本格的なウインターシーズン突入の前に、やっておくべきなのがスタッドレスタイヤへの交換です。雪が降り始めてからの準備では遅すぎます。お店が混雑する前に早めに準備を行っておくのが間違いありません。

ところでカーリース車の場合、スタッドレスタイヤへの交換はそもそもどうすればいいのでしょう。リース会社がおこなってくれるのか?それとも自分でやるのか。また交換作業はどこでやってもいいのか?交換した夏タイヤの保管のことも気になります。

特に今シーズンからカーリースを利用された方は、いざスタッドレスタイヤが必要となってもどうすればいいのかわからないですよね。そこで、カーリース車両のスタッドレスタイヤ交換についての様々な疑問について調べてみました。

スタッドレスタイヤへの交換は
カーリース車でも問題なし

まず気になるのはカーリース車両のタイヤを勝手にスタッドレスタイヤに交換してもいいものなのかということでしょう。前提としてカーリース車両の所有者はカーリース会社です。リース契約者はリース会社から形としてはクルマを借りて使用しているということになります。

そして、借りていることが前提のため、基本的にクルマを勝手にカスタマイズすることは許されていません。エアロパーツを装着したり、サスペンションを交換してローダウンしたりということはNGです。

もちろんすべてがNGというわけではありません。リース満了後原状復帰して返却できればいいので、クルマに手を加えることなく脱着できるもの、例えばドライブレコーダーやポータブルカーナビ、ETCなどの装着、さらにホイールの交換などは多くの場合問題ありません。

ではスタッドレスタイヤはどうなのか。ウインターシーズンの必須アイテムですし、雪が全く降らないような地域でなければ装着はマストでしょう。改造ではなく必須のアイテムなのでだめなわけはありません。

それに前述したようにカーリース車両でもホイール交換はもともと問題ない。ということでカーリース車両であっても、スタッドレスタイヤを装着したホイールセットに交換することは何ら問題なしです。

では、スタッドレスタイヤへの交換はOKだったとして、そのスタッドレスタイヤを用意するのはリース契約者自身なのか、それともリース会社なのか。これについてですが、実は契約しているリース会社やリース契約のタイプによって変わってきます

メンテンナンスリースなら
スタッドレスタイヤ交換も無料

もしあなたが契約しているカーリースの契約がファイナンスリースなら、クルマに係わる税金や自動車保険など車検費用などを除いた消耗品などについはリース契約者が負担しなくてはいけないはずです。つまり、スタッドレスタイヤに関しても購入費用や交換工賃はリース契約者の負担となります。つまりは自分でスタッドレスタイヤを選び購入して、タイヤショップやガソリンスタンドなどで交換してもらうことになります。

しかし、リース料金の中にメンテナンス費用や消耗品の費用まで含まれているメンテナンスリースであれば、スタッドレスタイヤへの交換もリース費用の中で行ってもらえる可能性が高いでしょう。

ただし、メンテナンスリースであっても、リース会社によってはオプションとしてスタッドレスタイヤ交換が別途用意されているケースもあります。

もし、あなたがメンテナンスリース契約しているなら、リース会社へ確認しましょう。メンテナンスリースであれば多くの場合シーズンごとにスタッドレスタイヤへの交換を無料で行ってもらうことができるようです。

使っていないタイヤの
保管も任せてしまえる

ということは、メンテナンスリースならスタッドレスタイヤへの交換シーズンとなったタイミングで、リース会社に連絡をすればいいということです。これなら簡単。

では、スタッドレスタイヤに交換した場合もともと装着していた夏タイヤはどうなるのか。自宅で保管しなくてはいけないのか?タイヤはかさばるので結構邪魔です。でもその心配もいりません。カーリース会社(が契約しているディーラーや整備工場など)で保管してもらえるはずです。夏タイヤの保管スペースなども確保する必要はないのですね。大変便利です。

こういった面倒ごとをまるごとリース会社に任せてしまえるのがやはりカーリースの利点。メンテナンスリースはファイナンスリースよりも割高であり、スタッドレスタイヤを選べないなどのデメリットはありますが、カーライフにおいて、余計な手間暇や心配事はできるだけ抱えたくないという方にはありがたいですね。

では、スタッドレスタイヤ交換をリース契約者側で対応しなくてはならないファイナンスリースの場合はどうすればいいのか。

ファイナンスリースは
利用者がスタッドレスを準備する

ファイナンスリースでもクルマの修理や車検などの際は、リース会社が指定している整備工場やディーラーで行っているはずです。タイヤ交換なども基本そういったところで行うのが推奨されているでしょう。

