優れた経済性とクラスを超える圧倒的な居住性に加え、スマートなスタイリングホンダらしい走りで人気のコンパクトカー、それがホンダフィットです。

フィットはホンダにとって、ブランドを支える屋台骨ともいうべき主力コンパクトカー。そして初代から現行の三代目まで常に高いに気をキープし続けているベストセラーカーでもあります。そんなフィットに2018年7月27日、カタログモデルとして「フィット Modulo style(モデューロ スタイル)」という新たなドレスアップコンプリートカーが追加されました。

フィットはノーマルでも十分スタイリッシュですが、大ヒットモデルだけあって街中に同じクルマが溢れているのがオーナーとしてはあまりうれしくない所。例えば巨大なショッピングモールの駐車場で、フィットがたくさんありすぎて自分のクルマを見失ってしまった! などという経験があるという人もいるのではないでしょうか。

しかし、ベーシックなフィットとは一味違ったこのフィット モデューロ スタイルなら他のフィットとは違った個性が演出できそんなこととは無縁です。フィットの購入を検討しているという方にとっては、ちょっと気になっている存在ではないでしょうか。

そんなフィット Modulo styleですが、そもそもModuloとはなんなのでしょう?疑問をお持ちの方もいるでしょう。それに何がノーマルのフィットと何が違うのか?どんなパーツが装着されているのか、性能にも違いはあるのか?また価格や保証などもきっと気になっているはず。そこで、フィット Modulo styleについて、その詳細をチェックしてみました。

何が違う?Modulo style と
Modulo Xシリーズ

フィット Modulo styleドレスアップコンプリートカーです。つまりベースとなったフィットにパーツを組み込んでドレスアップされたクルマということ。そのため持ち込み登録(運輸支局にそのクルマを持って行き、検査を受けてナンバーを取得すること。)が必要な、いわば改造車です。しかし、メーカーの公式WEBサイトの車種一覧に乗っているクルマですので、カタログモデルでもあります。

簡単にいえばホンダの純正アクセサリーを手掛けるホンダアクセスのブランドである「Modulo(モデューロ)」のパーツを装着し、カスタマイズされたコンプリートカーということになります。

ホンダアクセスは、本体である本田技研工業の連結子会社。そこで開発されたパーツでカスタマイズされているわけですから品質やフィッティングは完璧性能もバッチリ。さらにクルマ同様に3年間の保証まで受けられます。この辺は市販のドレスアップパーツではまねのできないところ。だからこそ、カスタマイズカーでありながらカタログに乗り、かつスタイリングの完成度も非常に高いのです。

ちなみにModuloの名を冠したコンプリートカーとしては、他にも「Modulo X(モデューロ エックス)」シリーズというのもあります。「STEP WGN Modulo X」「FREED Modulo X」「S 660 Modulo X」などといったクルマで、これらもカタログモデルとしてディーラで購入が可能です。

こちらの「Modulo X」シリーズの特長は内外装にModuloのカスタマイズパーツが装着されているだけではなく、ホイールの剛性の最適化やサスペンションのストローク感の改善、四輪の接地性向上などによって、操縦性や走行安定性などフットワークなども徹底的にチューニングされているということ。

単に足回りを強化してガチガチに固めるのではなく、快適性も考慮しながらしなやかな足回りへと高次元にバランスさせています。この辺はメーカー直系の「Modulo X」ならではのものとなっているわけです。

その分価格も+50万円~とちょっとお高め。専用の足回りチューニングまでされているのですからそれでも十分お得ではあるのですがちょっと悩む価格差ですね。

では「フィット Modulo style」はどう違うのか。同じModuloの名は付いていますが、よく見てください、Modulo の後ろがXではなくstyleとなっています。そう、このフィット Modulo styleは同じModuloですがModulo Xとはその中身に違いがあるのです。

スタイリングをブラッシュアップした
ドレスアップコンプリートカー

ホンダアクセスが手掛ける純正アクセサリーブランド「Modulo」でカスタマイズされたコンプリートカーという点は同じです。しかし、Modulo Xが走りやデザインにこだわりサスペンションセッティングやアルミホイールの剛性最適化、フロアの空力セッティングなどといったチューニングまで施されたモデルなのに対して、Modulo styleはあくまでデザインにこだわったドレスアップコンプリートカーというポジション。

つまり、Modulo styleの走りはノーマルのフィットと同じということ。でも、スタイリングはModulo のパーツでブラッシュアップされているというわけです。

そもそもクルマに対して誰もがスポーティな走りを求めているわけではありません。足回りの強化などは外からは分かりませんし、その分外観のドレスアップに力を注ぎたいというのもありですよね。

