屋外の駐車場に並んでいるクルマを見ると、ボディはきれいなのにヘッドライトのレンズだけがやけに黄ばんでいるというものを見かけることがあります。なぜそうなるのでしょう。それにレンズが黄ばんでいるだけで年式以上にクルマが古くさい印象に見えます。そんなヘッドライトの黄ばみ、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

レンズが黄ばんでいると見た目が悪くなるだけでなく、レンズの劣化はヘッドライトの光量を落とす原因にもなります。そして、それが原因で車検に通らないということもあり得る意外に厄介な問題です。

そうなったらどうすればいいのでしょうか。実は解消する方法があります。そこで今回はヘッドライトの黄ばみを解消するDIYノウハウと予防方法に関してご紹介します。

直射日光が直接当たる環境で
クルマを管理していたのが原因

何もしていないのに、気が付いたら愛車のヘッドライトのレンズが黄ばんでいる。そんな経験されたことのある方きっと少なくないはずです。ではなぜそうなってしまうのでしょう。

考えてみてください。あなたの愛車は日ごろどのような環境に駐車していますか。

おそらくですが直射日光がヘッドライトに当たるような屋根なしの駐車場に停めてはいませんか。そうなのであればそれが原因です。何もしていないのに黄ばんだのではなく、(ダメージを与える直射日光を避けるようなことを)何もしていないから黄ばんでしまったのです。ようは自分のせい。

ヘッドライトの黄ばみ、一度気づいてしまうと以後はとても気になってしまいますよね。それに、ただ見た目が悪いだけでなく、ヘッドライトの黄ばみはライト点灯時の光を遮ることにもなりますから光量も落ちます。そうなれば夜間のドライブで十分な視界が確保できず、最悪の場合事故につながるようなこともないとは言えません。そう、レンズの黄ばみは思っている以上にやっかいな問題なのです。

さらに、もっと重要なことがあります。それはヘッドライトの黄ばみが原因で車検に通らないということもあり得るということ。ご存じの方もいると思いますが、平成27年9月から車検のヘッドライトの検査基準が変わりました。

それまでは、ヘッドライトの検査はハイビームのみだったのですが、今はロービームの検査に切り替わっています。そして光軸や光量に関しての検査がより厳しくなりました。その結果、レンズの黄ばみによってライトの光量が足りないと判断されると、車検に通らないこともあるのです。というかそのようなトラブルが増えています。

そうなったら最悪ヘッドライトユニットの交換が求められるなんてことも。ヘッドライトユニットは非常に高価です。片側だけで数万円から10万円オーバーの出費が強いられてしまう可能性もあります。それは困りますよね。

ポリカーボネート(樹脂)でできたレンズは
紫外線によって大きなダメージを受ける

でも、直射日光を浴び続けただけでなぜヘッドライトは黄ばんでしまうのでしょうか。それは素材が原因です。昔のクルマのヘッドライトにはガラスレンズが使われていました。透明度が高く、経年劣化にも強いガラスです。

でも、今のクルマは燃費の向上やコストダウンのためにできるだけ安価でなおかつ軽量な素材が求められます。それで、今のクルマのヘッドライトレンズはほぼすべて樹脂が使われているのです。そして、その樹脂こそがポリカーボネートでその特徴は非常に強度に優れ、軽量で柔軟性があるうえ、透明度が高いということ。ライトのレンズにももってこいです。

とにかくポリカーボネートは頑丈です。ちょっとぶつけたくらいでは破損することもありません。ガラスレンズのように割れてバラバラに砕けるということがないのです。

どれくらい強いのかというと、警察で使われている透明の盾を見たことはありませんか。あれがポリカーボネート。そんな盾に使われるくらいとても頑丈な素材なのです。

ただ、そんなポリカーボネートにも弱点があります。それが紫外線です。ようするにポリカーボネートは樹脂、つまりプラスチックの一種なので、紫外線を浴び続けると劣化してしまうのです。

そして、徐々に黄ばんでしまいます。すると透明度が失われてライトの光量を落とす原因となってしまうのですね。そのように直射日光、つまり紫外線を長期間浴び続けることで急激にその劣化は進行してしまうのです。