ということは、おそらくそういったところで対応してもらうことも可能なはずです。とにかく面倒なことがいやという方は、まずはリース会社に連絡してみてください。別途料金はかかるでしょうが、交換できる場所を教えてもらえるはずです。

ちなみにスタッドレスタイヤに交換するというのは、一般的にはホイールからタイヤを外してもともとのホイールにスタッドレスタイヤを組みなおす(そうしても構わないのですが)のではありません。通常はホイールに組み込み済みのスタッドレスタイヤを用意し、ホイールとタイヤのセットごと交換するというものです。

そのためスタッドレスタイヤの準備というのは、スタッドレスタイヤとホイール双方が必要となります。タイヤショップやカー用品店ではホイールとのセットが用意されているので、おそらくはそちらのセットで用意することになるでしょう。

もし、カーリースを利用する以前に乗っていたクルマのための用意していたホイールに装着したスタッドレスタイヤが手元にあるなら、それを流用できないのでしょうか?運よく同じサイズであれば使えないことはありません。購入して1~2年程度でさほど摩耗もしていないのならそちらを使うのもありです。これだったら必要な費用は交換工賃だけ。DIYでできるならその費用も節約できます。ただしそう都合よくあうとは限りません。

スタッドレスタイヤの
平均寿命は3~4年

それに手元にサイズの合ったスタッドレスタイヤがあったとしても、そのスタッドレスタイヤがすでに寿命を迎えている可能性もあります。タイヤとしての寿命ではなくスタッドレスタイヤとしての寿命、つまり雪道やアイスバーンでグリップするかどうかです。

スタッドレスタイヤの平均寿命は、だいたい約3年~4年とされています。思いのほか短い。しかも、これはおおよその目安。摩耗の状態や、ゴムの劣化などによってはそれよりも早く寿命を迎えてしまう場合もあるのです。

寿命かどうかを確かめるには次の3つのポイントをチェックしましょう。それは、溝の深さゴムの硬度、そしてひび割れの有無です。タイヤには寿命のチェック用に「スリップサイン」があることはご存じの方も多いでしょう。これはタイヤのトレッドにある溝の中にある小さなでっぱりで、タイヤが摩耗してトレッド面にこのでっぱりが露出してしまうとそのタイヤは寿命となります。そしてスリップサインの出たタイヤで走行すると道路交通法違反となってしまいます。

スタッドレスタイヤの溝の中にはこのスリップサインだけでなく「プラットフォーム」というものもあります。似ていますがスリップサインとの見分け方はプラットフォームよりもでっぱりの盛り上がりが大きく、またギザギザの溝が刻まれているのが違いです。

スタッドレスタイヤが50%摩耗するとこのプラットフォームが先に露出し、スタッドレスタイヤの使用限度(タイヤとしての使用限度ではない)、寿命であることを知らせてくれます。

スリップサインと違ってこれが露出しても道路交通法違反になるわけではありませんが、雪道や凍結路でのグリップ力はなくなっていると思っていいでしょう。

しなやかさが失われると
グリップ力が低下する

このように摩耗に関してはプラットフォームを目視することで簡単に判断できますが、それ以外にもスタッドレスタイヤはゴムそのものの硬度も重要なポイントです。ゴムは紫外線や熱、タイヤワックスの油分などによって徐々に劣化していきます。保管場所の環境が悪いと、その劣化が早まりゴムが硬くなってしまいます。

スタッドレスタイヤは夏タイヤよりも柔らかなコンパウンドを使うことで路面との摩擦を増やし、雪道でもグリップ力を発揮するのですが、硬くなってしまうとその本来の力が発揮できません。そのためプラットフォームが露出していなくても、ゴムが硬化してしまうとグリップ力が発揮できないのです。

硬化しているかどうかは触ってみてもなかなかわかりませんが、ひび割れの有無で判断できます。ゴムは本来柔らかくしなやかで、変形することで路面から受ける力を受け止めています、しかしゴムが硬化しているとしなやかさが保てず、何度もゴムが変形することで表面にひび割れが発生してしまうのです。

ひび割れは基本的には経年劣化で起こります。ポイントはそのタイヤが製造されてからどれくらい時間が経過しているか。タイヤの製造年月はサイドウォールに刻まれている製造番号で確認できます。アルファベットと数字で構成された番号で、アルファベット以降の4桁の数字が製造年月を示しています。

