マツダといえばコンパクトなCX-3から、直列6気筒エンジンを搭載するラージクラスのCX-60まで幅広いSUVラインナップを誇りSUVに力を入れているメーカーというイメージがあります。その中で最もコンパクトなCX-3と、ミドルサイズのCX-5のちょうど中間的なモデルがCX-30です。

室内は十分な広さがあり、ボディサイズも手ごろで扱いやすい。さらに、都市部でも使いやすい全高に加えて燃費にも優れ経済性も優秀。そんなSUVなのですがなぜか国内ではあまり存在感がないようにも思われます。

でも、決してクルマの魅力がないわけではありません。その証拠に北米ではCX-30は順調に売れており2023年1月は5,065台を販売し過去最高を記録したというニュースもありました。CX-30あらためて見直してみるべきではないでしょうか。そこでCX-3よりも車内はひろく、CX-5よりはコンパクトで扱いやすいちょうど良さという魅力を持ったマツダ「CX-30」について、その魅力をあらためて掘り下げてみましょう。

マツダの国内向けSUVラインナップは
現在7車種。中でもミドルクラスの車種が豊富

マツダの国内向けSUVラインナップ
(引用:マツダ公式HP)

マツダは一大SUVブランドです。いつの間にかSUVを主力にしてミニバンを廃止。マツダ6やマツダ3などのセダンやコンパクトカー、スポーツカーのロードスターなどもラインナップしてはいますが、売れているのは圧倒的にSUVのCXシリーズです。現在国内向けのマツダラインナップをあらためて見てみるとSUVのCXシリーズがCX-3、CX-30、MX-30、MX-30EV、CX-5、CX-60、CX-8と7車種あります。

そしてコンパクトカーがマツダ2とマツダ3に車種。セダンがマツダ3とマツダ6の2車種でステーションワゴンがマツダ6ワゴンのみ。さらにオープンスポーツカーのロードスターとそのハードトップ版のロードスターRFがあります。計14車種のうちなんとその半数の7車種がSUVというラインナップとなっています。

さらに、国内ではCX-60とCX-8がハイエンドですが、海外ではもっと大きなCX-90やCX-50といったビッグサイズのSUVもラインナップしており、あらためて整理してみるとマツダのSUVバリエーションは驚くほどに充実しています。

これらのラインナップの中で、国内の道路事情にマッチした扱いやすいものといえば、ミドルクラスのCX-5とCX-3、そしてCX-30(CX-3とCX-30はコンパクトクラスともいえます)ではないでしょうか。FRベースで直列6気筒エンジンを搭載した最新のCX-60も非常に魅力的ですが決して広い道路ばかりではない日本国内ではもてあましてしまう可能性もあります。

SUVらしい堂々としたスタイルと実用的なインテリアスペースを持ち、国内でも扱いやすいモデルとなると、CXシリーズの中でも適しているのはやはり前述のミドルクラスとコンパクトクラスのモデルたちでしょう。でも、この3車種、どれを選べばいいのかその選択がなかなかに悩ましいところがあります。サイズ的にも似ていて、違いがちょっと分かりにくいのです。そこでこれらを整理してみましょう。

CX-3、CX-30、CX-5のサイズを
比べてみると違いは明らか

CX-3、CX-30、CX-5のサイズ
(引用:マツダ公式HP)

では、CX-3とCX-30、CX-5のそれぞれの車体サイズを並べて比べてみましょう。このようになっています。

●CX-3ボディサイズ
全長4,275mm×全幅1,765㎜×全高1,550㎜ ホイールベース2,570㎜

●CX-3室内寸法
室内長1,810㎜×室内幅1,435㎜×室内高1,210㎜

●CX-30ボディサイズ
全長4,395mm×全幅1,795㎜×全高1,540㎜ ホイールベース2,655㎜

●CX-30室内寸法
室内長1,830㎜×室内幅1,490㎜×室内高1,210㎜

●CX-5ボディサイズ
全長4,575mm×全幅1,845㎜×全高1,690㎜ ホイールベース2,700㎜

●CX-5室内寸法
室内長1,890㎜×室内幅1,540㎜×室内高1,265㎜

比べてみるとCX-5はさすがに大きい。ミドルクラスですが堂々としたサイズです。特に車幅1,845㎜はかなりワイド。このサイズ感には気後れしてしまう方もいるのではないでしょうか。狭い路地やコインパーキングなどでは慣れていないと取り回しに苦労しそうです。また、全高が1690㎜と高いためタワーパーキングや立体駐車場では入れない場所もあって不便な点もあります。

ただし、室内寸法には余裕があります。特に室内長は約1.9mあり後席でも余裕たっぷりです。さらにラゲッジスペースも広く、荷物もたっぷり積むことができるでしょう。ボディサイズが気にならないならファミリーカーとしても実力は十分です。

じゃあコンパクトクラスのCX-3はどうなのか。やはり数値的にも狭いことが見て取れます。特に室内長が短くその分後席が狭くなっているのはまちがいありありません。実際に後席に座ってみると大柄な人だと明らかに窮屈です。荷室もあまり余裕がなくチャイルドシートを取り付けたりベビーカーなどを積み込んだりするのはちょっと大変そう。ファミリーカーとして使うのはちょっと厳しいかもしれません。

