タイヤの空気圧の管理できていますか? 安全で快適なカーライフを送るためにドライバーにとって欠かせないことの一つがタイヤの空気圧管理です。それはマイカーであっても、カーリース車であっても変わりません。空気圧が正常でないとクルマはその性能を発揮できず、また危険でもあるのです。

そして空気圧が不足しているなら直ちに正しい空気圧となるまで空気を充填しなくてはいけません。手元に空気入れをお持ちでないなら、是非おすすめしたいのが充電式ポータブルエアコンプレッサーです。これなら小型で手軽、またタイヤの空気入れ以外にも重宝する。そんなポータブルエアコンプレッサーについて、タイヤの空気圧チェックの方法と合わせて、その選び方や使い方を解説します。

一月に一度はタイヤの点検を
カーリース車でも自分の手で行おう

一月に一回を目安に行うべきとされているクルマの日常点検。その項目はいくつもありますが、その中でも特に気を付けなくてはいけないのがタイヤのチェックです。

なぜならタイヤはクルマと路面を唯一つないでいる部分だからです。どんなに高性能なクルマであっても、タイヤが正常でなければその性能を発揮することは不可能です。またタイヤに異常があれば即事故にもつながる可能性があります。ですからタイヤの点検は非常に重要なのです。

タイヤの点検といっても難しいものではありません。空気圧が正常値か、トレッドの溝の残りは十分か、また偏磨耗やキズ、異物が刺さっていないかなどを確認すればいいだけです。その中で面倒なのは空気圧チェックでしょうか。目視では確認できませんのでエアゲージなどが必要となります。

エアゲージなんて持っていない、という方もきっといるでしょう。カーリース車を利用していて、メンテナンスはリース会社任せにしている人ならおそらく持っていないはず。

でも、その場合でも、カー用品店やガソリンスタンドなどでチェックをお願いすれば空気圧チェックは可能です。とはいえ、毎回お願いするのは面倒ですよね。頻繁に使用するものですからできれば一つ自分用のエアゲージを持っておくことをおすすめします。

エアゲージは自動車用品店や通販で簡単に購入できます。価格も2000~3000円と手ごろです。大きな負担ではありませんから、一つ購入してクルマに常備しておくといいでしょう。では空気圧の測り方はどうすればいいのか。

エアゲージがあれば空気圧の
チェックは非常に簡単

空気圧のチェック方法は簡単です。タイヤのエアバルブを外し、エアゲージの先端をそのエアバルブに押し付けるだけです。するとエアゲージの針が振れてそのタイヤの空気圧を表示してくれます。注意点は空気が漏れないようにしっかりとエアバルブにエアゲージを押し付けること。また、もたもた作業していると空気がどんどんもれてしまうので、手早く行うことです。それだけでタイヤの空気圧を測ることが可能です。

ただし、気を付けなくてはいけないのが、数千円レベルで購入できる市販のエアゲージはさほど精度は高くないということ。どうしても多少の誤差があります。とはいえ、レースなどで使用するのではなく、また、インチアップなどで指定されたサイズを超えるタイヤを装着しているなどではなければ、一般的な使用ならさほど問題ではないでしょう。

それでも、もっと正確な空気圧が知りたいというなら、自動車ディーラーやタイヤの専門店などに行きプロの手で測ってもらうのがベストです。ガソリンスタンドの無料エアゲージも使い方によって誤差が生じるので自分ではなくプロにしっかり測ってもらうのが良いでしょう。

その後自前のエアゲージで測り、その誤差がどれくらいあるのかメモしておきます。そして計測の際はその誤差分を加味すればより正確な空気圧を測ることができるというわけです。

走行後タイヤは熱膨張で空気圧が高くなる
冷えた状態で測るようにしよう

ちなみにタイヤは温まると熱膨張によって内部の空気圧も高くなってしまいますので空気圧のチェックはタイヤが冷えているときに行いましょう。ようするに走り出す前に測ればいいのです。

そして、肝心のクルマの適正な空気圧ですが、これはクルマによって違います。説明書などにも書かれていますし、説明書が手元になくても運転席のドアを開けた開口部のボディ側やドアの断面部分にシールなど空気圧が記載されたステッカーが貼られているはずです。その数値に従って4本それぞれのタイヤの空気圧を正確に測ります。すべてのタイヤの空気圧がその値どおりであればOKです。

指定されている空気圧ピッタリというのはなかなか難しいと思います。指定された空気圧の数値を下回らず、また上回っている場合は上限10%程度までであれば問題ありません。

もし前回測った時よりも大きく空気圧が下回っている場合はタイヤに損傷がある可能性があります。タイヤ本体ではなくバルブなどに問題もある可能性があるので、ディーラーや修理工場、タイヤショップなどで点検を受けてください。数%低くなっている程度であれば、さほど問題はありません。ゴムでできたタイヤは、もともと空気をわずかに通過させる特性をもっているので何もしなくても徐々にぬけてしまうからです。

1か月で失われるタイヤの空気圧は全体の2~5%程度。それくらいの空気圧低下であればさほど心配する必要はないでしょう。

エアーコンプレッサーがあれば
自宅でタイヤの空気圧が調整できる

もしそれ以上に空気圧が低下しているなら、空気入れを使って空気を充填してください。ガソリンスタンドなどに寄った際についでに充填してもらってもいいのですが、空気入れはエアゲージと合わせて手元に一つ用意しておいた方が便利です。前述したようにタイヤは冷えている状態で空気圧を測るのがセオリーですので出かける前にチェック&調整を行うのがベストだからです。