例えばその数字が3818なら最初の2桁が週。そして後ろの二桁が西暦です。つまりこの場合は38週、2018年となり2018年の9月19日から9月26日までに製造されたタイヤということになります。手元にスタッドレスタイヤがあるなら一度確認してみてください。3年以上経過しているなら溝が残っていても新しいスタッドレスタイヤに交換することを検討しましょう。

ネットで購入、近くのショップで
交換という手もあり

手元に交換用のスタッドレスタイヤがなく、クルマに合わせて今シーズン新たにスタッドレスタイヤを購入するなら気になるのはやはり費用でしょう。せっかく月々定額で賢くカーリースを利用しているのですからこういった消耗品代もできれば少しでも出費を抑えたいですよね。

それならネットなどで安いタイヤショップなどを探し、そちらでスタッドレスタイヤとホイールのセットを購入して、地元のショップやガソリンスタンドで交換してもらうという方法も一つの手です。

実際のタイヤのコンディションなどを購入前に確認できないというリスクはありますが、最近はネットでタイヤを購入するというのも珍しいことではありません。そのため検索するとたくさんのタイヤ販売サイトが見つかるはずです。

価格も店舗で購入するよりも比較的安く、専門サイトではどのクルマにどんなサイズが適しているかなども簡単に確認できるような親切な作りになっています。

こういったサイトで、タイヤサイズやホイールサイズ、それぞれの好みの商品を選ぶと、適したものが自宅に送られてきます。あとはそのホイールに装着されたスタッドレスタイヤに交換すればいいわけです。

こういった、通販で購入したスタッドレスタイヤは、持ち込みでのタイヤ交換に対応してもらえるショップにお願いすれば取り付け作業を行ってもらえます。

こちらもネットで“タイヤ 持ち込み交換 ○○○○※お住まいの地名”などのキーワードで検索すると簡単に見つけられるはずです。あらかじめ調べ、評判のよいショップを探しておき、混み具合やスケジュールなども確認しておくといいでしょう。

持ち込み交換工賃はお店によって
大きく違う。リサーチは必須

交換工賃はお店によって変わりますがだいたいタイヤ一本あたり1,000~4,000円前後のようです。購入費用のほかにこちらも用意しておく必要があります。

1台分だとそれなりにかかりますが、クルマをジャッキアップして、きつく締まったナットをレンチで外して、重いタイヤを運んでは1本ずつ交換する…、という重労働を考えれば、これも妥当な金額、というか個人的にはリーズナブルだと思います。またプロの手によって作業してもらえるのですから安心感も違います。

ちなみに大手カー用品店などは、ネット通販した新品タイヤの持ち込み交換は、対応していないケースも少なくありません。また、対応してもらえる場合でも、お店で購入したタイヤの交換工賃よりも割高となっていることが多いようです。この交換工賃の費用もお店によってかなり変わってきますので、しっかりとリサーチしておく必要があります。

ホイールに装着済みなら
DIYで交換することもできる

もし、過去にパンクなどでタイヤ交換の経験があるなら、自分でスタッドレスタイヤに交換することも可能です。セットで購入すればホイールにタイヤを組みつけた状態で送られてくるのでホイールごとの交換で済みます。そのためさほど難しくはありません。ある程度スキルがあればDIYで交換も可能でしょう。

車載のものではないしっかりとしたジャッキや、ジャッキスタンド。さらにトルクレンチなどの工具とヤル気、そして安全に作業する場所が確保できるならチャレンジしてみてもいいでしょう。

ただし、タイヤ交換作業で万が一ミスをすれば大けがを負ってしまう可能性もあります。また、ジャッキやジャッキスタンドが倒れればクルマにも相当なダメージとなるでしょう。さらにDIYで交換して走行中にホイールが外れてしまったなんてことがあれば、周りを巻き込む大事故になってしまう可能性もあります。

作業自体は決して難しくはありませんが、少しでも不安があるなら、やはりプロに任せてしまうのが間違いありません。チャレンジすること自体は悪くありませんが、安全な雪道走行のためにスタッドレスタイヤに交換したのに、その交換作業で事故を起こしてしまっては本末転倒ですね。そういったことも考えたうえで、シーズン突中前に、安全、確実、かつできるだけリーズナブルにスタッドレスタイヤに交換しましょう。