、プロボックスとサクシードでした。プロボックスとサクシードはほぼ同じクルマですが、カローラバンの後継がプロボックスで、カルディナバンの後継車がサクシード。そんな先代に当たるバンに合わせて、プロボックスは全長が4,195mmで、対してサクシードは、4,300mmとちょっとだけ長く荷室が広いというのがその違いです。

これは、カローラバンやカルディナバンからの買い替えの際、それまで両車に乗せていた荷物が問題なく積めるように、同等の荷室スペースが必要だということでしょう。そのため、たった10cmですがわざわざ全長を変えた同じような2車を設定していたのですね。

この両車そっくりでぱっと見では見分けがつきません。車種名のバッチを見ればわかりますが、わずかに全長が違うだけでほぼほぼ同じクルマだったので当然です。

20年の間にマイナーチェンジでプラットフォームが変更となり、途中ワゴンモデルも廃盤になりました。また、2014年に実施されたマイナーチェンジではプロボックスとサクシードはボディが共通となり、車名と販売チャネルの違いだけというものに変わっています。

そして、その際に車体サイズが変更となってそれまでのプロボックスとサクシードの中間となる4,245mmになっています。

2018年には両車にハイブリッドが追加となりました。商用車なのに、というか距離を走る商用車だからこそ待ち望まれていたハイブリッドということで、評価も高く、売れているようです。

そして2020年に、サクシードが廃止となりました。これはトヨタがそれまでチャネルごとに扱う車種を変えていたのを、全ての地域での全車種併売化となったために、わざわざプロボックスとサクシードを分ける必要がなくなったためです。現在はプロボックスのみがラインナップされています。

グレードが整理されお買い得価格の
ハイブリッド新グレードが新設定

プロボックスにハイブリッド新グレードが新設定
(引用:トヨタ公式HP)

兄弟車もなくなり、現在一車種で頑張っているトヨタの主力ライトバンのプロボックスですが、昨年2021年12月にマイナーチェンジが実施されました。マイナーチェンジというか、グレードの整理といったほうが正しいかもしれません。

まずプロボックスの中でも最もリーズナブルなベーシックグレードのガソリンエンジンのDXがなくなり、あらたにハイブリッドにGXというグレードが新設されました。

1.3LガソリンエンジンのDXグレードは137万3,760円と140万円以下という安さがとても魅力でしたが、グレード整理によって、最も廉価なグレードは1.3LガソリンエンジンのGとなっています。こちらの価格は149万1,000円です。

とにかく安い手ごろなライトバンが欲しいという方には12万円の価格アップは残念ですが、AC100V・100Wのアクセサリーコンセントが標準装備されるなど利便性の面では多少向上している部分もありますし、149万1,000円でも十分リーズナブルなのは間違いありません。

そして、ハイブリッドに新たに追加されたグレードGXはいうなればプロボックスハイブリッドのベーシックグレードです。パワーユニットはトヨタ自慢のTHS2ハイブリッドながら価格がとても安い。

それでいて運転席&助手席パワーウインドーと電動格納式リモコンドアミラーが装備され、さらにUVカット機能付きプライバシーガラス(リアドア/リアクオーター/バックドア)なども標準装備となっています。

なんといってもハイブリッドの上級グレードであるGLより17万2000円も安い179万円という価格がかなりのインパクトです。トヨタのハイブリッドカーはその高度なメカニズムや大容量のバッテリーを搭載しているため、どうしてもガソリンエンジン車よりも高くなるのですが、このプロボックスのGXならハイブリッドなのになんと179万円です。

この価格はコンパクトカーのヤリスハイブリッド(199万8000円)よりも20万円も安いのです。そういわれてみるとこの新しいプロプロボックス魅力的に見えてきませんか。

ハイブリッドカーとして安いというだけでなく、プロボックスのグレードの中でもかなりお買い得な一台です。プロボックスの中でも最も廉価なグレードはガソリンエンジンの1.3Gで149万1,000円ですが、ハイブリッドのGXとの価格差は29万9,000円です。比べてみると意外に差はあまり大きくないとは思えませんか。

パワーユニットが1.3Lのガソリンエンジンと1.5Lガソリンエンジン+モーターのハイブリッドと大きく違っていることを考えると、このハイブリッドの新グレードGXは相当にお買い得かつ魅力的なクルマと言っていいのではないでしょうか。

ハイブリッドなら動力性も高く
WLTCモード燃費も22.6㎞/Lと抜群!

プロボックスのWLTCモード燃費は22.6㎞/Lと抜群
(引用:トヨタ公式HP)

1.3Lガソリンエンジンとハイブリッド動力性能の差を比べてみると、なんといっても走りの余裕が違います。1.3Lガソリンエンジンのパワーは70kW(95PS)/6,000rpmでトルクは121N・m(12.3kgf・m)/4,000。パワフルとはいえませんが、それなりに実力を備えています。1090kgの車重に対してこれだけのパフォーマンスがあれば、ストレスを感じることはないでしょう。というか空荷なら結構きびきび走れそうですね。

対してハイブリッドのほうのパワーはガソリンエンジンが54kW(74PS)/4,800rpmでトルクが111 N・m(11.3 kgf・m)/3,600~4,400。燃費重視なのでちょっと非力ですがこれに45kW(61PS)のパワーと169 N・m(17.2 kgf・m)というトルクを持つ電気モーターが加わるのでそのパフォーマンス差は明らかです。