紫外線や点灯による熱
さらに洗車もレンズを痛める原因に

ヘッドライトに直射日光があたるような環境でクルマを管理しているとこのようにヘッドライト黄ばみが起きてしまうというわけです。とはいえ、自動車メーカーもポリカーボネートが紫外線に強くないということは知っています。だからヘッドライトのレンズ表面にはその紫外線を防ぐ透明なコーティングが施されています。それがハードコートです。

このハードコートですが、レンズの表面をしっかりと多いつつ、透明度は保たれており、なおかつ耐久性にも優れている特別なコーティングです。洗車程度では簡単に剥がれるなんてこともありません。

でも、紫外線というのは我々が想像するよりも強力なもの。人間の肌にも大きなダメージを与えますが、それ以外のも樹脂ほかあらゆる素材の劣化を急激に進めてしまうものなのです。

その紫外線を長期間浴びつづけ、さらにライトを点灯した際の熱がレンズの裏側からも徐々にダメージを与える。加えて洗車の際にスポンジやブラシでレンズを激しくこするなどすれば、ダメージが蓄積して表面も徐々に削れていき、やがてハードコートが剥がれてしまうのですね。そしてレンズが黄ばみ始めるというわけです。

レンズユニット交換による数万円の
出費を避けるならDIYでレンズ磨きにチャレンジ

ヘッドライトのレンズに黄ばみが発生すると、何もしなければその黄ばみは徐々に進行していきます。そのまま放置すればやがてすりガラスのようになり透明度が失われ、そして車検が通らないレベルまでレンズが劣化してしまうことになるわけです。そうなった場合どうすればいいのか。

最も簡単なのはヘッドライトユニットを交換するということ。でもこれは前述のとおり、多額の費用が掛かります。ではそれ以外に対処方法はないのか? そんなことはありません。DIYによって黄ばみを解消する方法があるのです。

ヘッドライトの黄ばみ取り用のアイテムというもの今は数多く売られています。そういったアイテムを使用し、正しいプロセスで作業を行えば、黄ばみを解消することは不可能ではありません。

それにDIYなら費用も抑えられるので、交換するよりもずっとお得です。ただし、そのやり方を間違えると黄ばみが解消できないだけでなく、クルマのボディの塗装面など余計なところにまで傷をつける可能性もあるので注意が必要です。

さらに、DIYによるレンズ磨きでもコーティングは必須。これをしないとすぐにまた黄ばみが起きてしまいます。でも、市販のレンズコーティング剤はメーカー純正のコーティングほどの耐久性は期待できません。そのため一度DIYでレンズを磨いたら、その後は定期的なコーティング作業を繰り返さなくてはなりません。

それでも数万円ものコストを払ってレンズユニットを交換するよりもお得なのでチャレンジする価値はあるでしょう。ではどのようなことをすればいいのか、次のパートからそのやり方を紹介します。

レンズ磨きの前にまずしっかり洗車して
余計なホコリや砂を洗い落とす

まずは必要なアイテムをそろえてください。以下のようなものです。

  • ●マスキングテープ
  • ●耐水ペーパー
  • ●バケツ
  • ●洗車用シャンプー
  • ●スポンジ
  • ●コンパウンドもしくはピカール
  • ●ウエス
  • ●レンズコーティング剤

これらをそろえ、クルマを日陰に移動したら、まずはクルマを洗車してヘッドライト周りのホコリや汚れを洗い流してください。ホコリや砂などが付着した状態でレンズを磨き始めると余計な傷をつけてしまうので気を付けましょう。洗車を終えたらレンズ磨き作業を開始します。

