2021年12月、スズキの定番軽自動車「アルト」がフルモデルチェンジを実施しました。大きな注目を集めるということはありませんでしたが、軽自動車というとハイトワゴンやスーパーハイトワゴンばかりに注目が集まる中、軽セダンである「アルト」はいわば究極のベーシックカーであり今や貴重な存在です。

先代アルトでは、スポーティなアルトワークスが人気を集めましたが、よりベーシックカー的な位置づけに変わったとされる新型アルトは、いったいどんなクルマになっているのでしょう。詳しく見てみましょう。

今や数少ない軽セダンの代表的なクルマが「スズキアルト」

スズキの定番軽自動車アルトがフルモデルチェンジを実施
(引用:スズキ公式HP)

スズキのアルトといえば、一昔前なら軽自動車の代表としてライバルであるダイハツのミラ(現在はミライース)と共に、軽自動車のベストセラーカーを競ってきました。

どちらも使い勝手のよい2ボックススタイルで、広くはないけれど実用的な居住スペースを確保。さらに、車両価格がリーズナブルで燃費にも優れており経済性も抜群ということから、多くの家庭でマイカーとして使用されてきました。

手ごろで実用的な軽乗用車ならアルトかミラと、ベーシックカーの定番車種として、長年幅広い層に支持されてきたクルマです。

また、アルトワークスやミラTR-XXなど、ターボエンジンを装備したスポーティなグレードもボーイズレーサーとして一部で人気を集めました。

先代のアルトにも久しぶりにそんなアルトワークスが追加され、こちらは大ヒットとはなりませんでしたが、予想以上の大きな注目を集めたことは記憶に新しいでしょう。

しかし、現在は軽自動車といえば、ハイトワゴンのワゴンRやスーパーハイトワゴンのN-BOXなど背の高い軽自動車が主流です。結果、アルトやミライースといったいわゆる軽セダンは、その存在感が薄くなるばかりです。

そんな軽セダンは、マイカーとしての需要よりも、今はエントリーグレードが社用車などに使われることが多くなっているように思われます。

では、軽セダンは社用車など安いバン的な位置づけになってしまいもはやマイカーとしてのニーズはないのか、というと決してそんなことはありません。

ミドルクラスのセダンやコンパクトカーでもボディがどんどん拡大化するなか、軽自動車は規格に縛られている分サイズが一定でとてもコンパクト。誰もが大きなSUVやミニバンを求めているわけではありません

基本的にクルマには一人ないしは二人でしか乗らないというなら、軽自動車のハッチバック(軽セダン)はむしろ、ちょうど良いアシ車、究極のベーシックカーなのです。

そして、スズキの新型アルトはそんな最高のコスパを持つ究極のベーシックカーとして、これ以上ないベストな存在といえるのです。その理由を細かく見てみましょう。

新型アルトは全高が50mmアップ!
室内スペースに余裕を生まれた

新型アルト室内スペース
(引用:スズキ公式HP)

先代アルトは、軽セダンとしてはとてもスタイリッシュなデザインが話題になりました。そのため、後に追加されたスポーツグレードのアルトワークスも、そのスタイリングはスポーティなイメージが際立ち、ハイトワゴンとは大きく違ったルーフが低い個性的なフォルムが一部の層から人気を集めました。

しかし、新型となったアルトは先代の少しクールなアルトと比べると、かわいらしく、なんというか普通のベーシックハッチバック的なイメージに変わっています。

何よりも大きく違っているのはそのルーフ高です。明らかに背が高くなっています。実際にその寸法をチェックしてみると先代アルトよりも50mmも高くなっています。

そして、そのルーフ高に合わせて、前後ウィンドウの傾斜が緩く(ピラーが立っている)なっており、居住スペースであるキャビンのボリューム感が大きく増しています。ぱっと見で先代よりも広い室内空間となっていることが感じられます。

先代アルトでも大人4人が問題なく座ることのできるスペースがしっかり確保されていたとはいえ、やはりちょっとタイトな空間となっていました。アルトワークスなどならそれがかえってスポーティで良かったのかもしれませんが、今どきの軽自動車は広くて当たり前と思っていると、ちょっと狭さを感じたのは確かです。

