現行型日産ノートは2020年に発売となったコンパクトハッチバックです。上質なエクステリアとインテリアを備え、充実した装備と先進安全技術も満載しており、パワーユニットに第2世代のe-POWERパワーを搭載しており優れた燃費性能ももっています。

そんなノートには内外装を日産モータースポーツ&カスタマイズがカスタマイズしたコンプリートカーAUTECH(オーテック)バージョンが設定されています。ノーマルのノートとは一味違ったオーテックのコンプリートカーは、ノーマルにはない個性と、そのクオリティの高さから高く評価されています。

そんなノートのオーテックカスタマイズモデルの中でも特に人気が高いのが「オーテック クロスオーバー」です。2021年の10月に加わったモデルで、こちらはノートをベースに内外装をドレスアップし、さらに専用サスペンションと大径タイヤによって最低地上高を25mm上げてSUV仕立てにしたモデルとなっています。一見、見た目だけのSUV風モデルかと思いきや意外にも4WDモデルは走破性も高いということもあり、結構な人気を集めています。

そして、そのノート「オーテック クロスオーバー」に新たなバリエーションとして追加され、2023年1月に発売となったのが、ノート「AUTECH CROSSOVER +Active(オーテック クロスオーバー+アクティブ)」です。さらにアクティブなイメージを強調したという新しいオーテックバージョンですが、いったいどのようにバージョンアップしたのでしょうが。そんな気になるノート「クロスオーバー+アクティブ」について、詳しくチェックしてみました。

ノートとノート オーラ合わせて11万107台を販売
2020年電動車(ハイブリッド車含む)販売台数No.1を獲得

ノートとノート オーラ合わせて11万107台を販売
(引用:日産公式HP)

まず「オーテック クロスオーバー」のベースであるノートはどんなクルマなのか。日産ノートは、ハッチバックタイプのコンパクトカーで現行モデルは2020年12月に販売を開始した3代目のE13型です。兄弟車としてはさらにプレミアム感を高めた「ノートオーラ」があります。

一番の特徴はハイブリッド専用車であるということでしょう。効率に優れた直列3気筒1.2Lガソリンエンジンを発電用として使用したシリーズハイブリッドで、モーターのパワーのみを駆動力としてします。そのためEVのようなフィーリングで力強いトルクによってコンパクトカーとは思えないほどの加速力を発揮します。

それでいてとても静粛性が高く、日産がプレミアムコンパクトとうたっているだけあって快適性にも非常に優れています。さらに、このクラスとしては非常に上質なデザインを持ちフロントグリルと一体とした薄型デザインのヘッドランプや、フェンダーアーチに施されたプレスラインなどがクラスを超えた高級感を醸し出しています。

居住性にも優れており全長4mとコンパクトながら室内は2,030㎜を確保。後席には大人が余裕をもって座ることが可能です。もちろん安全性能にも優れており、ファミリーカーとしてもピッタリということから幅広い層から人気を集めています。実際販売はとても好調で、昨年の2022年はノートとノート オーラ合わせて11万107台を販売電動車(ハイブリッド車含む)販売台数No.1を獲得しています。

ノートのカスタマイズカーがノート オーテックですがその中でノートをSUVに仕立ててカスタマイズモデル、オーテック クロスオーバーです。こちらはスポーティかつ高級感を与えた専用のエクステリアやインテリアが追加されていることに加えて、専用のサスペンションとホイールによって地上高を25mmアップし、走破性を高めたというモデルとなっています。

そのオーテック クロスオーバーの、さらにバージョンアップモデルともいうべきなのが2023年1月に新たに加わった「クロスオーバー+アクティブ」です。このクロスオーバー+アクティブがどんなモデルなのか、簡単に言ってしまうとオーテック クロスオーバーをベースにSUVらしいスタイルを強調してくれるシルバーのフロントプロテクターとルーフモールを加えたモデルといったものです。ではどんなモデルなのかもっと細かく見ていきましょう。

専用装備のシルバーフロントプロテクターと
シルバールーフレールモールを追加

専用装備のシルバーフロントプロテクターとシルバールーフレールモールを追加
(引用:日産公式HP)

まずエクステリアですが、もともとのオーテック クロスオーバーに装着されているノーマルノートにはない専用装備は以下です。

専用フロントグリル
専用グリルフィニッシャー
専用ホイールアーチガーニッシュ
専用サイドシルプロテクター
専用ルーフモール
専用エンブレム
専用シグネチャーLED
専用メタル調リモコンドアミラー
専用16インチアルミホイール(切削光輝)

フロントグリルとグリルフィニッシャーは他のオーテックモデルと共通ですが、SUVらしさを強調してくれるホイールアーチガーニッシュやサイドシルプロテクターはノート オーテッククロスオーバー専用となっています。

ここにオーテック クロスオーバー+アクティブの専用アイテムとして新たに加わったのが「シルバーフロントプロテクター」と「シルバールーフレールモール」です。ちょっとしたアクセントが加わっただけともいえますが、これが意外に効果的。なんといっても光モノが加わったことでよりいっそうSUV感が強まっています。

特に特別色のピュアホワイトパールとのマッチングは抜群で、樹脂モールも相まって重厚感が増しています。ノーマルのノートは引き締まったスタイリングのため実寸以上にコンパクトに見える印象があるのですが、このオーテック クロスオーバー+アクティブは車高も上がり、エクステリアに存在感もあって迫力があります。ちょっとしたカスタマイズなのですが、SUV感は明らかにアップしているのではないでしょうか。