空気入れには昔ながらの足踏み式など手動のものもありますが、人力で4本すべてのタイヤに空気を入れるのはさすがに面倒ですよね。そこでおすすめしたいのが充電式のポータブルエアコンプレッサーです。これならコンパクトで面倒なコードをつなぐ必要もない。さらにスイッチ一つで簡単に空気の充填が可能です。

電動タイプのエアーコンプレッサーにはエアツールなどに使える大型のものから、クルマのシガーソケットから電源を取るもの。レジャー用品などの空気入れと兼用できる、家庭のAC100V電源タイプなど様々なものがあります。ちょっと変わったものでは電動工具に取り付けるアタッチメントタイプの空気入れなどもあります。どれも空気を充填するという機能に関しては大きな差はありませんが、筆者がおすすめしたいのは充電式ポータブルエアコンプレッサーです。

これならサイズもコンパクトで、使い方も簡単。また、ネット通販などで簡単に手に入ります。価格も3,000円~1万円程度と思いのほかリーズナブルです。コンパクトなものが良いならUSB充電タイプで、パワーは100PSIもあれば十分でしょう。

充電式ポータブルエアコンプレッサーの使い方はどれも同じようなもので、まずクルマのタイヤのエアバルブにあったアタッチメントに交換します。エアーコンプレッサーには自転車用やボール用などいくつかアタッチメントが付属しているので適したものに交換してください。

そして、液晶画面などであらかじめ空気圧を指定します。空気圧の単位にはPSI、Kpa、bar、そしてkgf/㎠がありますが、国産車のタイヤの空気圧は、kgf/㎠で表記されているはずなのでkgf/㎠に切り替えてから、適した値を入力します。代表的な空気圧の換算表は以下です。kgf/㎠への切り替えができない場合はbarで数値を入力するといいでしょう。1bar=1.02kgf/㎠でほぼ近似値となります。

代表的な空気圧の換算表

kgf/cm2 PSI kpa bar
2.0 28 200 2.0
2.1 30 210 2.1
2.2 31 220 2.2
2.3 33 230 2.3
2.4 34 240 2.4

 

あとはエアバルブにコンプレッサーのホースを確実につなぎスイッチを入れるだけです。あとは自動的に指定した空気圧まで空気を充填してくれ自動で停止します。そしてホースを外すだけで終了です。もしキチンと指定した空気圧になっているか不安なら、エアゲージなどを使って正しい空気圧か確認すればいいでしょう。

空気が入れられるだけじゃない
ジャンプスターター機能を持つものも

充電式ポータブルエアコンプレッサーの利点はリーズナブルかつコンパクトなだけではありません。製品によりますが、大容量バッテリーを搭載したタイプであれば、空気入れに使えるだけでなく、ライト(照明)が内蔵されていたり、ジャンプスターター機能やモバイル機器への充電機能などを備えたものも珍しくありません。

ジャンプスターターはドライブ先でバッテリーが上がってしまった場合に、充電池を使ってエンジンの始動をおこなってくれるという便利機能。いざというときのために是非持っておきたいカーアイテムの一つです。

それにモバイルバッテリーとしても使えるなら、スマホやタブレット、ゲームなどの充電にも役立つ。エアーコンプレッサーとしての出番は月に一度程度かもしれませんが、モバイルバッテリーがあれば、家族とのドライブの際にも間違いなく役立ってくれるはずです。

それが、エアーコンプレッサーと一体になっているとなればこんなにありがたいものはありませんね。

もちろん空気入れとしてもクルマのタイヤ以外にバイクや自転車のタイヤの空気入れとしても使えますし、サッカーボールやバスケットボールなどの空気入れとしても、またビーチマットや子供用プール、浮き輪などの空気入れとしても活躍してくれるでしょう。クルマ以外でも役立つので一つ持っていて絶対に損はないでしょう。

充電式ポータブルエアコンプレッサーは大きさやデザイン、細かな機能などの違いで様々なタイプがあるので、自分の好みに合ったものを選んでください。一つクルマに常備しておくといざというときにきっと頼りになってくれるはずです。

緊急用のテンパータイヤの
空気圧点検も忘れずに

充電式ポータブルエアコンプレッサーの大きさはモバイルバッテリーを一回り大きくした程度です。デザインにもよりますがクルマのグローブボックスなどに収納できるくらい小さなものもあるので、クルマに常に常備しておいても邪魔にならないでしょう。

なお、内蔵バッテリーの充電管理はまめに行ってください。必要となった時に充電切れでは意味がありません。ただ充電式ポータブルエアコンプレッサーの多くはUSBで充電が行えるのでクルマにUSB端子があればそこから充電は可能です。そういった点も便利ですね。

最後にタイヤの空気圧の管理で、忘れずに行っておきたいのがテンパータイヤ(スペアタイヤ)の点検です。最近はスペアタイヤを搭載していないクルマも多いですが使用中のクルマに装備されている場合は、そちらの空気圧も定期的にチェックするようにしてください。

テンパータイヤは通常のタイヤよりも細く場所を取らない設計となっていますが、走行時に他のタイヤとバランスが取れるように空気圧は2倍ほど高くなっています。空気圧は高いですが、時間が経過すれば徐々に空気が抜けてしまうのは他のタイヤと同じです。

タイヤがパンクして、いざスペアタイヤの出番だ! となった時に、テンパータイヤがペッちゃんこでは意味がありません。定期的に空気圧のチェックを行い必要であれば空気の充填を行うようにして下さい。