しかし、新型のアルトはがらりとそのイメージを変えました。実は基本的なプラットフォームは先代からのキャリーオーバ(クルマとしての骨格は先代からそのまま受け継いでいる)なのですが、全く別のクルマに仕上がっています。

先代ではエッジのきいたでスポーティなイメージだったものを、柔らかなラインを描く、少しユーモラスでかわいらしいフォルムに大きく変わっています。ツリ目気味のヘッドライトなどに先代からの血統を感じさせますが、全体的なイメージは明らかに変わっていて、高級感というか質感も向上しています。

どことなくヨーロッパのハッチバックカー的なおしゃれな雰囲気もあります。男性オーナーだと、これはちょっとかわいすぎる、などと感じるかもしれませんが、こちらのほうが万人に受け入れられるのではないでしょうか。

デザインを変更し、ルーフが高くなったことで室内スペースも広くなっています。

室内高も45mmアップ
頭上のスペースの余裕を確保

新型アルト頭上のスペースの余裕を確保
(引用:スズキ公式HP)

サイズ自体は全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,525mmで、全高が50mm拡大したこと以外は実は大きくは変わっていません。軽自動車は厳しい規格に縛られているのでこれは当然のこと。

しかし、全高が先代の1475mmから1525mmへと50mmもアップし全高が高くなったことで室内高も45mmも高くなっています。加えて、室内幅も25mm大きくなっているため、シートのヒップポイントはかわっていませんが、頭上の空間に余裕ができて、ヘッドクリアランスやショルダールームの解放感が大きく増しています。

加えて、前席のフロントドア開口部の高さを20mm拡大したことで乗り降りもしやすくなりました。さらに、ピラーを立てたことでフロントウィンドウも大きくなったので、前方の視界も良くなっていますし、乗り比べて見れば閉鎖間が減り、広くなったなと間違いなく感じられるはずです。ここうった点が大きく変わったポイントでしょう。

インテリアに目を向けるとシートもなかなかおしゃれなデザイン。シート表皮が肌ざわりのいいデニム調になっていて、そのシートカラーに合わせてインテリアのトリム類にもブルーを採用。全体的な質感も向上しています。軽バンをなくしたことで乗用車的な上質なイメージになったのかもしれません。

スズキの発表によると、新型アルトのインテリアは「毎日乗っても飽きのこないデザイン」をめざしたとのことですが、デニム調のシート表皮や、ブルーのトリムに加えて、インテリアの装飾やパネル類もより立体的なものとなっていてその狙い通りになっているのではないでしょうか。これだったら決して社用車や営業車には見えません。シンプルでおしゃれな、まさにベーシックハッチバック車です。

マイルドハイブリッドと
エネチャージを設定

新型アルトマイルドハイブリッドとエネチャージを設定
(引用:スズキ公式HP)

この新型アルトに搭載されるパワーユニットはマイルドハイブリッドと、エネチャージ(減速エネルギーで発電を行いガソリンの無駄な消費を抑える仕組み)ガソリンエンジンの2タイプです。上級グレードのHYBIRD XとHYBIRD Sがマイルドハイブリッドで、エントリーグレードのLとAグレードはエネチャージとなります。

ちなみに、先代アルトには設定されていた商用車モデル「アルトバン」は新型では用意されていません。ライバルのミラバンもすでにありませんので、アルトのフルモデルチェンジによって、軽ボンネットバンというジャンルそのものが消滅したことになります。新型アルトではエントリーグレードのAグレード(2WDモデルは94万3,800円)がその変わりとなるのでしょう。

アルト搭載されるマイルドハイブリッドは、36kW(49PS)/58N・m(5.9kg・m)を発生する660㏄NAエンジンに1.9 kW(2.6PS)/40 N・m(4.1kg・m)のアシストモーターの組み合わせたもの。
車重710kgと、1t近いスーパーハイトワゴンに比べると圧倒的に軽量なアルトには十分なパワーを備えています。WLTCモード燃費は27.7㎞/Lでこちらも十分優秀な値。ちなみにマイルドハイブリットではないエネチャージのほうのWLTCモード燃費は25.2㎞/Lとなっています。

