ドレスアップやカスタマイズとはいかないまでも、リース中のクルマに何らかのカー用品を取り付けたい、ということはよくありますよね。特にリース期間が5年以上であれば、その間に何かしら車内をグレードアップしたくなる気持ちも理解できます。

特に、デジタル系のカー用品は進化も著しいので、リース契約時は最新スペックであっても、3年もたてば古さを感じてしまうということもあるでしょう。例えばカーナビやドライブレコーダー、ETC車載器にバックカメラなどがその代表ですね。

しかし、そういったカー用品をリース車に後から自分で取り付けるということは問題ないのでしょうか?また、もし取り付けるとなった場合にはどのような点に気を付ければいいのでしょうか?

クルマの価値を落とさなければ
ドラレコ、カーナビの取り付けはOK

万が一の事故の際に、現場の状況をデジタルの映像と音声データで記録してくれる便利なドライブレコーダー(ドラレコ)。大きなニュースにもなった、あおり運転に対する抑止効果も期待できるということから、今では多くのドライバーがマイカーに装着をしています。そして、カーリースの車両でもはじめから装着されているものも増えていますが、残念ながらすべてではありません。

また、ドライブレコーダーがこれほど一般的になる前に契約した車両であれば装着されていないということもきっと多いはずです。とはいえ今どきドライブレコーダーなしでクルマを運転するのは少し不安を覚えます。

もし、事故などのトラブルに巻き込まれた際に他のクルマにはしっかりとした映像の記録が残されているのに、自分のクルマにはそれがないとなった場合、裁判でもしかしたら不利になってしまうなどということがないとはいえません。

そんなことにならないためには、できる限り最新スペックの信頼できるドライブレコーダーを装着しておくのがベストでしょう。では、自主的にカーリースのクルマにドライブレコーダーを後つけすることはできるのでしょうか?

また、同じようにカーナビはどうなのでしょうか。カーナビも進化の早いアイテムです。3年もたてば完全に型遅れとなってしまい、ハイスペックモデルだったはずなのに、最新のエントリーナビとたいして性能が変わらなくなってしまった、などということも珍しくありません。となれば交換したくなる気持ちも当然ですよね。

では、こういったアイテムの後つけは可能なのかどうか。結論からいうと、多くのカーリース会社では、クルマの価値を落とさなければ後つけのカーナビやドライブレコーダーを契約後に取り付けることをOKとしているようです。

ただし、一切NGとしているカーリース会社もあります。もしすでにカーリースを利用されている場合は、契約会社に確認するのがベターです。もしのちのちカスタマイズしたくなる可能性があるならば、あらかじめカスタマイズを認めているリース会社と契約するのが間違いありません。もし、カスタマイズが一切不可となっているリース会社と契約し、黙って勝手にカスタマイズを行ってしまうと、原状復帰ための大きな負担が強いられる可能性があります。気を付けましょう。こういったことは意外と見落としがちなポイントなのでカーリースを利用する際は必ずチェックしておくべきですね。

クルマに何も加工を施さない
アイテムであれば問題なし

前述したようにリース車でも多くの場合は、後つけのアイテムを取り付けることは禁止されていません。ただし、クルマの価値を落とすような、クルマ自体に何らかの加工が必要となるようなパーツの装着は基本的にNGと考えたほうが良いでしょう。エアロパーツなどはその筆頭です。クルマを傷つけ価値を落としてしまったと判断されます。ではどのようなものなら大丈夫なのでしょうか。

まず、カーナビですが、メーカーオプションのカーナビに関しては装着自体がまず難しい(というか基本的に不可能)でしょう。クルマのセンサーやエアコンなどの機能と連動していたりしますし、自動車メーカーの製造ラインで装着されるので、後からクルマに取り付けることは基本的にできません。ですから、一度納車されたクルマに取り付けるのはできないと思ったほうが良いでしょう。つまり取り付けたくでもできません。どうしても欲しい場合は契約時にオプションとして選択しておくしかありません。

しかし、同じようにクルマの購入時(カーリースの場合は契約時)に注文するオプションのカーナビであっても、ディーラーオプションはOKかNGかは別としてあれば後つけすること自体は可能です。ディーラーオプションは自動車メーカーからディーラーに納車されたあとに、ディーラー側で通常のカー用品と同様に取り付けるアイテムです。そのため、たとえ中古車であっても、そのクルマに設定されているオプションであれば取り付けることが可能なのです。

