新車を手に入れる方法として最近注目度が高まっているのが、新車カーリースです。月々の支払い額がお得なことがその大きな魅力といわれていますが、実際新車の購入と比べてみると具体的にどれだけお得なのでしょうか。自動車メーカーのローンによる支払額と、新車リースによる月々の支払額を比べてみました。

かつてのファミリアが今や220万円~!
新車のハードルはますます高くなった

クルマに乗るならやっぱり新車がいい!当たり前ですが(クラシックカーやヒストリックカーが欲しいという方は別です)、そうですよね。でも、国産車の価格は年々着実に上昇しています。いまや軽自動車でも150万円台が当たりまえですから軽自動車=低価格というのも、もはや過去のことになりました。

では、かつてのエントリーカー、コンパクトハッチバックは?先日マツダがアクセラの後継車としてマツダ3を発表しました。アクセラの後継車ということは、かつての大ヒットモデル、ファミリアの後継車ということですね。

ファミリアといえば実用性が高く、デザインもオシャレということで人気を博したお手頃なコンパクトカーで、かつて若者に大人気のクルマでした。

何よりも手ごろな価格も大ヒットした理由です。1996年発売の3ドアハッチバックの最終モデルは、新車価格で110万円ほどでしたので、今の軽自動車とかわらない、というかむしろ安かったのです。

しかし、その直系の後継車であるマツダ3の価格は、エントリーグレードの15Sでなんと222万1,389円です。さらに最高価格のグレードとなる20S Burgundy Selectionでは驚きの276万9,555円にもなります!

かつてそのコスパの良さで人気を集めたファミリア直系モデルが、税込み300万円…。とてもじゃないですがもはや若者が新車で買うことのできる、エントリーカーではなくなってしまったのです。悲しいですが仕方のないことなのでしょう。

必要なのは月々のリース料金だけ
登録諸費用や車検費用も不要

このようにあらためて現在の国産新車の価格を見てみると、もはや一部のお金持ちか、もしくはランニングコストがあまりかからない地域に住む人でないと新車に乗るのなんて無理なのではないかと思えてしまいます。

しかし、あきらめることはありません。クルマはなにも購入するだけが利用する手段ではないのです。賢い人たちは便利なサービスを利用して、月々の支払を抑えつつ、まっさらな新車を乗り継いでいるのです。ご存じでしょうか。

その賢い方法とは新車カーリースです。知れば知るほどお得で、なおかつ多くの人が利用し始めている新車カーリース、気になるのは実際どれだけ月々に支払いが抑えられるのでしょうか。

まず、カーリースのシステムですが、簡単に説明するとカーリース会社が購入したクルマを、契約者はあらかじめ決められた月々のリース料金を支払ってその期間使用することができるというサービスです。

クルマの所有者はカーリース会社となり、契約者がそのクルマの使用者という形になりますが、新車を購入したのと同じように、リース期間中使用者はそのクルマを自由に利用することができます。

注目を集めている最大の理由は、初期費用が不要なうえ個人向けのカーリースでは多くの場合、残価(契約満了時の車の査定価格)が設定されるので、より手軽に新車に乗れるという点でしょう。

さらに、カーリースのサービス会社によって違うのですが、例えば新車カーリースサービス『リースナブル』の場合なら、月額の支払料金には、クルマそのものの代金の他に、新車登録費用自動車税や自賠責保険料、重量税などの諸費用までがすべて含まれています。

さらに、新車から3年後の車検の際にも、基本点検料、完成検査料、代行料、重量税、登録印紙代を含めすべてが月々の支払額に含まれているので、クルマを利用するうえでそれらの費用が必要ないのです。

これが、新車を購入した場合なら、車検のたびに数万円から10数万円の費用が別途必要となります。月々の支払いにプラスして、さらに10数万円の突発的な費用負担となると、これは家計へのダメージが大きい。それを考えなくていいというのは何よりも大きなメリットです。