そして専用オプションとしてオーテック クロスオーバーロゴ入りのボディサイドデカールとオーテックロゴ入りホイールアーチデカールが用意されています。SUVらしさをさらに強調したいならこれらのアイテムも効果的かもしれません。

ボディサイズはコンパクトなまま
車高が抑えられて立体駐車場にも対応

ボディサイズはコンパクトなまま車高が抑えられて立体駐車場にも対応
(引用:日産公式HP)

ただ、ボディサイズ自体はノーマルのノートとほぼ同じです。全長4065mm×全幅1700mm×全高1545mmと、とてもコンパクト。これはオーテック クロスオーバーも、オーテック クロスオーバー+アクティブまったく同じ。どちらも車幅が1,700㎜と3ナンバー枠ですが、これはフェンダーのモールの分。ほぼ5ナンバーなので取り回しにも優れています。

また、最低地上高は25㎜高くなっていますが、それでも全高は1545㎜と立体駐車場にも対応できるレベルに抑えられています。ちょっとしたことですが特に都市部では利用できる駐車場の選択肢が広がるというのは大きな利点でしょう。

海に広がる波をイメージしたという
シート表皮が非常にユニーク

海に広がる波をイメージしたというシート表皮が非常にユニーク
(引用:日産公式HP)

インテリアにも特別装備が装着されています。ただし、こちらにはオーテック クロスオーバー+アクティブ専用のアイテムはなく、基本はオーテック クロスオーバーと共通となっています。具体的には以下のようなアイテムが専用装備として装着されています。

ダークウッド調フィニッシャー
合皮アームレスト<フロントセンター、フロントドア>[ブルーステッチ]
フロントセンターアームレスト[センターコンソールボックス、ブルーステッチ]
リアセンターアームレスト[カップホルダー2個付]
ブラックレザレットシート[ブルーステッチ]「AUTECH CROSSOVER」刺繍
専用ブラック本革巻ステアリング(ブルーステッチ)
AUTECHエンブレム

インテリアで非常にユニークなのはブラックレザレットという合成皮革のシート表皮でしょう。これはオーテック クロスオーバーとオーテック クロスオーバー+アクティブ専用で、湘南の海に広がる波を表現したというものとのこと。

波というか、ちょっと魚のうろこにも見えてしまいますが、とても個性的でブルーのステッチと合わせて確かに波が広がる海面のようにも見えなくもありません。ノーマルのノートにはないアクティブな印象は確かに感じられます。

4WDモデルは前後にモーターを持ち
優れた走破性も実現

4WDモデルは前後にモーターを持ち優れた走破性も実現
(引用:日産公式HP)

オーテック クロスオーバー+アクティブのパワーユニットはノーマルのノートと全く変わりません。エンジン最高出力は82PSで最大トルクは103N・m(10.5kgf・m)。そしてフロントモーターの最高出力116PS(85kW)で、最大トルクは280N・m(28.6kgf・m)。4WDモデルはさらに後輪にもモーターが搭載され、こちらの最高出力は68PS(50kW)、最大トルク:100N・m(10.2kgf・m)となっています。

ポイントはリアにもトルクフルなモーターを搭載していること。先代のノートe-POWERにも4WDが設定されていましたが後輪モーターは最高出力がわずか4.8PSで最大トルク15 N・mとせいぜいアシストレベル。積極的に駆動力を発揮するというものではなく発進から30km/h程度までしか後輪を駆動してくれず、雪道など滑りやすい路面で発進を助ける程度のものでしかありませんでした。

でもオーテック クロスオーバー+アクティブ含め、現行ノートの4WDモデルなら、後輪が積極的に仕事をしてくれるので滑りやすい路面でも安定した発進、加速が可能です。雪道からちょっとしたダート道まで、安心して走ることが可能です。オーテック クロスオーバー+アクティブを選ぶのであればやっぱりそんな4WDがベストといえるでしょう。

価格はベースモデルに対して約4万円ほどアップ

価格はベースモデルに対して約4万円ほどアップ
(引用:日産公式HP)

燃費に関してですが、パワーユニットや車体に変更があるわけではないのでベースとなったノーマルノートと基本的には変わりません。WLTCモード燃費は2WDのXグレードで28.4km/L。4WDのX FOURで23.8Km/Lです。2WD車は、「2030年度燃費基準達成車」、 4WD車は「2030年度燃費基準90%達成車」となっています。

そして、ノート オーテック クロスオーバー+アクティブの価格ですが、2WD(Xグレードベース)が266万9,700円で、4WD(X FOURベース)が292万8,200円となっています。

ベースとなったノート オーテック クロスオーバーの価格が2WD(Xグレードベース)が262万5,700円で、4WD(X FOURベース)が288万4,200円なので、ベース車に対してオーテック クロスオーバー+アクティブの車両価格は+4万円ほどというわけです。追加された専用装備を考えればこれは妥当といえるでしょう。

シルバーのフロントプロテクターとルーフモールの追加はSUVらしいスタイルをより強調する効果は確かにありますし、オーテック クロスオーバーより魅力的になったことも間違いありません。ノートに魅力を感じているけれど、他のノートとはちょっと違ったモデルが欲しいという方は、ノート オーテック クロスオーバー+アクティブは結構ねらい目でしょう。今回ノート オーテック クロスオーバー+アクティブのスペックを深堀りしてみたら、ちょっとしたバージョンアップということはわかりましたがそれでも十分注目に値する一台ではないでしょうか。