マイルドハイブリッドは高速域ではほとんどアシスト効果がないので、高速道路を使った長距離ドライブにはあまり向いていないかもしれませんが、モーターによるアシスト効果が期待できる街中ではきびきびと走ってくれるでしょう。

また高速道路でも、軽いですからそれほどストレスは感じない走りが味わえるはずです。また、新型アルトでは、ステレオカメラ方式の自動緊急ブレーキや、誤発進抑制制御機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能、後退時ブレーキサポート、後方誤発進抑制機能などが全車標準装備となったので、運転の安心度も大きく増しています。

軽量で重心が低いので
コーナリング性能も期待できる

新型アルト軽量で重心が低いのでコーナリング性能も期待
(引用:スズキ公式HP)

ハイトワゴンやスーパーハイトワゴンのように極端に重心が高いわけではないので、コーナリングもスムーズなはずです。山道や峠道でもそれなりにハンドリングが楽しめるのではないでしょうか。

アルトはなんといっても軽量なので、パワーはなくてもその走りに不満は感じないと思います。

叶うならまたターボエンジンを搭載したアルトワークスを設定してほしい所ですが、エコが重視されガソリンも高騰し続ける現状、パワー重視のスポーティなアルトワークスの復活は難しいのかもしれませんね。

気になるグレード構成と価格ですが、こちらはとてもシンプルです。

アルト価格表
グレード パワーユニット 駆動方式 価格
A NAガソリンエンジン 2WD  ¥    943,800
4WD  ¥ 1,075,800
L NAガソリンエンジン 2WD  ¥    998,800
4WD  ¥ 1,129,700
HYBRID S マイルドハイブリッド 2WD  ¥ 1,097,800
4WD  ¥ 1,228,700
HYBRID X マイルドハイブリッド 2WD  ¥ 1,259,500
4WD  ¥ 1,379,400

 

NAエンジンのAとLグレードは100万円を切る価格設定となっています。またLグレードにはフルオートエアコンやスモークガラス、リアヘッドレストなど装備を充実化できるアップグレードパッケージ(2WD/113万,800円、4WD/126万1,700円)も設定されています。

「新型アルト」スズキ公式サイト:https://www.suzuki.co.jp/car/alto/

こちらの公式サイトを見るとこのLのアップグレードパッケージは、装備内容が充実していてなかなかコスパが良さそうですが、アップグレードパッケージで追加される装備がすでに標準化されている、上級グレードのハイブリッドXとの価格差があまりないので、Lのアップグレードパッケージを選ぶならハイブリッドXやハイブリッドSを選んだ方がむしろお得感は高いかもしれません。

リースナブルなら最新のアルトに
月々6,000円~で乗ることができる

リースナブルなら最新のアルトに月々6,000円で乗ることができる
(引用:スズキ公式HP)

新型アルト、あらためてチェックしてみましたが、そのデザインも装備もなかなか魅力的な一台に仕上がっていました。スーパーハイトワゴンのように圧倒的な広さはありませんが、軽自動車のベーシックカーとしては、燃費も良く居住性に優れて先進安全装備なども搭載されているなど、とても堅実な作りになっているといえるでしょう。

また、その上質でかわいらしいエクステリアデザインやインテリアの仕立てなども、幅広い方に好まれるのではないかとおもいます。

最近はちょっと影の薄いアルトのような軽セダンですが、新型アルトに関しては決して安価な移動手段などではなく、むしろ無駄を省いて実用性に優れた、究極のベーシックカーに仕上がっているのではないでしょうか。安かろう、悪かろうのクルマではありません。派手さはないですがむしろ、積極的に選びたいクルマです。

そんな新型アルトですがリースナブルではマイルドハイブリットのアルトHYBRID Sのリース車両をご用意しています。

マイルドハイブリットのアルトHYBRID Sのリース車両:https://leasonable.com/model/alto/

今なら(2022年4月現在)、5年プランの最安コースで月々6,000円×60回(+ボーナス加算91,080円)で、定額プランなら月々19,800円×60回(ボーナス加算なし)という軽い負担で乗ることが可能です。新型アルトワークスが気になっているという方は、是非上記URLにアクセスしてリースナブルのお得なリースプランをチェックしてみて下さい。