リースなら月々4万150円だけ。ローンなら
月々5万5,700円+登録諸費用に車検費用が必要

でも、月々の支払いがお得とはいわれても、具体的にはローンでの購入とカーリースでどれくらい違ってくるのでしょう。そこで、トヨタの人気ハイブリッドカー、プリウスをサンプルにローンでの購入と、リースナブルを利用した新車カーリースの月々に支払いで金額を比較してみました。

まず、リースナブルの新車カーリースの場合です。今回はプリウスのグレードSのベーシックプラン、60回の定額コースをサンプルとしました。

このベーシックプランには、7インチモニターのSDナビとバックカメラ、ETC車載器と、フロアマットがセットとなっています。新車購入でほぼ必須となるオプションがはじめからセットとなっているのはありがたいですね。

その支払い金額ですがWEBサイトを見れば一目瞭然。2019年10月時点での月々の支払いは36,500円(税込40,150円)の60回となっています。

単純にこれを計算すると支払総額は240万9,000円。もちろんこれには頭金もボーナス払いもなしです。さらに登録にかかる諸費用も必要ありません。

ではローンで購入するとどうなるか。トヨタの公式WEBサイトで簡単見積もり使い費用を算出してみました。同じプリウスのSで、オプションとしてエントリーナビを追加しています。

これを60回均等払いで支払った場合いくらになるのか。計算結果は初回が5万9,515円で、以後5万5,700円×59回の支払いとなります。計算すると支払総額は334万5,815円といなりました。

これを単純に月々の支払差額で比べると、5万5,700円-4万,150円で、1万5,550円も新車カーリースのほうが安く済む計算になります。

また、このローンの場合は車両価格だけの分割支払い額なので、これ以外にもクルマの登録にかかる諸費用が別途必要です。自動車税15000円(重量税は減税によって0円)。自賠責保険料が51780円。さらに販売諸費用47,590円、リサイクル料金11480円の合計110850円かかります。

さらに60回払いですから、3年後には車検費用(トヨタディーラー車検なら10~12万円前後)も別途かかります。つまり月々のローン支払いのほかに、別途それらの費用を用意しなくてはならないわけです。

ということは、前述したローン支払い額とリース支払額の差額1万5,550円の差はさらに開くことになるわけです。登録諸費用と車検費用をプラスして、それぞれを月々の支払いに加えると、差額は月1万9,000円ほどとなるでしょうか。これはかなり大きいですよね。

クルマのサブスクと考えれば
とても合理的なサービス

加えて、クルマを所有すれば、車両に対する月々の支払いのほかにも駐車場代にガソリン代、さらにタイヤやオイル、ワイパーなど消耗品の費用もかかります。また任意保険なども入る必要がありますから、家計のことを考えれば支払額は少しでも抑えておきたいでしょう。やはり新車を購入するよりもカーリースのほうがメリットは大きい。

また、月々一定の支払いだけで、使いたい放題というわかりやすさもいい。クルマは自分のものにはなりませんが、リース期間中は自由に使えますし、非常に合理的です。

音楽や動画、ファッションなども、今どきは自分で所有するのではなく、サブスクリプションサービスで利用するのが当たり前。すでにそれらのサービスを賢く利用されている若い世代の方なら、新車カーリースもなじみやすいでしょうし、そのメリットを理解したうえで利用することができるはずです。

クルマを自分のものとして所有し、その一台を、愛着を持って長く楽しむというのも素晴らしいことですが、今の日本ではクルマは長く乗れば乗るほど税金が高くなるなどデメリットも大きいです。

それにハイブリッドシステムにEV、先進安全技術に自動運転などクルマの進化もどんどん加速しています。むしろリースを活用して3年や5年ごとに新しいクルマを乗り継いでいったほうが、今どきのクルマとの付き合い方としてもより賢い選択といえるのではないでしょうか。