そもそもベースグレードのフィットはノーマル(6MTや専用チューニングの足回りを持つスポーティグレードのRSはありますが。)でも走行性能に不満があるという話はあまり聞かれません。あえてそれ以上のチューニングはいらないというのが大方の意見でしょう。

快適で実用性が高く、なおかつ格好良ければベスト。そんなフィットを求める人にまさにぴったりなのがフィットModulo styleというわけなのです。

ではそのフィット Modulo styleですが、具体的にスタイリングの違いや、どのようなパーツが装着されているのか詳しく見てみましょう。

プレミアム感が漂う上質で
大人なイメージのコンパクトカー


(引用:ホンダ公式HP)

フィット Modulo styleは、ハイブリッドモデルの「HYBRID・L Honda SENSING」ガソリンモデルの「13G・L Honda SENSING」をベースとなっています。まず一目見て違うのがそのフロントフェイスです。

ベースモデルやスポーティグレードのRSとは一味違った、専用デザインのグリルとバンパーが与えられています。

このバンパーはボディのラインと一体感のあるスムーズなフォルムでフィットの印象を大きく変えています。さらに、フロントグリルには黒塗装メッシュが装着され、大きな開口部と相まって非常にスポーティなイメージ。それでいて、ラインがうるさくなく、ディテールのフィニッシュが上品なので、決してアグレッシブすぎない上質な仕上がりにまとめられています。

またフロントバンパーに加え、リアのライセンスガーニッシュなどにもクロームパーツがふんだんに使われ、高級感のあるプレミアムな印象もあるヨーロッパの高級コンパクト的なイメージをうまく醸し出しています

このフィット Modulo styleだけを見ると元々フィットはこんなスタイルであってのでは、という印象を受けてしまうほど完成度が高いのですが、ベースモデルと比較してみると思いのほか違いは大きいです。フロントまわりが変わるだけでずいぶんと印象が変わるのだというのが筆者の感想です。なんというか大人なフィットといったイメージで好印象。是非画像で比較してみてください。

この専用装備のバンパーには5連タイプのLEDフォグランプなども装着されています。これもラインタイプでなかなかクール。さらにホイールもModuloのロゴがセンターキャップに配された専用デザインの15インチを装着。足元を引き締めています。もちろんエクステリアだけでなくインテリアにも特別なパーツが装着されています

ブラックで統一された
インテリアが高級感を演出


(引用:ホンダ公式HP)

インテリアでは、まず目に入るのは本革巻ステアリングホイールでしょう。ステアリングは運転中常に手を触れていますから、しっとりとした上質な手触りの本革巻はオーナーの所有欲も満足させてくれるはずです。

また、操作パーツではペダルも専用装備。ステンレス製スポーツペダルが気分を盛り上げてくれます。

シートやフロアマットなどはベースモデルと変わりませんが、ルーフライニング(天井を覆うカバー。)が、ブラックになっている(ブラックルーフライニング)というのも大きな違いですね。

ブラックでインテリアが統一されたことで、クルマに乗り込んだ時の印象が思いのほか変わっています。外観ほどの大きな変更はありませんが、高級感のある落ち着いた室内空間をうまく演出しています。

その他の装備としては、ナビ装着用スペシャルパッケージ+ETC車載器〈ナビ連動タイプ〉が標準となっているというところです。ただ、これは他の上級グレードでも標準となっているのでフィット Modulo style専用というわけではありません。カーナビはオプションなので同じホンダアクセスが手掛ける純正ディーラーオプションナビ、ギャザズなどから装着するのが良いかも知れません。

特別なパーツが装着
されているのに価格はお手頃

フィット Modulo styleは、パフォーマンスに関してはノーマルと一緒。でも、装着されたModuloの専用パーツによって、スタイリングは一新しており、完成度の高い、上質で大人なイメージのプレミアムコンパクカーという印象に上手くまとめられています。

この完成度は市販のドレスアップパーツをただ装着しただけでは得られないでしょう。それに保証はベースモデルなどと同じ3年6万キロなので安心感も満点です。

それでいて価格は189万円(13G・Modulo style Honda SENSINGの場合)~と、ベースとなった13G・L Honda SENSING の165万3480円より約23万円高いだけ。中々お手頃です。

タイプ エンジン 駆動方式 価格
HYBRID・Modulo style Honda SENSING ハイブリッド FF 225万7200円
4WD 241万9200円
13G・Modulo style Honda SENSING 1.3ガソリン FF 189万円
4WD 208万4400円

 

Modulo Xのように足回りなどのチューニングまで行ったらこの価格はきっと実現できなかったでしょう。かなり魅力的ではありませんか。

フィットは良い車だし、選択肢としてはありだけどあまりに街中に溢れすぎているので二の足を踏んでいた。という方は、このノーマルのフィットとは一味違った、大人なプレミアムコンパクト、フィットModulo Styleに是非注目してみてはいかがでしょう。