やはりベースがコンパクトハッチバックのマツダ2(旧デミオ)なので仕方のない部分はありますが、その分取り回ししやすく、視点が高いので狭い道でも運転は楽そうです。大人数で使うのでなければ十分かもしれません。

CX-30はCX-3とCX-5の中間サイズ
最新の設計でスペース効率も非常に高い

CX-30はCX-3とCX-5の中間サイズ
(引用:マツダ公式HP)

ではCX-30はどうなのか。サイズを比べてみるとCX-3とCX-5のちょうど中間のサイズ感となっていることがよくわかります。全長が約4.4mでクラスとしてはコンパクトクラスですがCX-3よりも少し大きくかつてのファミリーカーの定番であった5ナンバーセダンなどと同じくらいです。幅はワイドですが1700㎜台なのでさほど問題はないでしょう。

最新の設計によってスペース効率にも優れており、サイズに余裕がある分コンパクトなCX-3よりも広い車内スペースを持っています。さらにCX-5よりも車体サイズがコンパクトで運転がしやすいちょうどよいボディサイズといえます。中でもポイントは全高です。絶妙な1540㎜となっており多くの立体駐車場などに入庫可能な高さで、都市部に住むオーナーにとってこれは大きなメリットではないでしょうか。

CX-3も同じように全高が1,550㎜と立体駐車場などにも対応できる全高ですが、その分室内スペースに余裕がありません。CX-30はCX-3よりも全高は15㎜低いのにもかかわらず、室内高は同じ1,210㎜となっています。また、室内幅もCX-5と同等で広く、SUVらしい開放感と余裕が確保されているのです。

CX-30は引き締まったスタイルから一見コンパクトに見えてしまいCX-3と室内の広さはあまり変わりないのではないか、と誤解されがちですが、実はCX-5並みに広々とした室内スペースを持っているのです。つまり、CX-3ではちょっと狭くてつかいづらい、でもCX-5ではボディサイズが大きすぎるので運転が心配、そのように感じている方にとっての最適解こそがこのCX-30だといえるのではないでしょうか。それなのにCX-30はどうもその実力が過小評価されているところがあります。

スタイリングもCX-3やCX-5よりも
スタイリッシュで高級感がある

CX-30はスタイリッシュで高級感
(引用:マツダ公式HP)

また、CX-30にはCX-3やCX-5にはない特徴もあります。それは優れたデザインです。CX-30は他のCXシリーズとも共通するSUVらしい存在感を維持しつつも、エクステアはよりシャープでスタイリッシュなデザインとなっています。クーペ的なSUVという流行りのスタイルにも見えますが、より繊細で、柔らかなラインを持ち、またスポーティな躍動感のあるルックスにもなっています。居住スペース犠牲にすることなくスタイリッシュなデザインを実現しているという点はかなり高度なデザインといえるでしょう。

SUVらしい重厚感のあるCX-5やコンパクトカーをSUVに仕立てたようなCX-3に比べても完成度は高く、より高級感もあります。これは全高1540mmとSUVとしては低めに抑えられているということも大きく影響しているのかもしれません。

また、ホイールベースが2,655mmとこのクラスのSUVとしては長めに設定されており、クーペ的なスタイルに見えますが後部座席の足元のスペースにもしっかり余裕を持っています。そのためCX-3よりもスペースが広く後席でも窮屈さを感じさせません。これならフル乗車でもストレスのないロングドライブが楽しめるのではないでしょうか。

それに、なんといってもパワーユニットも1.5Lガソリンエンジンと1.8Lディーゼルターボエンジンを搭載するCX-3よりも動力性能に余裕があり非常にパワフルです。

パワーユニットにはガソリンとディーゼルの
いいとこ取りをしたe-SKYACTIV-Xを設定

CX-30はe-SKYACTIV-Xを設定
(引用:マツダ公式HP)

CX-30のパワーユニットですが現行モデルでは3種類設定されています。それが2L直列4気筒ガソリンエンジン+モーター(e-SKYACTIV G 2.0)のマイルドハイブリッドと、2L直列4気筒スーパーチャージャーエンジン+モーター(e- SKYACTIV-X)のマイルドハイブリッド、そして、1.8L直列4気筒ディーゼルターボ(SKYACTIV-D 1.8)を揃え、ガソリン車には6速ATだけでなくMT派にはうれしい6速MTも用意されているのは嬉しいところです。

それぞれのスペックはこのようになっています。

●e-SKYACTIV G 2.0(マイルドハイブリッド)
エンジン最高出力 115kW〈156PS〉 最大トルク 199N・m〈20.3kgf・m〉
モーター最高出力 5.1kW〈6.9PS〉 最大トルク 49N・m〈5.0kgf・m〉
WLTCモード燃費16.2km/L

