東京近郊の比較的近場への取材や、都内の打ち合わせなどの際、筆者は移動の足としてスクーターをよく使用しています。スクーターはクルマと違って渋滞などの影響も受けづらく移動の時間が読みやすいのでとても重宝しています。もちろん、その日天候が崩れておらず、また目的地の近くにバイク用の駐輪スペースがあることが分かってる場合に限られますが。

スクーターはクルマよりも車体が小さく小回りがきくのが大きなメリットですが、コンパクトであるがゆえの欠点もあります。例えば幹線道路で大きなクルマにあおられるとか、他のクルマの死角に入りやすいとか。さらに、クルマや普通のバイクよりもタイヤの径が小さいということもデメリットの一つです。

スクーターに乗ったことのない人には、それの何が問題なのか分からないかもしれません。実はクルマでならほとんど気にならないセンターラインや車線境界線、また路上標識などに、小さな径のスクーターのタイヤは想像以上に影響を受けやすいのです。

筆者の乗っているスクーターはタイヤの径が前後13インチです。50ccのスクーターほどではありませんが、クルマやバイクに比べるとやはり小さい。径が小さければ小さいほど、わずかな段差(ペイント程度でもスクーターにとっては十分な段差です)でもその影響は大きくなります。例えば自転車ではなんでもない歩道の段差が、小さな車輪の台車を押してみると意外なほど凸凹していることに気づきませんか。あのようにタイヤの径は小さいとそれだ路面の凹凸の拾ってしまうのです。

はみ出して良い? いけない?
ドライバーを迷わせる路上のペイント

でも、たかがペイント程度のわずかな厚みぐらいで…、と思われるかもしれません。でもあのセンターラインや車線境界線のペイント、調べてみると1.5mm以上と規格が決まっているのだそうです。このように実は結構な厚みがあります。

1.5mmがどれくらいか、分かりやすいところでいうと10円硬貨とおなじくらいの厚みです。それはほんのわずかかもしれませんが、ただでさえ滑りやすい段差の有るペイントの上を、小さなタイヤのスクーターが踏み越えると本当に簡単にハンドルが取られてしまうのです。

前述しましたがスクーターで幹線道路を走るとトラックや大型のセダンやミニバンなどからあおられることがしょっちゅうあります。そんな時は後方のクルマに車線を譲るのですが、その際、ハンドルがとられないかとても神経を使うのです。 

さらに、このセンターラインや車線境界線に関して、その色や種類についての正しいルールも正直正確に覚えていませんでした。このラインはまたいでしまっていいのか、それとも違反でいけないのか。その迷いも一瞬の判断を遅らせ、結果リスクを増やす原因になってしまっていたのです。 間違いなく教習所でも習っていたはずですし、免許の学科試験でも出題されていたはずです。なににキチンと覚えていない。これは由々しき問題です。

ところで皆さんはセンターラインや車線境界線の違いをキチンと把握できていますか。もしかしたら、筆者と同じような方も少なくないのではないでしょうか。

もしかしたら知らずのうちに間違った解釈で交通違反を犯しているかもしれません。そこで、あらためてセンターラインや車線境界線について、その正しいルールを調べてまとめてみました。皆さんが理解していたルールと齟齬がないか是非確認してみてください。

センターライン
車線境界線の種類とは

路面に引かれたペイントによる線、センターラインや車線境界線は、正しくは区画線と呼ばれるものです。その役割は交通の流れをスムーズに誘導すること。

まず、センターライン(中央線)は、その名の通り、道路のセンター(中央)に描かれたもので、進行方向を分離してしており、クルマは道路交通法によってこのセンターラインの左側を走行することが義務付けられています

そしてこのセンターラインには大きく3つの種類があります。それが、白の実線白の破線、そして黄色の実線です。さらにこれらを組み合わせたものなどもあります。順にその意味を紹介していきましょう。

まず、白い実線のセンターラインは、片側が2車線以上か、1車線であっても6m以上の広い道路に引かれています。この場合は、はみ出すことなく追い越しのできる余地があるので、センターラインの右側へはみ出しての通行は原則禁止です。追い越しのため、だけでなくとにかくはみ出すことがNGと覚えておきましょう。

中にはラインが黄色じゃないからたしかはみ出して良いはず…、と間違って解釈されている方もいると思います。追い越しのためだけでなく原則としてはみ出し禁止なので、むしろ黄色の実線よりも注意が必要です。今後は気をつけてください。

