N-BOXといえば今やホンダの屋台骨。なんといっても2017年から3年連続で販売台数ナンバー1ですからまさに軽自動車(登録車を含めてもナンバーワンです)のキングです。そんな大ヒット記録中の現行型ホンダN-BOXが2020年12月24日にマイナーチェンジを実施しました。大ヒットモデルだけに大幅なテコ入れはないだろうと予想されていましたが意外にもカスタムのフロントフェイスを大きくデザインチェンジ

また、そのほかにも様々なアップグレードが行われています。何が変わったのか、マイチェン前のN-BOXオーナーや、またN-BOXの購入やカーリースでの利用をまさに検討した人には非常に気になるところでしょう。ということで、その気になるN-BOXアップグレードポイントについて詳しく紹介します。

圧倒的な人気。新車販売台数3年連続1位!


(引用:ホンダ公式HP)

軽スーパーハイトワゴンの代表として、圧倒的な人気を誇っているホンダN-BOXシリーズ。その発売は2011年12月からで、以来その人気は全く衰えることがありません。ライバルメーカーもN-BOXに対抗するスーパーハイトワゴンを次々投入していますが人気を揺るがすまでにはいっていません。

なんといっても登録車を含めた新車販売全体では3年連続で1位。さらに軽自動車の販売台数なら5年連続でナンバー1、あまりにも強い。

リースナブルでも軽自動車・コンパクトカージャンルでは人気ランキング1位を長くキープし続けていますし、その牙城はしばらく崩れることはないでしょう。

ちなみに現行型のN-BOXは2017年8月に発売された2代目モデルになります。初代からそのイメージはあまり変わっておらず、軽自動車ユーザーが求める形がこのN-BOXということなのでしょう。とはいえ登場より丸3年となり、そろそろ新鮮な話題が欲しいなと思っていたところに実施されたのが2020年12月24日の初のマイナーチェンジです。

人気車種のマイナーチェンジは決して簡単なものではありません。下手に手を入れるとかえって「欲しかったN-BOXはこんなのじゃない!」など反感を買ってしまう可能性もあるのですから、難しいものなのです。では、どのような変更が実施されたのか細かく見てみましょう。

グリル他フロント周りのデザインがアップデート


(引用:ホンダ公式HP)

まず誰もが一番気になるのはもちろんエクステリアデザインでしょう。N-BOXには「標準仕様」とドレスアップ仕様の「カスタム」の2種類がラインナップされていますが、どちらのモデルも主にフロントマスクが変更されています。といっても決してガラッと一新したわけではありません。

まず、標準モデルはフロントグリルのデザインが変わり、センターにクロームメッキのルーバーが配置されました。またロアグリルにもクロームメッキのパーツが配されています。

しかし、イメージは大きく変わっていません。おそらく新型と旧型を並べて比較しないとどこが変わったのかわからないでしょう。ただより上質なイメージとなっているように感じられます。

軽自動車ながら迫力あるデザインが人気のN-BOXカスタムのほうは標準仕様と比較するとフェイスデザインが大きく変更されています。グリルやバンパーの形状もかなり変わっているのでこちらは一目で新型だというのが分かります。

フロントグリルの中央は、従来はフラットなパネル形状だったのがそこにスリットを追加。より立体的なデザインとしています。またロアグリルの開口部も拡大。フォグランプ周囲をメッキの装飾で囲むことでさらなるワイド感を演出しています。

また、ナンバー位置もバンパー中央に移動。標準車との差別化が明確になり、N-BOXカスタムはその存在感が明らかに増したといえるでしょう。

インテリアはシックで高級感のあるカラーにチェンジ


(引用:ホンダ公式HP)

インテリアは形状などの変更はありませんが、標準車、カスタムともカラーの変更が行われています。標準車は、ダッシュボードの下部とドアトリムなどがベージュからダークブラウンとなりました。以前よりも落ち着いた印象です。また汚れなども目立たなくなっています。

カスタムはブラックベースなのは変わりませんが質感の高いマルチブラック塗装の装飾パネルが装着されました。こちらは高級感がかなり増したような印象ですね。

シート表皮などは基本的にどちらもマイチェン前と変わりませんが装飾パーツなどが一部変更となっています。また全車標準となったのがシートバックテーブルです。後席で使えるコンパクトなテーブルですがドリンクポケット付きで家族には喜ばれるかもしれません。細かなバージョンアップですがファミリーカーとしての用途を考えると意外にうれしいポイントでしょう。

合皮のシートなど注目は新たに設定されたコーディネートスタイル


(引用:ホンダ公式HP)

また、新しいN-BOXでは、新たに「コーディネートスタイル」というグレードが追加されました。標準車、カスタム双方に設定されており、2トーンカラーモデルのカラーカスタマイズ性をさらに発展させたグレードです。

まず標準モデルの「コーディネートスタイル」では2トーンのルーフ色が「ブラウン」になっています。さらに、専用ホイールは14インチのブラウンスチールホイールが組み合わされ、そこにクローメッキのハーフホイールキャップが装着されます。クラシカルな印象で非常におしゃれです。

インテリアもベースモデルとは違った赤味の強いダークブラウンの内装色を採用。そしてシートや加飾パネルもツヤのあるブラウン色のものが装着されます。印象がかなり変わっており、より上品で落ち着いた雰囲気になっています。

カスタムの「コーディネートスタイル」のほうはよりクールな仕立てです。2トーンカラーのルーフはボディカラーによってブラックルーフもしくはシルバールーフとなりますが、フロントグリルやバンパー、ドアハンドルはどのカラーでもダーククロームメッキが施されます。そしてホイールはブラック塗装の専用アルミホイールとなり、スポーティな印象に。

注目点は、インテリアです。ブラックが基調というのは変わりませんが、ワインカラー系のマルチボルドー塗装が施されたパネルが装着されています。さらに、シートにはホンダの軽自動車としては初となる「フル合皮シート」を採用。シート中央にはボルドーのアクセントストライプなども加えられていて、かなりゴージャスな印象です。軽の高級車といったイメージにまとめられています。

ただ、価格もその分高め。カスタムのL・ターボ コーディネートスタイルとなると2DWモデルで209万9,900円です。4WDになると223万3,000円! おしゃれで魅力的なグレードではありますがこの価格を見るとちょっと買うのを躊躇してしまいそうです。

走りの質感や安全性に関しても細かなアップデートを実施


(引用:ホンダ公式HP)

そのほか機能面では安全運転支援機能パッケージの「ホンダセンシング」が一部アップデートしています。「アダクティブクルーズコントロール(ACC)」が高速道路などで120km/hまで対応となったほか、後方誤発進抑制機能のセンサーが2つから4つとなり検知能力を高めています。またこのセンサーはパーキングセンサーとしても活用できるようになったとのこと。

さらに、CVTの制御をチューニングしてエンジンブレーキをかけた際や再加速をすると時に適切なエンジンブレーキが得られるようになっています。よりスムーズで快適な走りが味わえるようになったわけです。

パフォーマンスなどは特に変更されていませんが、全体的に質感を高める方向でマイナーチェンジが実施されたということでしょう。

N-BOXはホンダによっても非常に重要な車種です。そのため慎重に、それでいてナンバーワンを維持できるような賢明なマイナーチェンジが実施されたといっていいでしょう。

特に今回追加されたグレード「コーディネートスタイル」はかなり魅力的です。N-BOXは欲しいけれど、売れすぎて巷にあふれているのが残念、と考えている方は、この個性的なN-BOXは要注目と言えるでしょう。値段が高いのはネックですが、機会があれば是非ディーラーなどでチェックしてみてください。