●e- SKYACTIV-X(スーパーチャージャー+マイルドハイブリッド)
エンジン最高出力140kW〈190PS〉 最大トルク 240N・m〈24.4kgf・m〉
モーター最高出力 4.8kW〈6.5PS〉 最大トルク 61N・m〈6.2kgf・m〉
WLTCモード燃費19.5km/L

●SKYACTIV-D 1.8(ディーゼルターボ)
最高出力 95kW〈130PS〉 最大トルク 270N・m〈27.5kgf・m〉
WLTCモード燃費17.4km/L

この中でCX-30ならではのパワーユニットとなるのが「SKYACTIV‐X」です。2Lガソリンエンジンにスーパーチャージャーとマイルドハイブリッドを加えたSKYACTIV‐Xは、燃費効率に優れた希薄燃焼を実現するために開発された、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの良いとこ取りをしたような最新のパワーユニットです。

その仕組みを簡単に説明すると、ディーゼルエンジンのようにエンジンに取り込んだ空気を圧縮して高圧になったところに700気圧の高い圧力で燃料を噴射。さらにガソリンエンジンのように点火プラグによる着火を行って火炎球を生み出し、ディーゼルエンジンのように急速かつ同時多発的に燃焼させて優れた燃焼効率を得るというものです。その特徴は動力性が高く加速も滑らかで、さらに燃費も良いという理想のエンジンともいえるものとなっています。

非常に高度なメカニズムを備えたハイスペックなエンジンなのですが、イマイチその良さが伝わりきれていないようで人気という意味ではe-SKYACTIV G 2.0を搭載する20Sプロアクティブや20Sグレードのほうが人気となっています。ただ、試乗したメディア関係者のインプレなどを読むと評価は高いようです。ネックがあるとすればその価格でしょうか。

CX-30のパワーユニットの中で
ベストチョイスはどれになるのか

CX-30のパワーユニット
(引用:マツダ公式HP)

e-SKYACTIV G 2.0を搭載する人気グレードの20Sプロアクティブ(2WD)が267万8,500円なのに対して(20Sの2WDは245万8,500円)、e-SKYACTIV Xを搭載するX Smart Edition(2WD)グレードの車両価格は295万3,500円。さらにe-SKYACTIV X搭載の最上級グレード、X L Package(2WD)は367万9,480円です。4WDになると391万5,980円とほぼ400万円。CX-30のようなコンパクトSUVでこの価格はさすがに高いですよね。

一つ下のCX-3の価格は192万5,000円~328万9,000円なのでその差を考えると、悩む方が多いでしょう。ちょっと頑張ればCX-5(276万6,500円~417万100円)にも手が届くとなればそれも当然です。とはいえ、現実的な人気グレードの20Sプロアクティブなら267万8,500円なのでコスパ的にもかなり優秀といっていいのではないでしょうか。

e-SKYACTIV Xは確かに燃費がいいですが、e-SKYACTIV G 2.0でもWLTCモード燃費16.2㎞/Lと優秀ですし、さらに使用燃料がe-SKYACTIV Xがハイオクなのに対して、e-SKYACTIV G 2.0ならレギュラーガソリン。燃料費の価格も実は大きく変わるわけではない。となればCX-30で狙うべきは20Sプロアクティブなどe-SKYACTIV G 2.0搭載モデルです。CX-30の完成度と動力性能で価格が267万8,500円なら多くの方に間違いなくオススメできます。

ちょうどいいサイズで魅力がいっぱいの
CX-30に乗るならカーリースがおすすめ

CX-30に乗るならカーリース
(引用:マツダ公式HP)

CX-30をあらためて調べてみると、とても魅力的なSUVだということがよくわかりました。なによりそのちょうどよいサイズ感は日本の道路事情にベストマッチといってもいいくらいです。それなのに国内市場においてイマイチ存在感が希薄に感じられるのは、兄弟車であるCX-5やCX-3がそれぞれ独自の魅力を持っているためなのでしょう。

CX-30はその位置づけがちょっとわかりにくいということもあってか今一つ存在感が感じられないのかもしれません。しかし、あらためて詳しくチェックしてみると、CX-30にはCX-3やCX-5にはない独自の魅力があり、ミニバンやコンパクトカーからの乗り換えであればベストなSUVといえます。次はSUVに乗り換えてみたい、そのように考えているのであれば是非マツダCX-30にもっと注目してみてください。

また、もしCX-30の新車の購入が厳しいというのであればカーリースの利用を検討してみてはどうでしょう。リースナブルでは今回ご紹介したCX-30のリース車を設定しています。

https://leasonable.com/model/cx30/

リースプランは3年と5年から選ぶことができ、オススメの20Sプロアクティブもご用意しています。リース料金は5年プラン最安コースなら19,800円/月(ボーナス月+11万880円)~ととても手頃です。

リースナブルなら頭金不要で、月々定額のリース料金を払うだけで新車のCX-30に乗ることが可能です。保険代や税金もリース料金に含まれていますし、車検費用も無料です。さらに、リース期間中いつでも乗り換えができるうえ、リースなのに途中解約も可能です。カーリースがはじめてでもこれならとても利用しやすいのではないでしょうか。是非検討してみてください。