  1. 作業中に手が滑ってボディの塗装に傷をつけてしまわないヘッドライトレンズ以外の部分をしっかりマスキングしてください。
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  3. マスキングできたらペーパーがけです。耐水ペーパーは600番から1500番くらいまで数種用意して下さい。一番粗目の600番や800番の耐水ペーパーから使用します。バケツにためた水に耐水ペーパーを浸してから磨きます。時々削りカスをバケツの水で洗い落としながらレンズを磨きます。水で濡らすことで摩擦熱が抑えられ、磨きカスも洗い落とせます。
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  5. 磨いていくと黄ばみが削れて黄色い水が出てきます。これが変色した樹脂です。この黄色い水が出なくなるまで力を入れず均等に磨いてください。粗目の耐水ペーパーで磨くとレンズ表面が曇りガラスのようになりますが徐々に細目に交換しながら磨き続けると荒れがなくなり、曇りも取れ透明になっていくはずです。
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  7. ペーパーがけが終わったら仕上げにごく細めのコンパウンドやピカールで磨きをします。磨き用のクロスなど柔らかいウエスを用意してコンパウンドを少量取ったらレンズを磨きます。力を入れすぎないよう慎重に磨きましょう。
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  9. 磨いてレンズの透明度が戻ったら、最後にコーティング剤でレンズの表面を保護します。レンズ専用のコーティング剤はカー用品店などで入手可能です。
    https://www.soft99.co.jp/products/detail/03144/

 

これで作業は終了です。

コーティング剤を使用することでレンズ表面を保護することができレンズが黄ばむのを防いでくれます。ただし、市販のコーティング剤はもともと施されていたコーティングほど耐久性はありませんので、以後は極力直射日光が当たらない環境でクルマを管理してください。

それが難しい場合は半年、もしくは1年に一回ほど再コーティングするようにするといいでしょう。

手軽にレンズ磨きができる
クリーニングキットも便利

レンズの黄ばみは気になるけれど、サンドペーパーで表面を削るというのはさすがにハードルが高い、という場合は、専用のクリーナーやクロス、コーティング剤などがセットになった、ヘッドライト専用のクリーニングキットなどを使ってみてはいかがでしょう。

https://www.soft99.co.jp/products/detail/03133/

こちらなら専用のクリーナーをクロスに着けて磨くだけなのでレンズへのダメージも少ないですし、DIY初心者でも扱いは簡単です。

ただし、黄ばみの進行がそれほどでもない状態でなら効果的ですが、黄ばみがかなり進行している場合は黄ばみが取り切れない可能性もあります。

クリーニングキットはレンズへのダメージは少ないですが、黄ばんだレンズ表面を確実に削り取れるわけではありませんので、その場合は耐水ペーパーを使用して本格的に磨いた方がいいかもしれません。

おすすめは、まずはクリーニングキットを試してみて、思ったほど効果が得られなかったという場合に、先に紹介して耐水ペーパーを使った研磨を再度試してみるというもの。またDIYによる作業に自信がない場合はカー用品店などでもレンズ磨きサービスを提供しているのでそちらを利用するというのもいいかもしれません。

直射日光の当たらない環境に停める
もしくはボディカバーを常用する

ヘッドライトの黄ばみがしっかり解消できたら、以後は愛車の管理方法にも気を遣うようにしましょう。直射日光がダイレクトに当たる環境に停め続ければあっという間にまた黄ばみが発生してしまいます。

自宅にクルマを停めているなら、カーポートなどを設置して直射日光があたらないようにするのがいいでしょう。費用は掛かりますが効果的です。

もし月極駐車場で車を管理しているなら、駐車場所を変えて、昼間日陰になるような北向きの駐車場所に移動するのもおすすめです。

とはいえこういったことを実行するのは費用も掛かりますし手間もかかります。なかなか難しいかもしれません。

であれば、簡単なのは、駐車中、大切な愛車にボディカバーをかける習慣をつけるということかもしれません。これなら、ヘッドライトというかクルマ自体に直射日光があたるのを確実に防ぐことができます。

それにレンズだけでなく塗装も保護できますし、鳥の糞や黄砂、花粉などからもクルマを守ることが可能です。費用だってそれほど掛かりません。毎回ボディカバーをかけるのはちょっと面倒ですが、すぐにでも実行できることなので是非ためしてみてださい。

レンズ磨きは効果的でコスパも抜群
でも、大切なのは日ごろのクルマの管理

ヘッドライトの黄ばみは厄介な問題ですがご紹介したようにDIYによって解消することも可能です。決して難しい作業ではありませんし、そのためのアイテムもさほど高いものではありません。もしマイカーのレンズ黄ばみが気になっているなら一度試してみてはいかがでしょうか。

うまくいけば、レンズ交換費用が節約できるかもしれません。とはいえまずはレンズが黄ばまないように日ごろからのクルマの管理にも注意してください。