でも取り付けることが物理的に可能といっても、装着してもいいのかどうかは難しいところです。純正オプションなのでOKとされる場合もあるかもしれません。しかし、取り付けにあたってクルマに加工(インパネ部分の交換など)が必要となった場合にはNGと判断されてしまう可能性もあります。最近の国産車は純正カーナビやディスプレイオーディオ(スマホのナビ機能を使用するAV機器)を一体化したインパネのデザインがなされています。

これらをレスオプションとした場合は市販のカーナビやオーディオが取り付けられるように別デザインのパネルに交換しなければなりません。つまりもともとのパネルを加工しなくてはならないのです。そこまで大がかりなカスタマイズとなるとあとあと問題となる可能性もあり得ます。カーリース会社に個別に問い合わせるのが間違いありません。

もし新しいカーナビやドラレコを取り付けたいという場合は、面倒な加工の必要のない、オンダッシュタイプのポータブルカーナビや、フロントウインドウに吸盤で設置するドレレコを取り付けるのが賢明でしょう。ドラレコなら簡単設置をうたった最新アイテムもより取り見取りです。

またはスマホやタブレットなどをダッシュボードに取り付けるスタンドなどを追加するのもいいかもしれません。また、後席用モニターなどならヘッドレストに装着するタイプなどならまず問題ないはずです。

簡単に脱着ができる
アイテムを選び取り付けよう

ほかに簡単に設置できるアイテムとしては、シガーソケット対応のUSB電源やFMトランスミッター、バックミラーと交換するタイプのドラレコやレーダー探知機なども電源をシガーソケットからとる分には問題ないでしょう。シガーソケット電源のケーブルも工夫をしてウインドウの内張の隙間などに押し込めば見た目にも違和感はありません。

カーリースでは、加工を必要とする改造やカスタマイズはNGであり、簡単に取り外しでき、完全に元の状態に戻すことができるようなアイテムの装着であれば問題ないと理解しておくのがおそらく間違いありません。

また万が一問題とならないように、パーツ類を取り付ける際はリース会社にいったん確認しておくことをおススメします。例えば、ドラレコを取り付けたいのですが、車体への加工はしません、など断りをいれておくとあとあと問題となることもないはずです。

そして、当然ですが、それらアイテムはリースの契約が満了となる前に全て取り外すことを忘れないでください。クルマを引き渡す際に原状復帰されていないと、元の状態に戻すために、取り外す作業の追加費用が請求されるかもしれません。念のため外しておいたほうが間違いありません。

取り外したカーナビやドラレコは次に乗り換えるクルマに取り付けることもできます。脱着が簡単なアイテムの場合、別のクルマへの載せ替えも簡単であるというのがメリットの一つです。必要なければネットオークションなどで売却してもいいでしょう。

カーリース会社が用意している
オプションを選ぶのもアリ

ここまではカーリースのクルマに自分好みの社外品の各種アイテムを取り付け可能かどうかについてご紹介しました。結論としてはクルマそのものに加工を必要とせず、元に戻すことが可能であれば取り付けはOKということです。ただしリース会社によって条件は異なるので、実行する前にリース会社に必ず確認してください。カスタマイズはOKとしている場合もどこまでのラインまでが許されるのかはケースバイケースなので注意が必要です。

また、カーリース会社によっては、メーカーオプションやディーラーオプションとは別に、純正ではない最新スペックのカーナビやドライブレコーダーなどのオプションが設定されている場合もあります。社外品をDIYで取り付けるのではなくそちらを利用するというのも賢い選択でしょう。リース会社のオプションとして選べば毎月のリース料金にオプション代金も含まれるので、余計な出費を抑えることもできます。

いわばリース会社純正のオプションなのでクルマの価値も下がることはありません。DIYで取り付けるよりも価格的には少し高くなりますが、手間もかからず手軽にクルマのカスタマイズが可能です。取り付けも専門の人間が行ってくれるので不具合などの心配もありません。

どのようなアイテムがあるのかはカーリース会社に確かめてみてください。中には充実したオプションを売りにしているリース会社もあるので、そういった点も考慮した上でリース会社を選ぶというのもいいかもしれません。