次に白い破線のセンターラインの場合です。こちらは主に6m未満の道路に引かれています。路上にこのセンターラインが引かれていた場合は、ラインの右側へはみ出して通行してもよいということです。前のクルマを追い越すことにも問題はありません。当然駐車車両を避ける際にはみ出してもOKということですね。

最後は黄色の実線のセンターラインです。こちらが引かれている場合はセンターラインの右側へ追い越しのためのはみ出し禁止です。ポイントは追い越しのためのはみ出しが禁止ということ。黄色い線を踏むことは一切NGと解釈している方もいるかもしれませんがちょっと違います。

追い越しではなく、工事車両や停車車両などがいる場合、それを避けるためにやむおえずはみ出して走行することは可能です。また、白の実線の場合と同様にはみ出さなければ追い越しも可能ということです。黄色いセンターラインが引かれていたら一切追い越し禁止、はみ出し禁止ではないのですね。

ただし、黄色い実線のセンターラインは基本的に道幅狭い片側1車線の道路などに使われているので、はみ出さずに追い越すというのは現実的には難しい場合が多いようです。

ほかに、紹介した3種のセンターラインが組み合わせれている場合あります。例えば左側(自分の走行する車線側)に白の点線、その右、対向車線側が黄色い実線などという場合です。

この場合どうすればいいのか。これは自分の走行している車線側のラインのルールにしたがってください。つまり例であげた組み合わせの場合なら自分側からは対向車線にはみ出しての追い越しはOKとなります。逆に対向車線側のクルマは、センターラインをはみ出しての追い越しが禁止となります。覚えておきましょう。

このほかに、ちょっと注意が必要なのが時間帯などによってセンターラインの位置が変わる道路です。ペイントではなく道路に埋め込まれたランプや、標識などでそのことが標示されているのですが、その道路を走ることに慣れていない場合、それに気づかず知らないうちについ対向車線にはみ出してしまことがあります。標識などに注意深く見て事故を起こさないようにくれぐれも気をつけてください。

センターラインではなく車線を区切る
車線境界線の場合のルールは

センターラインは道路の中央で対向車線との間を区切るためのものですが、同じようなものに、車線境界線というものもあります。これは片側2車線以上の道路で、複数のレーンを区切るための線です。

こちらも同じように、白い実線、白い破線、黄色い実線が使われています。この違いは、基本的にはセンターラインと同じだと解釈されている方が多いと思いますが、実はちょっと違っています。

まず白い実線と白い破線はどちらも扱いは同じです。つまりセンターラインと違い、車線境界線の場合はどちらも車線変更や追い越しをしても問題ありません

しかし黄色い実線の場合は車線変更の禁止という意味になります。追い越しをするために走行レーンを変えることも許されませんし、線からはみ出すことも禁止です。当然追い越しもダメ

なので、慣れていない道路ではついやってしまいがちですが、黄色い車線境界線をまたいで右折レーンに車線変更をする、というようなことは違反です。気をつけましょう。

また、車線境界線とはちょっと違いますがセンターラインや車線境界線とともに路上に描かれているものにゼブラゾーンというのもあります。これは交差点の手前などにあり特定のエリアを縞模様で囲っているもの。このゼブラゾーンは導流帯ともいいます。目的はクルマの走行をスムーズに誘導するためです。

その目立つ縞模様から、なんとなくこの中には入ってはいけない、というイメージがあります。しかし、実は道路交通法ではゼブラゾーンに入ることは禁止されていません。もしゼブラゾーンの中を走行しても、特に何の罰則もないのです。

しかし、スムーズな走行を誘導するためにこのようなものがあるのですから、違反じゃないからといってむやみにゼブラゾーンに入るのは関心できません。

例えばゼブラゾーンを避けて、誘導されるように交差点の手前で正しく右折レーンに入ろうとしているクルマに対して、後方から押しのけるようにしてゼブラゾーンを突っ切り、先に右折レーンに入る、というシーンを見かけたことがあります。

この場合、もちろん違反ではありませんが、最近問題になっているあおり運転のきっかけになってしまうかもしれませんし、またこれが原因で事故に繋がる可能性もあるでしょう。さらに、このことが原因で事故になった場合は、ゼブラゾーンを走ったクルマは、例え違反ではなくとも過失割合が加算されることがあります。そんなリスクもあるのでくれぐれも注意してください。

極基本的なことですが、センターラインや車線境界線の違い、おおよそご理解できたでしょうか。今まで、あやまった解釈をしていたという方は、これを機会に今後は気をつけて、くれぐれも違反運転にならないように安全運転を心がけてください。