特に、1.3Lガソリンと、ハイブリッドでは、出足や加速では大きな差がつくと思います。さらにラゲッジに荷物を満載した状態ではその差はさらに大きくなることは間違いないでしょう。このようにパフォーマンス的に間違いなくハイブリッドの方が上なことに加えて、燃費面も言うまでもなくハイブリッドの方が優れています

1.3LガソリンエンジンのWLTCモード燃費は16.6㎞/Lに対してはハイブリッドのWLTCモード燃費は22.6㎞/Lです。リッター当たり6㎞も違います。ガソリン価格が高騰している今、この差は非常に大きいといえるでしょう。

実燃費ではありませんがWLTCモード燃費を元にそれぞれ満タンでどれくらいの距離を走ることができるのか計算してみると、1.3Lガソリン車はタンク容量50Lなので×16.6㎞で830㎞という計算結果になります。

ではハイブリッドはどうか。こちらはタンク容量が8L少ない42Lですので、これに×22.6㎞ですると計算上は949㎞走れることができるということなります。ガソリンを満タンにするとほぼ1,000㎞走ることができる(カタログ値なので実際はもう少し短い)のです。チョット凄いですね。

比べてみると、1.3Lガソリンエンジンとハイブリッドで軽く100㎞以上の差がつくのですからトヨタのハイブリッドはやはり優秀。プロボックスは商用車ですから、ランニングコストはとても重要でこの燃費性能は特に気になるポイントのはず。

例えばガソリン価格175円/Lで計算(2022年3月時点の全国平均価格)した場合、およそ10万キロ走った際の燃料価格の差が28万円(もちろんハイブリッドの方が安い)なので、車両価格差も相殺されるということになります。

10万キロというと、乗用車では過走行というイメージがありますが、商用車のバンであれば普通の走行距離。それぐらい当たり前に使われていますしそれ以上走ることも珍しくない。そうなればさらに燃料費の差が広がるわけです。

はじめから、かなりの距離を走る予定であれば、やはりハイブリッドを選んだ方が賢明でしょう。それに前述したとおり動力性能もハイブリッドのほうが優れていますし、荷物を満載した場合ストレスなく走ることができるのは間違いなくハイブリッドです。それに荷物を積んだ場合はその燃費差はさらに大きくなるはずです。

マイチェン前のベーシックグレードと
比べてどんな装備が省かれているのか

プロボックスのマイナーチェンジ前後比較
(引用:トヨタ公式HP)

ちなみにマイナーチェンジ前のプロボックスハイブリッドグレードの中で、最も安かったのはGLというグレードでした。こちらの価格は196万2,000円です。GXと比べると17万2000円高い設定です。じゃあ装備はどれくらい違うのか。

GLに対して新しいベーシックグレードのGXで省かれた装備を上げてみると、ドアハンドルやドアミラーなどの塗装、ドアサッシのブラックアウト化(GXはボディカラーのまま)、フロント時間調整式間欠ワイパー(GXは通常の間欠ワイパー)、リヤ間欠ワイパー(GXは2万2,000円でフロント時間調整式間欠ワイパーとリヤ間欠ワイパーと寒冷地仕様のセットオプション)、AC100V・100Wのアクセサリーコンセント(GXはオプションで1万2,100円)となっています。

AC100V・100Wのアクセサリーコンセントはできれば欲しいところですがその他の部分に関しては、正直たいした違いではないと思いませんか。この程度の装備が省かれただけで17万2000円も安くなるのならウエルカムです。やはりGXはかなりお買い得ではないでしょうか。

それにトヨタのTHS2タイプのハイブリッドカーとしてはこのプロボックスGXが最安車です。新車で安くハイブリッドカーが欲しいという方にも(あまりいなかもしれませんが)もしかしたら狙い目かもしれません。

そして、最近はプロボックスをカスタムしてオフロード仕様にするなんていうのも流行っていますが、動力性能や燃費は一級品なのに、装備はシンプルな分ベース車にするのにもGXはちょうどよいかもしれませんね。

ハイブリッドでなくてもプロボックスは
コスパ最高のライトバン

プロボックスはコスパ最高のライトバン
(引用:トヨタ公式HP)

お仕事車のベストセラーであり、日本の交通環境においてサイズ、実用性、経済性などの面で最強ともいえるべきクルマ、プロボックス。コスパに優れたハイブリッドの新グレード、GXが加わったことでさらにその人気は高まる可能性は高いですね。

リースナブルでもプロボックスのリース車をご用意してます。それがこちらです。

リースナブル「プロボックス」:https://leasonable.com/model/probox/

現状は最新グレードのGXは設定されていませんが、プロボックスはガソリンエンジン車でもそのコスパの高さと優れた実用性は間違いありません。社用車としてライトバンが必要だという方は、是非リースナブルでプロボックスのカーリースをご利用してみてください。

リースナブルならベーシックプランでもカーナビやバックカメラ、ETCにフロアマットなど人気のオプションが標準装備となっていて、それでいて月1,000kmのコースなら月々のリース料金は28,000円×60回(ボーナス払いなし)と、とてもお得です。コスパが重要なプロの方こそ是非検討してみるべきです。